消毒液は何が良いのか

店先などに置かれた消毒液、アルコール系や次亜塩素酸水などがある。
アルコールは皮膚が赤くなったりする(私もそうなる)ので、酒に弱い人や小さな子供は注意が必要だ。

アルコール系消毒液の置かれている店では、床に落ちたアルコールのために床材が変色・変質しているところがある。

経産省では、次亜塩素酸水の除菌効果は検証中だ、効果はハッキリしないと言い続けている。
検証などすぐに出来るのに、これは以前に書いたようにアルコール利権の問題があるので仕方がない。
経産省の外郭団体であるNITEは、次亜塩素酸水はコロナウイルスに対する殺菌効果をたいへん高いとした。

北海道大学人獣共通感染症リサーチセンターは2度にわたって次亜塩素酸水の殺菌性を検証している。
最初はpH2.7で濃度40ppmの次亜塩素酸水を使用してテストをした。
試料は1mlあたり1千万個以上の新型コロナウイルスが入ったもので、次亜塩素酸水により30秒以内にウイルスはゼロになった。
次にpH5.5で濃度40ppmの次亜塩素酸水でのテストを行った。
これも同様の結果となった。

基本的性質として、アルコールの場合はアルコール成分が手に残っている間は殺菌効果がある。
次亜塩素酸水の場合は有機物に触れるとすぐに分解して水に戻ってしまう。
従って手が濡れているからと言って殺菌効果が持続しているわけではない。
単に水が手に付いているのと等価だからだ。
これを勘違いすると、手が濡れているのだから大丈夫だろうと思ってしまう。

アルコールの場合は、手にアルコールを付けてその手で何かを触ると触ったものにもアルコールが付着して殺菌出来る。
次亜塩素酸水の場合は、常に新しい次亜塩素酸水を使わないと殺菌効果は薄れる。

ウチでは元々は猫の真菌殺菌に使った。
次亜塩素酸水で猫の耳を消毒し、その後ヨウ素液を塗ることで真菌症は治まった。
猫には刺激性の薬品を使いにくいので、すぐに水に戻る次亜塩素酸水を使った。
適正濃度の次亜塩素酸水は刺激がないので猫にも使いやすい。

問題は昨今売られている次亜塩素酸水の中身だ。
次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)に酸を加えたものや、製法や濃度すら分からないものが氾濫している。
高濃度の次亜塩素酸水は人体にも有害で、これはオゾン同様である。
次亜塩素酸水販売業者を検索してみると、製法などに関して触れられていないところが多い。
現時点で言えるのは怪しげなものは買わないこと、高濃度のものをそのまま使ってはいけない事である。
怪しげなものを買うならアルコールや石けんを使った方が良い。

電気分解で得られる次亜塩素酸水の濃度は200ppm以下だと言われる。
それ以上の濃度にならない理由はよく分からない。
従って市販されている、濃度200ppm以上の次亜塩素酸水の多くは次亜塩素酸ナトリウムに塩酸を混ぜて作ったものとなる。
これは塩素臭があり脱色が起きる。

経産省はアルコール利権にしがみつくばかりではなく、次亜塩素酸水に関しての規定を作った方が良いと思う。
病院などでも広く使われているものだが、怪しげなものが蔓延する傾向もある。
製造コストが安いので新規参入しやすいのも理由となっている。

次亜塩素酸ナトリウムから作るのは自分でも出来る。
キッチンハイターなどに塩酸を加えてpHを5前後に調整すれば良い。
塩酸を加えた時点で大量の塩素ガスが発生するので、室内で行うと相当な危険がある。
ならばキッチンハイターの希釈液でも良いじゃないかと言われそうだが、キッチンハイターはアルカリ性なので皮膚に付ける事は避けたい。


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