Libretto100 改266MHz
リブレット100のノーマルクロックは166MHzだ。
CPUは0.25μmルールで製造されたPentium MMX,このCPUはクロックアップ耐性が高いと巷で言われている。
そこで早速改造してみたくなるのが人の常というモン(か?)だが、BFピンから線が引き出されているのか?それとも直接GNDに接続されているのか?よく分からない。
BFピンが直接GNDに落ちているとすれば、Pentiumの足上げ!と言う曲芸(極芸?)を演じる他無いだろう。
この辺りの情報を求めてインターネット上をウロウロしてみたが、具体的情報は見つからなかった。
きっとどこかにクロックアップしている人はいると思うのだが..仕方ないのでリブ30の時同様,自力で?解析(おおげさ)を行う。
まずはCPUの丁度裏側にあたるPCMCIAカードスロットを外してみることにした。
コイツはネジ4本を外せば、コネクタから抜けてくると言う分解性良好な物。
PCMCIAカードスロットを外して、両面テープで基板に付けられた絶縁シートを外すとこんな感じになる。
この基板を眺めていると、丁度BFピンの裏側辺りにゼロオームのチップジャンパが有るではないか!当然私はこれを見逃さない(笑),おまけに、このゼロオーム抵抗の両側にはチップ抵抗の,部品の実装されていないパッドがある。
スキャナに基板がピッタリ付けられないのでフォーカスが??だが、[C8]と書かれたシルクの横が問題の箇所だ。
VR500と書かれた部品は(たぶん)CPUの温度検出用サーミスタではないかと思われる。
つまり、この場所がCPUの真下に当たるわけだ。
さっそくゼロオーム抵抗を外し、そこに線を半田付けする。
線は3芯フラットのホルマル線を使用したが、フツーの人は持っていないだろう。
ジャンクのIFT(ラジオなどに入っているシールドケース入りのコイル)や小型モータ,或いは0.16mm程度のエナメル線でも使えばよい。
太い線だとPCMCIAカードが入らなくなる。
写真では分かりにくいが、線は3色,色分けされている。
この3本の線がBF0/BF1/BF2に相当するわけだ。
ちなみに真ん中(BF1,ゼロオーム抵抗の付いていたところ)の反対側のパターン(C9に接続されている側)はGND,両端(RM1に接続されている)はVccが来ている。
さて、BFピンとクロックの関係は次のようになっている。
BF0(186Pin) |
BF1(185Pin) |
BF2(184Pin) |
Bus/Core Ratio |
Bus/Core Frequency |
0 |
0 |
0 |
2/5 |
66/166MHz |
0 |
0 |
1 |
1/3 |
66/200MHz |
0 |
1 |
1 |
2/7 |
66/233MHz |
1 |
0 |
0 |
1/4 |
66/266MHz |
端子はC8に近い側からBF2/BF1/BF0の順だ。
これが分かれば改造は簡単,さっそく266MHz動作に挑戦する..所がF&Fらしいでしょ? フツーの人は200MHzから挑戦した方が良いと思いますけどね。
266MHzに設定するためにはC8から最も遠い側,RM1の下のパターンをショートすればいい。
ゼロオーム抵抗を外すこともなく,C8側のパターンに何かを付ける必要もない。
ちなみにBF0/BF2はCPU内部でプルダウンされていて、BF1のみプルアップされている。
(だからノーマルでBF1のみゼロオーム抵抗でGNDに落ちている)ま,私の場合には線を引き出して有るから、一々基板に半田ごてを当てる必要はない。
で、さっそく266MHz動作に挑戦する..電源を入れると見慣れた東芝のロゴ,その後Wi
dowsは何事もなかったように起動する。
(サスペンドからの復帰が速いような気がする)あれ?周波数変わってないのかな?と不審に思い生DOSモードへ,そこでpfm686を実行した結果がこれだ。
ちゃんと266MHzで動作している。
ちなみにノーマル以下各周波数における結果は以下の通り。
マザーボードクロックが変わっていないから、メモリアクセス時間が変わらないのは当たり前。
266MHz動作時の3DBenchの値は166.6まで上昇した。
ノーマルが125.0だから、2ランク上がったと言うわけだ。
そしてHDベンチの値はこんな感じ。
Libretto100(改266MHz)の結果
Libretto100(ノーマル)の結果
このCPU数値はPentium-Pro改233MHzより速い。
整数演算のみならず浮動小数点演算でもPentiu
Proを超えている。
(注:決してトータル性能でPentium Proより速いわけではない,為念)さて266MHz動作時の発熱だが、さすがにヒートパイプ冷却を持ってしても暖かくなることは避けられない。
キーボードも熱せられてくるので夏場の使用では辛いかも知れない。
CPU温度が規定値を超えると、自動的にクロックダウンされるので壊れる危険性は少ないが、クロック落とされたのではクロックアップの意味がない。
ちなみに室温22℃程度なら十分耐えているようではあるが..発熱が心配な向きは200MHzや233MHzで駆動すればいい。
200MHzなら発熱もさほど増えずに、上品な?クロックアップが楽しめるというわけだ。
重要
改造を行うとメーカ保証は受けられなくなります。
改造を行うことによってリブレットが正常に動作しなくなる可能性,壊れてしまう可能性
があります。
あなたの大切なリブレットがゴミと化してしまっても私は何のお手伝いもできません。
改造を行う場合は、知識と技術と壊れても泣かない勇気が必要です,これらのうち、一つ
でも持ち合わせがない場合は改造をしない方がよいと思います。