家庭で気軽にフリーズドライ!


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家庭でフリーズドライが可能なのか?もし可能なら、これは便利ではないか!フリーズドライ食品は、お湯を注ぐだけで元の状態に戻る。
非常用食料としてももってこいだ。
そこで今回の実験は、フリーズドライに挑戦する。
ここで断っておくが、私は食品加工に関しては全くの素人である。
だから、製法が間違っているかも知れない。
ま、温かい目で見て欲しい..さて、サンプル食品はご覧の通りのカマボコだ。
何故か?だって、カップうどん等に入ってるでしょ?あと玉子みたいなカマボコみたいな..ネギにしようかとも思ったのだが、フリーズドライネギも枯れたネギも見た目が似てて面白くない。
かと言って、いきなりゆでた麺で成功するとは思えなかったのだ。
カマボコは、2種類の厚みを用意した。
カップメンに入っているような、向こうが透けて見える程度の薄いもの(フグ刺みたいだね)と、フツーの厚さのもの。
薄くなければいけないとすれば、カップメン内蔵カマボコの厚みにもコスト以外に意味があると言える。


「フリーズドライ」と言うくらいだから、冷凍と乾燥を同時か?或いは順番に行うのではないかと見当を付けた。
乾燥してから冷凍しても意味無いよね..で、冷凍後乾燥させてみる。
とりあえず冷蔵庫の冷凍室で1日冷やす。
これも一種の乾燥工程か??温度が低いから、空気中に水分は殆ど無いはずだ。
でも、温度が低いから乾燥しないかな??一日経つと、冷凍カマボコの出来上がり。


露出オーバの絵で申し訳ない..さて、次は乾燥工程だ。
最初は硫酸でも使おうかと思った。
こいつは強力に水分を吸収するからね。
でも取り扱いが面倒だ。
そこで、CPU冷却の時に使った真空ポンプに登場願った。
密閉度さえ十分なら、−50cm・Hg程度まで減圧できるはずだ。
空気と共に水分も排出しようと言うわけだ。
容器は、そこらに有ったガラス瓶(中が見える)とアクリル板で作ったフタ。
圧力計は、車に付けるコンパウンドゲージ(ブースト計)を付けて真空度を観察した。
乾燥に、減圧法が正しいのか?−50cm・Hgで十分なのか?心配..だ。
ポンプについて説明しておこう。
コイツは、金魚のエアポンプみたいな構造で加圧ではなく減圧用に作られている。
消費電力15W,定格運転時間60分だが、今回はムリして24時間運転する。


バターの入っていたガラス瓶に、冷凍カマちゃんを入れる。
冷凍カマちゃんの様子だが、単にカマボコを冷凍したものに過ぎない感じ..うまく行くのだろうか?フタは、アクリルで作った。
気密保持のためのパッキンをどうしようか?悩んだのだが、アクリルの面精度が良好なのでシリコングリスをちょいと塗って瓶の上に置いてみると、大気圧によって急速に密着した。
とりあえず、様子を見ながら放置する。


この後、再冷凍したカマちゃんにバトンタッチ。
なぜなら、この瓶の底に水がたまるほど湿っていたからだ。
次のカマちゃんは、クッキングペーパにくるんで瓶の中にしまった。
真空引きはおよそ24時間。
クッキングペーパにくるまれているため、瓶を開けるまで結果が分からない。
しかし、24時間でダメなら100時間でも同じだろう..そう考えて、9月8日午後2時15分にフタを開けた。
恐る恐るクッキングペーパからカマボコを取り出してみると

写真ではわかりにくいだろうが、生のカマボコそのまま!ゲゲッ..失敗じゃないか!このみずみずしさ。
お湯なんかで戻さなくても十分食べられる。
冷凍に24時間、真空乾燥に24時間かけたオレは何だったのか?製法そのものが間違っているのか?冷却温度が足りないのか?真空度が−50cm・Hgでは足りないのか?食品加工の専門家の方,教えてくれ..オレは悔しい!!ただ、この写真の一番左側のものは、ちょっとだけ固くなっている。
特にピンクの部分が。
えーいっ、結局失敗だ。
このカマボコ、犬にやったら喜んで食っちまった。


実は、別のカマボコを冷凍していたのだ。
冷凍時間が足りないような気がしていたから、こちらは一週間寝かせた。
冷凍することによって、結構カピカピになっている。
この状態を維持したまま常温に戻せれば乾燥カマちゃんが出来るかも知れない。
そこで、例の真空容器に入れて24時間。
まるでモノホンのフリーズドライ食品みたいに乾燥したではないか!

写真で分かるだろうか?厚みのあるカマボコは、フニャッとしているが薄い方はカチカチだ。
さて、コレを湯で戻して食える状態になるのか?カマボコの味は維持されているのか??早速湯に浸けて戻してみよう。


近づきすぎてピンが甘いが、コレが湯に浸けた直後。
乾燥カマちゃんはみんな浮いている。
水分を吸収すると徐々に沈んでいくようだが、約5分後に食ってみた。


こんなにプリプリになっている。
湯に浸けたとき、カマボコの香りが何とも言えない。
永谷園の「松茸のお吸い物」の素でも入れりゃあとってもグー!味は..ちょっと固い。
厚みのある方は..薄いヤツより更に固い。
カップ面に入っている極薄カマちゃんは、もどすときの時間を考えてのことかも知れない。
でも、食えるよ..コレ。
家庭レベルでフリーズドライ!一応の成功としよう。
なお、真空乾燥しなくても強力乾燥剤等で出来るかも知れないのだ。
水分除去の第一段階は冷凍室で十分だと考えられるからだ。