SH-25MRを試す


久々にデジカメを買った。
これまではPanasonicのFX-9を使っていた。
発売は2005年の夏であり、発売後まもなく買ったような記憶がある。
仕様は1/2.5インチの637万画素CCDを撮像素子とし35mm(F2.8)から107mm(F5)相当の3倍ズームを搭載している。
操作感は余り軽快ではなく、電源を入れてから使用可能になるまでが遅いなどでちょっとダルい。
画質面では色づけが派手な感じで、最近のケータイ内蔵カメラ風な記憶色重視みたいな感じだ。
オートフォーカス成功率は余り高くはなく、時にピンぼけ写真が出来上がる。
このカメラは未だ現用なのだが付属のLi-ionバッテリの劣化は感じない。

今回入手したのはオリンパスのSH-25MRだ。
ヨドバシのデジカメコーナにはCANONのヘルパーさんが居て、強力というか強烈にCANONを勧められた。
CANONも良いなと思ったのだが余りに強引な勧め方がイヤでオリンパスにした。
仕様は1/2.3インチの1600万画素CMOS撮像素子に24mm(F3)から300(F5.9)mm相当の12.5倍ズームを搭載する。
FX-9とは時代が違うと言ってしまえばそれまでだが、極めて軽快に動作するが各部はちょっと安っぽい。
というか安いんだけど。

これを選択した理由はさほど明確ではない。
いわゆる従来型コンパクトデジカメは携帯電話やスマートフォン内蔵カメラで代用できる。
ちゃんとした写真を撮りたいならば一眼レフを持ち出したくなる。
コンパクトデジカメはその中間で、携帯電話にはないズームや広角側の焦点距離とアクセサリ機能を求める事になる。
画質ならばIXY1が良いと思ったし、ズーム比ではTZ-30に軍配が上がる。
SH-25MRは画質も機能もそこそこという感じだがMR機能によって2つの異なった設定の画が一度のシャッタで撮れる。
希望を言えばもう少しコンパクト、IXY1位が良いなと持ったのだが起動時間がやたら遅かった。
オリンパスはこれまで使った事のないメーカでもあるし、不正経理問題で有名にもなったし買ってみるかという感じで。

スカイウエイブで出かけるときにはFX-9を持って行く事が多かった。
ケータイのカメラよりは良いかなと言う感じで、しかし広角側がもっと欲しいと思う場面も少なくはなかった。
コンパクトデジカメはレンズが暗く、FX-9もその例に漏れずでISO感度は400(設定可能最高値)で使っていたが、そうすると明るい場所でオーバになってしまう。
しかしAUTOにすると感度が不足してシャッタ速度が遅くなりすぎる場面が多くなり、ちょっと不便だった。
余り感度が上がらない設定なのはISO400まで上げるとかなりノイズが目立ってくるためだ。
それでも94.1mm×50.5mm×24.2mmのコンパクトさは魅力だった。

対するSH-25MRは少し大きいく109.2mm×61.8mm×30.6mmと、ケータイとスマートフォンの違い程度の差がある。
SH-25MRはFX-9に比較すれば起動もフォーカシングもかなり速いのだが、画像保存だけは遅い。
特にフィルタをかけたりすると処理中表示が数秒間も出続ける。
ISO感度とノイズの関係は明らかにFX-9より有利、ISO400は実用範囲でISO1600ではノイズというかのっぺりした絵になり始める。

一方で機能制限はあるものの毎秒60コマでの連写が可能など、内蔵メモリを活かした事も出来る。
ケータイなどでは画像圧縮&保存をバックグラウンドで行う仕組みが使われるが、そんな風にしたら良かったのかも。
SH-25MRのMRはマルチレコーディングの意で、静止画と動画を同時に撮れたりノーマル画像とエフェクト画像を同時に記録出来たりする。

フィルタやHDRなどに加えてGPS測位による位置情報埋め込みや移動した経路のロギングなどの機能もある。
スクータで出かけて写真を撮ったりする時に位置情報が入っていると後で地図での確認が簡単だ。
何しろ目的地すら決めないで出かける事も多いので、経由地などどこを通ったのか良く解らなくなる事もしばしばあるからだ。

