SLのブロアモータ取り付け部を修理する
SLのブロアモータ部は、モータを中央に置いて左右にシロッコファンが付いている構造である。
ある時ファンのこすれるような音に気が付いて調べてみると、ブロアモータを取り付け部に固定している金具が外れていた。
押し込めばクリップ式に付くはず...なのだが付かない。
よく見るとクリップ的に引っかかる側のプラスチックのツメが無くなっているではないか。
どうもプラスチックの品質は日本製に及ばないようである。
これの部品を調べてみるとブロアモータのハウジングごとそっくり交換で4万円近い。
ヤナセで買わずに現地から輸入しても2万円近い金額である。
ヤナセで修理を行えば工賃だけで2万円を超えるとの事で、ならば自分で直してやろうというわけだ。
と言っても部品を購入して直したのではない。
ブロアモータを正しい位置に移動させれば、これの止め金具が無い状態でも不具合が起きないほど振動は少ないのだ。
だからこのまま放っておいた。
って事じゃなくて、まあ応急修理的と言うか適当に直したのだ。
ブロアモータはエンジンルーム側からアクセスできる。
ワイパーの下で口を開けているのが吸入口である。
ここにポーレンフィルタなどが付いているのだが、写真はこれを外した状態だ。
ただしここからだと手が入るほどのスペースはないので、針金で金具を固定するにしても面倒である。
そもそもツメが折れているので、針金を引っかける場所を作らなくてはいけない。
そこで熱でプラスチックに穴を開けることにした。
はんだごてが入れば楽なのだが、何せ狭いところなので不要なドライバーを曲げてSST(?!)を作った。
これを熱してプラスチックに穴を開けるのである。
開いた穴にはステンレスの針金を通してクリップ金具を押さえるだけと、事は簡単だ。
ステンレスの針金は錆びないし細くて丈夫なので、ちょっとした事に便利である。
一家に一巻きではないが常備しておくと結構役に立つ。
穴が空いたらそこに針金を通して結ぶだけだが、まずは針金を通す前で金具が宙ぶらりんの状態がこれ。
クロメートメッキで光っているのが問題の金具である。
緑の線は通風路制御用のエアモータに行くエアパイプだ。
金具の下がモータである。
これを針金で縛るとこうなる。
これで(見えるところじゃないけど見栄えは悪いが)ヤナセ値段で6万円以上の出費が節約できた。