集合電源(6/24)
◆ USB出力のACアダプタの話はblogでも書いているが、多ポートのUSB電源が必要になる日が来るとは思わなかった。
私はUSB器機は使っているがUSBハブを使う程のことはない。その程度だ。
◆ しかしスマートフォンの台数が増えて通信用としてではなく電源として多ポートのUSBコネクタを使う事となった。5Vの電源にUSBコネクタを配線しても勿論良いわけだが、既製品は部品を揃えて組み立てるより安い。これもスケールメリットと言う事になる。
◆ 最初に買ったものはELECOMの4ポートの電源だ。とりあえず4ポートあればいいのと特別な機能は無いが安価で小型だった事でこれを選んだ。これと共にQuickCharge2.0対応のACアダプタも購入して実験した。
しかしスマートフォンが又増えたのでポートが足りなくなった。いや、増える予定は無かったのだが…
◆ テーブルタップ周りが又ゴチャゴチャしてきたので、次にAnkerの10ポート電源を買った。6ポートでも間に合ったのだが大は小を兼ねると言う事で。
AnkerのものはVoltageBoost機能が付いていてUSBケーブルでの電圧降下をある程度補償するようになっている。
◆ この仕組みはQuickCharge2.0対応ACアダプタにも実装されているが振るまいが異なる。
QuickCharge2.0対応の方は無負荷では5.1V程度が出力されているが10ポートの方は5.3Vを超えている。おそらくは最大電圧になっているのではないかと思う。
無負荷でフィードバックがないので最大電圧になるというのは分からないでもない。
◆ QuickCharge2.0対応版の方は出力電圧の切り替えロジックなどが必要なので、色々と小細工がしやすいのだろう。
10ポートの方はスイッチング電源に、各ポート独立したVoltageBoostの為のデバイスが付いていると考えられる。
◆ VoltageBoostの回路は単純なシリーズパスのLDOだと思う。出力電圧の上限が高ければ補正範囲は広くなるが、補正に失敗したケースを考えると余り高くは出来ない。D+/D-端子電圧を見ていると想像出来るので、これが接続されていない充電専用ケーブルなどではVoltageBoost機能が働かない。まあ接続されているかどうかまでをチェックして制御すれば良いのだがコスト的には負担になる。
◆ USBケーブルの電圧降下をゼロにすることは出来ないが、最近は急速充電対応を謳うUSBケーブルが増えたこともあって電圧降下は少ない。ELECOMもものはAWG18の線が使われているらしいので、2A流したとしても1mあたり(往復で)約80mVしか下がらない。
◆ AWG18は太いとしてもAWG20〜AWG22が普通に使われているのが昨今だ。これが数年前となれば充電を意識などしていないUSBケーブルが大半であり、低損失を謳ったものはそこそこ高額で売られていた。それこそ今なら5〜6本が買える2千円台とか、そんな価格だったのである。
◆ 充電器にしても1A出力は"高出力"であり、スマートフォンやデジカメの付属ACアダプタも500mA定格のUSB規格そのものだった。
スマートフォンのバッテリ容量の増大と大電流急速充電など一般的ではなかったからだ。
ただその頃でもiPhoneは専用コネクタと専用線を使う事で1A程度の充電電流を流せていた。
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