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5バルブエンジン(11/8)
◆ 現在は吸排気のバルブが2個ずつの4バルブエンジンが主流だが、過去には5バルブエンジンが市販車に乗っていた。最初に開発したのはヤマハで、自車の二輪車に搭載した。

◆ 5バルブエンジンは4バルブエンジンよりも吸気ポート面積を拡大出来るので、充填効率を上げる事が出来る。充填効率が高いので同じ排気量であれば大きな出力を得る事が出来る。動弁系が軽いのでバルブサージングが起きにくく高回転まで常用する事が出来る。エンジン出力はトルクと回転数の積に係数を乗じたものなので、回転数が上がれば出力は増える。

◆ ヤマハが5バルブエンジンを積んだFZ750は1985年に発売され、4輪では三菱の軽自動車であるミニカダンガンに1989年に搭載している。1993年には4気筒エンジンを5バルブ化した4A30を軽自動車に使う。トヨタは1981年に4AGを5バルブ化した。おそらくこれが日本に於ける最大排気量の5バルブエンジンではないだろうか。

◆ しかしその後5バルブエンジンは姿を消す。表向きの理由としては高回転域に於ける吸気効率が上げにくい事があるのだが、それよりもコストアップを嫌ったと見た方が良いかもしれない。高回転域での出力の頭打ちは吸気の衝突による抵抗によって起きる。5バルブの場合は横一列にバルブが配置されているわけではないので、3つの吸気バルブの中央のバルブから流入する気流は、その両側のバルブの気流とぶつかり乱流ロスが増える。

◆ ただ乱流ロスが問題になるのは高回転域であり、2輪車ならともかく4輪車では乱流ロスによる損失が吸気面積拡大により相殺されて余りあると考えられる。しかし排ガス規制の強化と低燃費エンジンへの要求は、乱流ロスを問題視した可能性もある。

◆ ヤマハが5バルブエンジンの設計に取り組んでいた頃、ホンダは今時5バルブですか?みたいなコメントを出したという。当時は現在のようなシミュレーション技術はなかったわけだが、乱流だとかスキッシュエリアが作れない事による燃焼状態の改善が難しい事を、当時のホンダは知っていたのかも知れない。

◆ こうして5バルブエンジンの時代は静かに終わっていく事になる。直列6気筒からV6になり、そしてその6気筒も消えていこうとしている現代と似ているのかな。メカニズムとしては面白い存在でも、今はそれで売れるような時代ではない。

◆ 消えていった技術として可変吸気管長システムなどもある。初代のNSXにも使われていたし、RX-8では結構複雑な仕組みになっている。吸気管長というか共鳴周波数というかを切り替え、ポートにロータリシャッタバルブを付け、回転数や負荷に応じて複雑に切り替えた。

◆ ロータリエンジンに関しては燃費○○%アップみたいな事が何度も何度も行われてきた。確かにそれによってモード燃費の数字は良くなったが、実燃費は余り変わらなかった。カタログ燃費を良くする事は勿論必要なのだが、涙ぐましい努力も報われなかったというか、これも5バルブエンジンと同じような運命だったのか。

◆ ロータリエンジンは燃焼の問題もあるしエミッションの問題もある。オイルを燃焼させるのでエミッションの問題は付きまとう訳だし、燃えかすの問題も解決が難しい。オイル自体も環境性能と言う事で昔のように好きな成分を入れる事が出来なくなり、しかも低粘度で安定した油膜を作らなければいけないという要求がある。


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