パンを食う
パンでも食おうかと部屋を見回すと…そこにはいつからあるのか、すっかり固くなった一枚のパンが。
あーあ、固くなってるよ。
仕方がないから砕いてパン粉にで出もしようか。
いやいや違う。
オレが食いたいのはパン粉ではなくパンなのだ。
でもこれでは食えそうにないよな。
どれほど固いかと言ったら、コップを上に乗せても変形すらしないという、これはもうパンの形をした煎餅だ。
だったら油で揚げておかきにしてしまえばいい訳で、そうすれば美味しいおかきの出来上がり。
だからぁ、違うよ。
違う違う。
オレが食いたいのはおかきじゃなくてパンなのさ。
おおっ!こんな所にアイロンがある。
何故食卓にアイロンが乗っているのだ!しかもスチームアイロンである。
この食卓に何とも不釣り合いなアイロンは一体何を意味しているのだろうか?!
せっかくアイロンがあるのだから、パンにスチームを噴射!噴射、噴射、噴射、ふんしゃ〜っ!
なんかパンの香りが周辺に満ちあふれてきて食欲をそそってくれるじゃないか。
香りなど何もしないと思われた乾いたパンに、これほどまでにパンらしい姿が残っていたなんて、まったくニクいヤツだぜパンは。
ブシュブシュとスチームを噴射していると、その香りと共にパンはふにゃ〜っとしてきた。
この通り。
この写真を撮るために苦労したのだ。
何しろコップの重みでパンが変形してコップが落ちてしまう。
ミミの部分は未だ固めなのだが、本体は柔らか〜
ちぎってみると、バリバリと崩れることもなくノーマルパンの面影が復帰して居るではないか。
もっと時間を掛けてスチーム噴射を繰り返せば更に高質なパンへと変貌を遂げるはずなのだが、朝の忙しい期にはササッとスチーム噴射で温か柔らかなパンが出来上がるという訳だ。
実はこれ、TBS系の某番組の某制作会社から家電製品の変わった使い方はないかと質問を受けた時に考えたもの。
他にも数点のアイディアをお知らせしたのだが、最も簡単かつ実用性のあるものをと言うことで今回の実験になった。
そうそう、スチームアイロンに水の代わりにコーヒーを入れればコーヒーパンに早変わり!するかも知れないが、アイロンが使えなくなっても責任は持ちませんのであしからず。