撥水剤を考える
元祖レインエックスを始めとして、市場には多くの種類の撥水剤が出回っている。
値段もピンキリ..一体どれがよいのだろうか?私はと言うと、レインエックス(スーパーやプラスの付いたモノも含めて)を使用している。
いや、正確には使用していた..だな。
浮気の第一発目は「超ガラコ」だ。
パッケージのうたい文句につられて購入したが、一体何が「超」なのか?
能書きによると「超」の付かないガラコより「超」長持ちするらしいが、「超ガラコ」がこの程度じゃあ「超」の付かないガラコなんてタダの水じゃないの?って感じだ。
少なくとも塗布した初期状態での撥水性は良いとは言えない。
超ガラコの性能については、こちらのWebmasterと意見の一致を見ている。
やはり巷の噂通り、撥水剤はレインエックスに限るという訳か?
しかし、またまた浮気して変なものを購入してきた。
その名も「フュージョンアルファオート」名前はイカしていない。
コイツは、紙製のパッケージに入っていて中身が見えないところも怪しい。
値段は「超ガラコ」より安いが、「超ガラコ」が高すぎると言う感じもする(購入価格はレインエックスより高かった
他の撥水剤と違って、ボディーにも使用出来ると書いてある。
一体何者(何物)だろう?
箱を開けてみると、1枚のコピーしたような紙切れと青いケース、それに塗り込みようと思われるスポンジが出てきた。
この青いケースは、蓋がネジになっている。
中を開けると、はめ込み式の内蓋が付いている。
湿度の高い日にケースを開けると発煙することがあると取り説に書かれているから、水分と反応する類の物質のようだ。
成分については明記されていない。
ただ「特殊な炭化水素シラン化剤」と書いてあるが、シラン化剤ってのがどんな物か?私は知らない。
炭化水素ってのはCとHで出来ている物を指すのだろう。
ガソリンとか、アルコール..C2H5OHだったか?とか..
発火性もあるらしいから石油化学製品なのだろうか?臭いは、ワックス(ロウ)の様な感じで乳白色の物質だ。
怪しげその2..としては、箱の裏の説明書きにシールを貼って効能?を変更していること。
当然そのシールを剥がしたくなるのだが、紙の箱に紙のシールが強力に張り付いていてうまくは剥がせなかった。
でも、ガラス用と言うよりボディ用って感じの書き方がチラリとうかがえる。
内容量18ccだから、ボディーに塗るには1パッケージでは足りなそうだが..
とりあえず塗ってみようと思ったのだが、取り説に「レインX・ガラコ等の残留成分が表面に残っていると定着しません」とある。
この手の皮膜を除去するようなクリーナは持っていないので、今日の所は諦めた。
クリーナくらい付属してくれればよいのに..
取り説は、前記の通りA4版1枚片面印刷(コピー?)のものでマンガ付きだ。
マンガで言いたいこととは
1.ガラス面をきれいにすること。水分をふき取る際に新品のタオルは使うべからず(タオルに油分が付着しているからだそうだ)
2.なるべく薄く塗布すること。
3.10〜15分で特殊融合膜が出来る。(大体この現代に“特殊”なんて物は無いと思うけどね)
4.ふき取った後、中性洗剤を使用して洗い流す
何か面倒そうだなあ..さらに、塗布とふき取りを繰り返すことによって皮膜が厚くなると書かれている。
実はレインエックスも二度塗りを推奨していたが、これは2度目の塗布で最初の皮膜が溶けるのではないかと、私は思っている。
レインエックスを塗ったまま忘れていて、濡れタオル程度ではふき取れなくなってしまった時に再度塗布してからふき取れば、キレイになるからだ。
とりあえず耐久テストとしてはフロントガラスの半分にレインエックスを、もう半分にコイツを塗布して行うことにする。
さて実験開始だ。
ガラス面をキレイにするために、クリーナでそれまでの皮膜を除去する。
これが結構面倒だった。
普通に使っていると効果が薄れてくる撥水剤だが、取ろうと思うと結構しつこい。
何度かクリーナを塗り−>水をかけ−>クリーナを塗り..を繰り返してキレイにした。
その後水分をふき取り(取り説にあるように、新品タオルを使ってはいけない)ガラス面に油分等が付着しないように細心の注意?を払うのだ。
そして塗布作業開始。
これも大変だ。
のびが悪いから、引っかかるような感じできれいに付かない。
(ちなみに、外気温度は11℃前後)付属のスポンジでゴシゴシやりながら、そしてムラをチェックしながら塗布を終了した。
そして待つこと15分(取り説には10分から15分とある)
ペーパタオルでふき取ろうとしてみると、ネバッとした感触でふき取れない。
成分がガラス全体にのびると言うか、レインエックスの激しい?状態というか..
同様に、水に濡らしたタオルだけでも拭き取れなかった。
(レインエックスはふき取れる)
やはり取り説通り「中性洗剤」が必要なようだ。
中性洗剤を水に溶かした溶液で拭くと、そこそこきれいになった。
どうやら、コイツは中性洗剤に溶けるようだ。
(良いのかなあ..溶けちゃって)そして、水かけテスト!
分かるだろうか?
向かって右側(運転席側)が Fusionを塗布した面、助手席側がレインエックスだ。
Fusion側は全く水をはじいていない。
アングルの違う写真も見ていただこう
どう見ても、どう触ってもはじかない。
考えられることは、長期在庫で性能が変化したって事か?
取り説には、25℃以上の環境で保管すると、性能が変化することがあるって書いてある。
例えば、どこかの倉庫で一夏過ごして来たとすると性能劣化は考えられないでもない。
とりあえず、製造/発売元に電話で確かめた。
F&F「Fusionを購入して使ってみたのですが、全く水をはじかないんです」
−−なにやら他の人に聞いている様子−−
女性 「今担当のものが海外出張で分からないんです..」
F&F「性能が発揮されなかった実験結果をホームページで公表しますけど問題ないですよね?」
女性 「え?あっ、ちょっとお待ち下さい..」
男性 「えーと、Fusionに関してですよねえ?」
F&F「はい,全然能書き通りにならないんですけど」
男性 「担当が海外に行っていまして、分からないんです」
F&F「担当の方はいつお戻りですか?」
男性 「その部署の者が全員出張していまして、全く分からないんです」
F&F「それは困りますねえ(他に言葉が浮かばない)」
男性 「一応戻りましたら連絡しますので連絡先を教えて下さい」
F&F「はい、−−−電話番号と名前を名乗る−−−」
F&F「この実験結果を公表しますけど良いですよね?」
男性 「いや、それは..営業妨害にあたる恐れが..えーと、使い方に問題が有るかも..」
F&F「その点は、キチンと取り説を読んで実験方法も明記しますので、良いんじゃないですか?」
男性 「...後日ウチの顧問弁護士の方から連絡が行くかも知れませんが..」
F&F「はい、分かりました(ここで、URLを教える)」
これが、電話の内容だ。
担当が居ないのは仕方ないとしても、その担当者がいつ戻るのかも把握していないので、まったく話にならない。
普通なら使用方法や、どこで購入したのか?いつ頃購入したか?どういう方法で塗布したか?を聞くんじゃないの?で、その件を担当者に連絡して後日返事する。
ってのが常識だと思うけどね。
それをいきなり「営業妨害だ」って言われても..商品に対する自信の無さか?
今までにも色々なメーカに問い合わせをしたことは何度もあるが、これほど失礼な対応を受けたのは初めてだ。
ま、ここで会社名や所在地を明らかにすることは避けるが、販売店には文句を言っておこう。