FOMA(2/23)
◆ 来年再来年という話ではないがFOMA終演の時は必ずやってくる。それはアナログ携帯の巻き取りやPDCの終焉と同じように停波の日が来るのだ。Xiの料金プランがFOMA同様であるならば何ら問題はないが、SBM主導で展開されてしまった高額な通話料金は通話をメインにする使い方をする人にとっては大きな問題だ。
◆ 月額980円で25分間の無料通話が行えるのと、同じ980円で無料通話無し(網内準定額あり)では、少なくとも私の使い方では前者の方が有り難い。SBMで25分間の通話を行うと基本料金との合計で2,030円の料金となってしまう。ドコモの場合は無料通話分の繰り越しと分け合いが同時に行えるので家族契約内に1つのFOMA契約があるとその無料通話分をみんなで分け合う事が出来る。私は現在家族契約内に2つのFOMA契約を持っている。番号が欲しかったからという理由もあるし通話の無料分を分け合っている目的もある。
◆ 無料分だけの為に回線契約を行えば基本料金は気になるところではある。しかし既契約のFOMAを残しておく目的が含まれているとすると(つまり、基本料金以外を考えると)月間5分以上Xi契約で通話するならFOMA契約を残しておいた方がお得とも考えられる。
Xi契約は870円でFOMA契約が980円、その差額を通話料に換算すると約5分になるからである。
◆ しかしFOMA契約が出来なくなる日が来るとすると、それこそIP電話や割引サービスでも使わない限り通話料金が下げられなくなる。現在FOMA料金+割引サービスを使っている利用者は、そのFOMA無料通話分が無くなってしまうことを意味する。IP電話の場合は通話品質とバッテリコンサンプションが問題になるだろう。
◆ ドコモは年内にもVoLTE開始かと言われている(一部情報では3月開始説もあった)が、果たして料金体系は変わるのだろうか。ここでもSBM主導で高い料金プランが設定されたらたまったものではない。SBMのプランは網内定額もなくなり、基本料金とサービス料金を合わせた価格は高く、実質的値上げに他ならない。
SBM自身も収穫期と言っているとおり、これまでよりも高額なプランを導入して集金額を増やす計画だ。
加入者増にも陰りが見えた今、今現在の加入者からどれだけ多くの金を取るかは重要課題の筈だ。そのカネがなければばらまきが出来ない。
◆ VoLTEには課題も多い。一つは帯域と消費電力の問題で、遅延や回線品質悪化を担保する為に冗長化されたデータは広い帯域を必要とする。それでも昨今では従来よりも狭い帯域が使えるようにはなっているが有線のIP通話などでは128kbps程度の帯域を必要としていた。回線交換では数kbpsで済むのだからその差は大きい。必要帯域の増大は消費電力の増大でもあるし、無線回線の圧迫でもある。無線回線上は優先パケット制御が行われるので通常のパケット通信よりは品質を確保しやすいとは言うものの、所詮ベストエフォートである。
◆ VoLTEから非VoLTEエリアに移動する場合にはVoLTEからW-CDMAへのハンドオーバが必要になる。通信方式も遅延も異なるCDMAにシームレスでハンドオーバを行う事は難しい。高速システム間ハンドオーバを行うにしても音声の途切れは起きる。そしてそれが頻繁に繰り返される状況では通話に支障が出る。
この辺りがどうなるのか、どうするのかも含めた問題のクリアがVoLTEネットワーク構築には必要だ。
早いところcdma2000から足を洗いたいKDDIはVoLTEに近いところにいると思われる。VoLTE化によって今や古くさくなってしまったcdma2000と縁が切れるのである。
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