インピーダンス(2)(10/3)
◆ RFワールドNo.8のオンライン立ち読みでは核心部分は不明だったが、アンテナアナライザのソフトのソースがダウンロードできた。回路図無しでソースだけ読むので分かりにくいが、何をどう計算しているのか位は分かるかも知れない。
◆ 早速ダウンロードしてソースを見ると、電圧は4点を測っている。ラベルはV0P,V1P,V2PとV4Pである。V0Pがブリッジの中点電圧と書かれているのでこれは分かった。次にRxを求めている。このRxを求める式は49.9Ω×(V0P+V1P)/(V0P-V1P)となっている。
SWRはRx/50なのでRxがアンテナのインピーダンスだろう。Vpは発振器の出力電圧かな。
◆ Z0,インピーダンスの計算はV2P/(V4P/49.9)で、R=V/IだからV2Pがアンテナ端電圧でV4Pは発振器とアンテナ端を接続している49.9Ωだろうか。
次にRを求めているが、これが実数部かな。Rを求める式は(50^2+Z0^2)×SWR/50/(SWR×SWR+1)となっている。
虚数部であると思われるXは√|Zo^2-R^2|だ。
◆ V0P
ブリッジの中点電圧、V1P
発振器の出力電圧、V2P
アンテナ端電圧、V4P/49.9
アンテナ端に流れる電流だと思う。で、実数部はアンテナのインピーダンスとSWR値の違いから求めて、その残りの分が虚数部になる感じかな。さらに立ち読み版と合わせてみる。SWR=(Vb+Bab)/(Vb-Vab)なのでV1Pはブリッジのアンテナ端とは反対側の中点電圧かも知れないが発振器電圧(Vp)でも計算値を半分にすれば同じ事ではある。ブリッジ中点に電流が流れると値に差が出てくるが、それだと誤差が出る。
◆ アンテナが40Ωの抵抗と10Ωのリアクタンスの直列だとしよう。
この場合のSWRは約1.37になるのでそこから逆算していく。SWRが1.37なのでRXは68.5と読めているはずである。これは中点電位が0.08V弱になる。Z0は60.5Ωになるかな。抵抗分は約59Ω、リアクタンス部分は179Ω… あ、どこか間違っているな。抵抗とリアクタンスが並列だとしても約44Ωで計算が合わない。いや、計算が合わないのではなく計算に誤りがあると言った方が正しいか。
RXが50Ωに読めていたとしてもR=約48Ωになるので計算は合わない。
◆ と言うわけで深く検証しないままになっている。なおファームはこちらからダウンロードできるので考え方が間違ってるとと気づいた方はコメント欄ででも教えて頂ければと思う。
計算は上手く出来なかったが考え方としてはSWRとインピーダンスから実数部と虚数部を計算する感じだ。
この中で位相まで見られるのはブリッジの中点電圧だけで、あとは絶対電圧となっている。
◆ 三田無線方式でブリッジのバランス素子自体にリアクタンス成分を持たせてしまう方式のものが他にもあった。但しこの場合は測定周波数範囲を余り広くできない。つまり低い周波数では大きなCやLが必要なのに対して高い周波数になるとわずかな変化でバランスが変化するからだ。容量の大きな可変Lや可変Cを入れておくと、高い周波数では変化が大きくなり過ぎたり寄生容量の問題が無視できなくなる。
◆ 位相を見るならかけ算器を使う手もある。アンテナ端に信号を供給する抵抗に流れる電流とそこに印加されている電流をDBMに入れてかけ算すれば位相に応じた直流電圧が読める。
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