EVに参入(4/1)
◆ SONYはEV事業に参入すると発表した。バッテリコストの低減によりリーズナブルな価格で高品質な車両を提供するという。
◆ バッテリは安価な18650型を使う。
ソニーエナジーデバイスのLi-ion電池部門は村田製作所に売り払われていったわけだが、このバッテリ供給は村田製作所が受け持つ。
◆ 各バッテリにはパワーMOSFETを内蔵したマイクロコントローラが接続される。円形の18650バッテリを並べた時に出来る隙間にそれは実装される。
MOS FETはバッテリと並列に接続され、分流することでセルごとのバランスを高度に保つ。各コントローラ同士は電源線重畳の通信を行い、連携する。
◆ Li-ionバッテリの低温特性を改善するため、バッテリセルの温度が規定以下の場合はMOS FETに電流を流すことでバッテリセルを加温し、各セルの温度バランスを取る。
◆ バッテリセル群のケースは二重構造になっていて、温度が上昇するとペルチェ素子でバッテリケースを冷却する。18650汎用バッテリを使うことで従来のEV用バッテリの1/10のコストが実現出来たという。しかし想定寿命は5年と短い。
◆ 車両は当面アストンマーチン社からのODM供給を受ける。国内自動車メーカに打診するも協力態勢が得られなかったことからアストンマーチン社をパートナーに選んだ。
ただし基本ボディはトヨタ製のiQのアストンマーチン版であるシグネットの再販売という形になるが、新たにオープンルーフボディーもラインナップに加えられた。
◆ 基本構成はFFでモータはフロント部分に搭載、CVT変速機を介してフロントホイールをドライブする。
変速機を搭載したのは市街地モードでの走行距離延長とバッテリ放電電流を小さくすることによる寿命の延長のためだ。
バッテリユニットは後部に搭載し、標準仕様の30kWhから最大で60kWhまでの搭載を可能としている。
◆ バッテリを搭載するため、申し訳程度に取り付けられていた後部座席は外され、全て2シータ構成だ。
モータ出力は最大150kWとオリジナルガソリンエンジンの2倍以上のパワーを絞り出し、FFでありながら0-100km/h加速を4秒台で走り切る。
◆ ボディの基本構成こそiQそのものだが、各部は強化され独自のサスペンションやタイヤサイズの変更などで全幅はオリジナルの1680mmから1728mmへと拡大されている。
◆ 航続距離は標準仕様で495km、オプションバッテリをフル搭載すると1,000kmを超える。面白いのはトレーラー型のレンジエクステンダー発電機で、500ccのエンジンと燃料タンク、発電機が搭載された2車輪のユニットだ。
◆ SONYは国内販売5万台を、アストンマーチン社は全世界で10万台の販売を目指す。SONY得意のオーディオ連携、スマートフォン連携、助手席側フロントガラス投影型ディスプレイのWindowsPCなどもオプション設定される。
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