利益が問題なのか？問題ではないのか

ソフトバンクの孫さんは、営業利益など大きな問題ではないとした。
一方で利益が上がった時には、1兆円の利益だ、トヨタが67年かかった事をソフトバンクは36年で達成したと語った。

これは単にトヨタの操業年が1937年だったという話であり、その間の景気動向を見れば当たり前だ。
しかし孫さんとしては、数字の意味ではなく数字の大小だけを捉えて語る。
もっとも、そのソフトバンクはトヨタに迫る事はあったが、超える事は出来なかった。
そして大赤字への転落だ。
利益が減ったどころの話ではなく、1兆円を超える赤字となった。
すると利益は問題ではないと言い始めた。

60代で世代交代すると言ったその言葉も怪しくなってきた。
事業を託す人が見つからない。
それは当然の事であり、孫さん級の人間がゴロゴロいるわけではないからだ。
この点でも今のところ先が見えていないようで、70代になっても頑張るかも知れないとした。

ソフトバンクの苦しみは、来年の決算で黒字転換しなければならない事だ。
さすがに2期連続赤字となれば、投資会社として失敗の烙印を押されかねない。
ソフトバンクだから、孫さんだから巨額投資のリスクも許容出来るとしてきた投資家が離れれば、それは赤字以上に辛い局面になる。

企業は大きな利益を上げなくても、赤字にならないような経営を行えば中長期的に見た企業価値は上がる。
一時的に大きな利益を出したとしても、大きな損失を出してしまうとトータルの企業価値・累計利益を維持しにくい。
500億円の赤字を出すと、その穴埋めのために500億円を用意しなければならないが、その為には税込み利益でその2倍、固定費などの分も合わせると更に稼がなければならない。
ソフトバンクの場合は租税回避が得意なのでこの点は楽かも知れないけど。


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