他のモデルで気になったのは、メーカも同じで価格も似ていてしかし機能は?なVH-510がある。
店員さんに聞くと小型で簡易な操作性を求めるならこちらかも知れないですねと言っていたが、だとすると他社の1.5万円台クラスの方が良いかなとなってしまう。
特にキヤノンのコンパクトデジカメは中国生産だそうでかなり安い。

SONYだとDSC-HX30Vがあり20倍ズーム搭載だ。
実売価格はSH-25MRと変わらず、大きさも重さも似たようなものである。
写りはいかにもCMOS撮像素子という感じでディテールがつぶれていて、大げさに言えば水彩画フィルタをかけたようになる。

PanasonicはDMC-TZ30が同価格帯でこちらも20倍ズームだ。
ディテールの描写はSONYより明らかに良好だが、低照度というかISO感度が400を超えると細部がつぶれ始める。

キヤノンはキヤノンヘルパーさんの勧めるIXY1がある。
屈曲光学系でコンパクトさを実現している割に光学系はしっかりしていて写りも良い。
アクセサリ的な機能は少ないのだが、その分のコストをカメラの性能に割り振ったという感じで写りの印象は良い。
屈折系だとどうしてもこれを思い浮かべて印象が悪いのだが、IXY1は悪くない。

ニコンはCOOLPIX P310で明るいレンズが特徴だ。
写り自体は標準的、つまりキヤノンよりは悪いがオリンパスやPanasonicと同程度な感じだ。
ズーム比4.2なので余り無理していない感じで望遠端でもコントラストの低下は気にならないのだが、急激に暗くなってF4.9(ワイド端ではF1.8)である。

カシオはEX-ZR300で、これも標準的な画作りではないかと思う。
12.5倍ズーム搭載なのだが、SH-25MRよりも歪みというか流れは少ない。

画質比較とは言ってもこの時代ならともかく、普通に撮って比較してもなかなか差が出にくい。
FX-9の特徴?と言えば斜めのラインがギザギザに写る事で、画像処理かJPEG圧縮がおかしいのだろう。
写真は設定条件を揃えるのではなく、オートモードで撮った。
景色は画角を近づけるようにしたが、ネコにはカメラを近づけて大きさを合わせた。

差の出にくい屋外だが建物の階段付近から斜め下を撮ったのが以下の写真だ。

【FX-9】
ISO100 1/40 F2.8 35mm(35mm換算)


【SH-25MR】
ISO125 1/40 F3.9 37mm(35mm換算)


【SH-25R(マジックフィルタ)】
ISO125 1/30 F3.7 33mm(35mm換算)


画像の左上部分を原寸で切り取ってみた。
画素数が異なるので当然見える範囲も違うのだが、同じ範囲、つまりSH-25MRの画像を縮小してみると解像度自体は似たり寄ったりだと言う事が分かる。
撮像素子の限界なのか、或いはレンズの限界なのか。
SH-25MR(2)の画像はFX-9の解像度と同じになるように縮小し、色合いも似せてみたものだ。
SH-25MRはレンズのアラも目立っていて、拡大画像の左上(本当の画面のエッジ部分)よりも右下(少し内側)の方が"流れ"が少ない。
高倍率ズームなので仕方ないとするのか、このサイズならば5倍とか8倍位のズームで我慢した方が良いのか。
画素数にしてもそうなのだがカタログを飾る数字重視な傾向が見られる。

【FX-9】


【SH-25MR】


【SH-25MR(2)】


屋内撮影では少し差を見る事が出来た。
まずは蛍光灯下での撮影。

【FX-9】
ISO200 1/13 F2.8 35mm(35mm換算)


【SH-25MR】
ISO400 1/30 F3.0 24mm(35mm換算)


電球色蛍光灯下だとこうなる。
FX-9はオートホワイトバランスが甘い感じで、電球下で写すと電球色になる訳でもなく色が変になる。

【FX-9】


【SH-25MR】


この距離でのストロボ撮影はかなり厳しいのだが、ストロボを使うとこうなる。
FX-9は明らかにオーバでネコもまぶしがっている。
SH-25MRの方は逆にアンダーな感じだ。

【FX-9】
ISO80 1/60 F2.8 35mm(35mm換算)


【SH-25MR】
ISO160 1/30 F7.9 24mm(35mm換算)