続・高級(3/11)
◆ 以前に高級の事を書いた。高級な軽自動車とか高級なホームレスはアリか、みたいな事を。車に関して言うと高価格と高級はやはり違うと思う。たとえばCLSはマークXよりも高額ではあるが高級かと言われるとそうではないと思う。まあ似たようなものと言ってしまえばそれまでなのだが、だってそんなものだから。私は時計などには詳しくはないのだが、以前にスイスに行ったときに時計屋が言っていた。日本の観光客は日本で有名なブランドの時計を高級だと思っているのかも知れないけれど、その程度の高級品はウチには置いていないと。店主によればシャネルだとかの、時計とは違った部分で確立されたブランドの時計は、時計屋に言わせると本物ではないという事なのだ。
◆ LGはプラダフォンとかプラダスマートフォンを発売している(た)。プラダは有名かも知れないがLGが作ったら偽じゃないのと口の悪い人は言う。だからかどうか知らないが売れたという話も聞かない。そういえばSBMもどこかのブランド品をやってなかったっけ。ケータイというと日本にもVertuは入ってきていた。あの銀座のショールームに行くと店員さんがいつも暇そうにしていた。Vertuだけが高額なのではなく、ソニエリもBlack Diamondってモデルを$300,000で売っていた。最高値はGoldvishLe millionで$1,000,000だったとか。これらはいわゆるゴテゴテ系で機能を追求したら高額になりましたというものではない。貴金属や宝石などをちりばめただけで、圏外にならないわけでもなければバッテリが長持ちするわけでもない。
◆ 時計などは凝ったメカニズムなどが売りになる場合もあるが、ケータイの場合はそうでもない。中身の基板は同じでケースだけ取り替えたら高くなった、そんな感じである。これは高価格なのだが果たして高級品というのだろうか。むしろ宝石としての価値を見出すのならば、その宝石を活かせるデザインや品物がより相応しいと思う。ダイヤのちりばめられたケータイを金とプラチナのストラップで首から提げていても、余り魅力的には見えない。
◆ ご存じのようにVertuは日本から撤退した。ドバイあたりでは売れるのかも知れないが、日本では余り売れなかった。一部の高額所得層や芸能人などは興味をしめしたと伝えられるのだが、日本ローカルな機能入りのモデルを開発する余力はなかった。売れないからさっさと撤退ねと去っていった後に残された利用者はどうするのだろう。高価格品なのだからそれなりのサポートはしてくれるのではないかと思うが、そもそも日本に代理店がないのだから困るだろう。電話機は高級だったのかも知れないがサービスが高級ではなかったねという笑い話である。
◆ 高級食材ってものがある。食材に関しては高級=高価格みたいな所も多分にある。松茸は高級だけれど中国産はそうではない、みたいな。トリュフもピンキリなのだが、あれだって香りを楽しむものでばくばく食ったって美味しくはない。キャビアやフォアグラにしても世界三大珍味と呼ばれてはいるのだが日本人の食感からするとどうなのかなぁ、美味しいかなぁ。キャビアをお玉ですくって食っても良いと言われるよりも、生本マグロの方が良いな、みたいな。高級品の他に一流品ってヤツもある。普通のチーズは高級ではないが、どこそこのチーズは一流品だ、みたいな。正月のTV番組の格付けでも高級とは言っていなかったかな、一流芸能人と分類していたかも。
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