- 2020年1月 6日 11:14
現在はこのようなハイパワーの電源の多くは海外製品だ。
広大な農地の米国では数十kmにも及ぶ電気柵が必要になる。
柵で侵入を阻止する動物も鹿や猪ではなく、馬や牛、熊という大型動物だ。
ハイパワーな電源が無い場合は数百メートルごとに電気柵用電源を置いていくのが一般的だそうだ。
自動車用バッテリーで1ヶ月程度は稼働するそうなので、月に1回はバッテリーの交換の手間が要る。
長距離用のものはそれなりに電力を消費するので2つのバッテリーを切り替えて使うなどするそうだ。
太陽電池板を付けたものなどで、日当たりが良ければメンテナンスが楽になる。
柵が長くなればリークも増えるし地表間容量も増える。
したがって電流容量の大きな電源でないと電圧降下が大きくなる。
電流容量を大きくするにはトランスを大きくする必要があり、電源のインピーダンスが低ければ電圧降下は無視出来る。
イグニションコイル+CD方式だと、放電用コンデンサ容量を4μFにしたとしても数百メートルが限界ではないかと思う。
以前に書いたように電圧を上げれば良いというものではなく、理想的には開放でも負荷状態でも電圧が変動しない方が望ましい。
CD方式の場合にトランスはパルストランスとして動作する。
50/60Hz用のトランスも使えると思うので、これなどを使えば電流は取れそうだ。100V側を一次側として使用し、300Vを加えれば二次側は10kV以上になる筈である。
イグニションコイルのインダクタンスは数mHだが、電源トランスとなると数百mHと大きい。
インダクタンスが大きいので放電時間が長くなる事に期待が出来るが、その分コンデンサ容量も大きくしないといけない。
定格出力電流は15mAだ。
一次側に100Vを加えれば6.6kVが出るのだが、無限に電力の取れる商用電源やDC-DCコンバータに接続すると安全装置を厳重にしたとしても危険がある。
万が一にも通電しっぱなしになれば極めて危険なのは言うまでもない。
人や動物が触れて命を落とすのは勿論、火災の危険もある。
安全性を考えるならばCD方式以外には思いつかない。
50/60Hz用でインダクタンスも大きいので、電荷蓄積用コンデンサC1の容量は大きくする。
少なくとも10μF以上は必要だ。
コンデンサはESRと寿命の点でオイルコンデンサが良い。
進相コンデンサとして売られているものが入手性が良い。
米国製の電気柵用電源では10μFのコンデンサを数本並列にして大きなトランスをドライブする。
出力波形の半サイクルは3ms〜5msにもなる。
電圧は9.9kVと謳われている製品が多いので、10kV以下の規定があるのかも知れない。
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