V・UFH室内アンテナ


ワンセグ受信実験で使用したDXアンテナのUS100Aのアンプ部を測定してみた。

ゲインはUHF帯で10dB〜19dBとなっているがNFは不明だ。
最近では低NFを謳い文句にしたブースタも売られているが、まあこれはブースタじゃないし。
少々見にくいがまずは周波数特性から。
上の線が平衡-不平衡変換トランス(バラン)を通さずに測定したカーブ、下はバランを付けたものだ。
アンテナは平衡型なのでバランはあった方が良いが、バラン自体のも周波数特性やロスがある。
ちなみに指向性の切り替えは2本のループアンテナの接続を変えることにとって行っている。
しかし指向性とともにゲインも数dB変化する。
従ってベストを求めるならば、スイッチを切り替えた後アンテナの向きを変えてベストな点を探り、さらにスイッチを切り替えてもう一度アンテナの向きを変えて… と繰り返す必要がある。
ギミックのために面倒なことになったという見本のようなものだ。

もう少し広域で測ったのがこれで、UHF帯のみを通すようなフィルタが形成されていることが分かる。

これはパスバンドのVSWR特性で、2以下になっているのでそう悪いものではない。

このアンプはVHF帯用とUHF帯用が内蔵されているのだが、フィルタとそれぞれのアンプで構成されているのかと思った。
ら、アンプは1つ(MMIC,高周波用の1チップアンプ)で、それぞれのアンテナにそれぞれ(VHF帯とUHF帯)のフィルタが付けられているだけだった。
VHF帯の方がゲインが大きいのはアンプの特性だろうか。
このアンプ部は厳重なシールドケースに入れられていて、それをはずすのには少々苦労した。

写真手前右側がUHF帯の入力、奥側がVHF帯の入力端子でバランが入っている。
その後にはBPFが形成されていて、ほぼ中央の黒いもの(コイルの近くで一緒に固められている)がMMICだ。
ゲインはUHF帯で12dB前後とアンテナ用のアンプとしてはそこそこなのかも知れない。
これもNFが低ければ効果があるだろうが、NFが悪いのにゲインばかり大きくても全く意味はなくなる。
そこでNFも測定してみた。
NF
450MHz 4.10dB
500MHz 4.69dB
550MHz 5.63dB
600MHz 3.62dB
650MHz 4.52dB
700MHz 4.03dB
750MHz 4.27dB
はっきり言って良くない。
最近のブースタではNF<2dBなんてものも少なくないだけに少々見劣りすると言わざるを得ないだろう。
MMICでもNF<3dBのものは結構あるので、あとはBPFの設計次第で性能はもう少し上げられると思う。