周波数カウンタ(12/12)
◆ ハードロジックで、FPGAで、あるいはワンチップマイコンのカウンタを使用して周波数カウンタを自作する人が居る。無線系の未知の周波数の測定にはなくてはならない機器だ。
◆ ロジック集積回路の高速化に伴い、PICなどに内蔵されたカウンタでもそこそこの周波数まで追従する。カウンタのカウント値をソフトウエアで呼び出して表示すれば周波数カウンタが出来上がる。ゲート時間に相当するタイミングを長くすれば分解能はいくらでも上げられる。
◆ この周波数カウンタがどのくらい正確なのか、クロック周波数にTCXOやOCXOを使えばそれに応じた確度になるのだろうか。というか、一般的には基準発振器の確度が周波数カウンタの制度になっていると思われている。
◆ もちろん基準発振器の周波数を元にカウントしているのだから、基準発振器が狂えば全てが狂う。だが周波数カウンタとして考えた時にゲートの遅れはどうなるのか。最高カウント周波数より遙かに速い速度で開閉の出来るゲートであれば問題は無いが、マイコン内蔵カウンタのゲートのようにクロック同期型だとゲート遅延+最大1クロック分の遅れが発生する。
◆ ワンチップマイコンのカウンタ周りの仕様が明確ならば誤差の予想が付けやすいが、そうでないと誤差がどこで起きているのか分からない。ゲートを使わずにゲートタイミングでカウンタ値を読み込んで表示する方法も採れる。カウンタは被測定物の信号でカウントアップしっぱなしになっている。それをゲート時間ごとに読み出して前回読み出し値と比較すれば測定結果が出る。
◆ この読み出しタイミングを別の内蔵タイマとタイマ割り込みなどでやっていると誤差だらけになる。タイマが規定値になって割り込みが発生するまでの遅延、割り込みが発生してから割り込みサービスに入るまでの遅延、割り込み処理が進んでた今を読み出すまでの遅延などが誤差になる。
◆ PICでも100MHz近くまでカウント出来るそうなので、内部のカウンタ制御などの遅延や誤差要因を把握していれば便利に使えるはずだ。まあ自作するまでもなく中華周波数カウンタ基板セットであれば2千円以下で2.4GHz迄測れるプリスケーラ付きが手に入る。オフセットなども可能らしいので局発周波数の測定で受信周波数を表示するなんて事も出来そうだ。
◆ これなど50MHz迄しか測れないが479円である。TCXOでも何でもない水晶振動子が付いているだけなので精度は期待できないが、なので表示が5桁なのかも知れない。安物と言えばこんなモノもある。200kHz帯域とは言え3,380円なのだから安いではないか。
◆ 測定器としての精度や確度は無いかも知れないが、特定の波形をモニタするとか機器に内蔵するなどの用途には使える。無線周波数帯では厳しいがオーディオ系をいじる人ならばそこそこ使えると思う。値段なりと言ってしまえばそうだろうけど。
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