- 2019年12月11日 13:10
灯油価格が高いとあって灯油と電気とどちらが得かみたいな記事が多くなってきた。
しかし発熱量などを考えずに、6畳用のファンヒーターと6畳用のエアコンでは、みたいな記事が多い。
発熱量や効率の話には触れず、どちらが快適かみたいな話は全然関係ないんだけど。
発熱量は、電気を直接熱に変えると1kWh=860kcalになる。
灯油は1リットルあたり36.5MJなので8720kcalだ。
電気代をkWhあたり25円とすると1円で約35kcalを得られる。
灯油価格は現在1リットル88円位なので、1円で99kcalの熱量が得られる。
電気を直接熱に変える、ジュール熱を加温に使うのがいかに高コストかが分かる。
都市ガスの場合は1円でおよそ70kcal程度となるので、高いと言われるガスでも電気の半額なのだ。
高層マンションなどではガスが使えないので必然的に電化になる。
冷暖房や給湯はヒートポンプを使うとしても、調理器は電熱かIHであり35kcalごとに1円がかかる。
水槽の記事で書いているが現在ペルチェによる加温を行い始めていて、これだと1円で約50kcalの発熱が得られている。
エアコンの場合COP(最近ではAFP)が関係する。
エアコンは熱交換なので、電力量以上の熱量が得られる。
例えばウチの一番古いエアコンはAPFが5.8なので1円で203kcalが得られる計算だ。
昨年買った8畳用も、リビングの20畳用もAPFは5.8である。
普及価格帯のエアコンの効率は余り変わっていないと言う事だ。
ちなみに三菱のFZシリーズと日立のXシリーズの高効率モデルではAPFが7.5もある。
APFが7.5だと1円で263kcalもの熱量が得られる計算だ。
20畳用だとFZV6319SでAPFは7.0、実売価格は30万円くらいになる。
ウチのMSZZW7118は20万円なのでその差は10万円だ。
APF7.0の年間消費電力量のカタログ値は1702kWh、ウチのものだと2313kWhとなっている。
電気代にすると42,550円対57,825円でその差は15,275円。
販売価格差の10万円を15,275円で割ると6.5、つまり6.5年以上使うとAPF7.0のエアコンの方が安上がりになるわけだ。
しかしウチの場合は夏場は余りエアコンを使わない。
山の中なので涼しいからだし、リビングにいる時間も少ないので冷房のトータルコストはシーズントータルで4千円くらいなのだ。
冬場はもう少し使うとしても6千円くらい、年間1万円だとすると差が埋まるのに30年以上かかる。
では灯油代がいくらならウチのAPF5.8のエアコンと同等になるのか?
ファンヒーターの熱効率が不明なのだが80%以上は行くと思う。
ファンヒーターも電力を使うが、ウチにあるものは数十ワットだ。
エアコン暖房は、特に外気温が低いとカタログ通りには行かないので6割くらいか。
するとエアコンは1円で120kcalくらい、88円の灯油は1円で80kca位だ。
灯油価格が70円だと電気暖房との差が無くなる。
ここに引っ越してきた冬は灯油価格が73円位だったので、あえて電気暖房を使うでもなかった。
灯油やガス暖房の方が立ち上がりが早いのは事実なのだが、リビングのエアコンの暖房能力は12kW(外気温2℃だと9kW)もあるので石油ファンヒーターのヒーター加熱時間を考えるとエアコン暖房の方が早く温かい風が出てくる。
それでも外気温度が0℃前後になればエアコンは停止時間が増えるので、どうしても灯油暖房併用と言う事になる。
今後EV全盛になると灯油価格はどう推移するのだろう。
ちなみに88円の灯油のうちの本体価格は約77円で、残りの11円が税金である。
ガソリンは145円位だが、ガソリンの本体価格は約75円なので灯油よりも安い。
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