シリンダカットで燃費は良くなるか?


SLはV型12気筒エンジンである。
等間隔爆発なので、点火間隔は60°だ。
このエンジンの片バンクを殺してしまったらアイドリング燃費は良くなるのか?ってのが今回の実験だ。
ちなみに片バンク殺しても、気にしていれば若干エンジン振動が増えたことを感じるだろうが初めて乗った人なら分からないと思う。
実際に走行しても加速時など「おやっ?」と思うかも知れないが、これも初めて乗った人なら「こんなものかなあ」で済むようなレベルだ。
まずは12気筒を生かした状態でのインジェクタ駆動パルスを観察した。

前回の磁石実験で観察したとおり、約2.6mSの噴射時間である。
次に片バンクのインジェクタコネクタを抜いて観測するわけだが、SLの12気筒は6気筒エンジンを2機くっつけたような構造でスロットルバルブも(ECUも)2つある。
殺した側のスロットルバルブを全開にするか、或いはバルブタイミング可変機構でバルブオーバラップを広くなる方向に固定すれば多少はポンピング損失が減ったのだとは思う。
しかし電子制御スロットルバルブを手で動かすわけにも行かず、スロットルバルブごと外してしまうのも手間だったのでインジェクタのコネクタを抜いた以外は何もいじっていない状態での観測だ。

インジェクタ駆動パルスは4.6mSに増えた。
12気筒の場合の2.6mSの倍になっていないから若干は燃料節約に貢献する,と考えるのは甘そうだ。
インジェクタの無効噴射時間を差し引くとたぶん倍にはなっていると思われるのがその理由。
それでもメルセデスのモジュラーV8エンジンは、シリンダカットによって5〜7%の燃料節約を実現していると言うから、シリンダカットとスロットル全開を行うなどの制御が出来れば燃料節約に貢献してくれるのかも知れない。