山(8/1)
◆ ずいぶん前に一緒に仕事をした人が山を持っていた。凄いですねぇ、山を持っているとは!とみんなが驚いたのだが、その人にしてみれば邪魔者だそうだ。
◆ 何かの規制がある地域らしく木を切ったり宅地にしたりすることは出来ず、松茸などが採れるわけでもない。
単に持っているだけで税金がかかる。
売ってしまうにしても、まず買う人が居ないという。
◆ 電気も水道もないし川もないその山は相続によって手に入れたようなのだが、この先どうしようかと悩んでいた。山に入るにしても、そもそも道が無いので容易には立ち入れない。
◆ カブトムシやクワガタを捕ってきて売るとしても、全く手の入っていない森の中に入るその事自体が凄く大変なのだと言っていた。
ゴルフ場を作ったり道路を作ったりすることがいかに大変なのかが分かるとも語った。
◆ 横浜などでも山を切り崩して住宅が建ち並ぶわけだが、造成コストは大変なものだろう。なので元は安い山の土地が宅地化されると高くなってしまう。というか、そうしてカネをかけないと使えない土地だから安いんだけど。
◆ 山を切り崩して出た土はどこかに運ばれていくわけだが、需給がほどよくバランスしているので残土処理費は余りかからないそうだ。実質的な残土処理費用は運賃などに充てられるという。価格は地方などによっても違うのだろうが、1立米で5千円とかだとか。
◆ とは言っても大規模造成だとものすごい量の土が出るわけだから大変だ。
今は余り見かけなくなったが、○○ニュータウンみたいなものがどんどん造られている頃は土を捨てに行くダンプと砂利を運んでくるダンプが列を作ったわけだ。
◆ 山の木を切って運ぶ為には道が必要で、道の無い場所にはモノレール的な運搬装置を作るらしい。傾斜地にも比較的簡単に作る事が出来るらしい。林業用のモノレールは関西方面でよく使われるとのことだ。
◆ 木材そのものの価格は余り高額ではなく、人件費や運搬コストが上乗せされて高くなる。国産の杉材は輸入木材に比較しても安価なのだそうだが、需要は伸びないという。木材需要を見込んで植林を行ったが木材の輸入自由化で需要が低下した。
◆ 結果として当初の予想よりも需要が減って出荷量としては横ばいだったそうだ。要するに国の政策が間違っていたと言う事になる。
その比較的安い木材を使って国産の家具などを作る所もあるのだが、輸送費と加工費で輸入物や工場生産品に勝てない。
◆ メーカによっては山間部に加工場や製品工場を構えて輸送コストの削減を狙うそうなのだが、そもそもが量産品に価格で勝てないので大量販売にはならない。しかし国産材を使った家具販売は今後のビル可能性があるとも言われている。
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