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◆ 携帯電話値下げタクスフォース会議があったが、特に新しい話はなかったように感じる。会議で取り上げたのはこれまで言われてきた事や分かっている事の延長でしかない。インセンティブモデルに関しても再び問題視はされているのだが、これは以前から書いているように法規制したとしても的確に運用する事は難しい。
◆ 前回の分離プラン推進の時にはソフトバンクの反乱によってこれが阻止された。いち早く分離プランに対応したと孫さんは叫んだが、その実新規契約優遇や多額のキャッシュバックなどをばらまき続けた。
◆ しかし今分離プランを再度推進したらどうだろうか。加入者減少やスプリントの失敗でカネがないソフトバンクは喜ぶのではないだろうか。そしてドコモやauが分離プラント言いながら、過去のソフトバンクのようにキャッシュバックでも行おうものなら 頭から湯気を出して怒り狂うに違いない。
自分の不正は徹底的に言い訳をするが他人の事は絶対に許さず叩きつぶすというのがソフトバンクスタイルだからである。
◆ 会議ではApple税に関しても話題には上がった。Android端末利用者とApple端末利用者間の不公平、新規と既存利用者間の不公平などだ。この辺りは是正を指導する事は可能であったとしても制限する事は出来ないと思う。まあダンピングみたいなものなのだが商業的にそれで成り立っていて具体的不利益を被る利用者が明確でない限りはダメだ。
◆ 通信事業的な部分ではなく税法上の贈与に該当するとか景品表示法に抵触するとか、こじつけていけば何かは出来そうな気がするが難しい。ソフトバンクが勝手に衰退していったようにiPhone人気が減退すればApple税に関しても是正されていく事になる。
◆ 以前にも書いたようにMNO事業者が適正な通信料金を設定すればMVNO事業者の立場がなくなってしまう。MVNO事業者こそ通信料金そのものを売っていると言えるからだ。MVNO事業者でも端末販売を行うところが増えているが、端末販売による利益はそうは大きくないだろう。
◆ 逆にMVNO全盛となるとMNO事業者の利益が減少するので料金体系の変更が起きる可能性もあり、何かの規制や制限を行うよりも経済としては自然の流れになる。YMなどはMNOとの競争ではなくMVNOとの競争に変わってきている。ただし純粋なMVNO事業者に比較すると料金は高い。
◆ 携帯電話など移動体通信普及率は100%を超えている。その多くがいわゆる水増し的なものでありソフトバンクが機種変更の時に契約させるタダSIMなどが最右翼だ。単に契約数を増やすのみで売り上げには寄与しないのだが、解約阻止力はある。メインの回線を解約してしまうとタダSIMがタダではなくなり、解約を忘れると酷い事になる。またメイン回線とそれら付帯回線の解約時期が異なる場合は違約金収入をもソフトバンクにもたらしてくれる。
◆ そんな熟成期であるからこそソフトバンクの衰退が表面化してきたわけだが、それを黙ってみている孫さんではないだろう。
次の一手がなんなのかは分からないのだが、何かを行わなければドコモやauと戦う事が出来ないのは明白だ。
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