N504isのスピーカ
雑記にインプレッションを書いたとおり、ドコモのN504isの着信音質は決して誉められたものではない。
音量的にもN503is→N504i→N504isと、だんだん小さくなっているし、N504isに至っては歪みというかビビり音が混じるという低品位なものである。
着信音量や周波数特性は、スピーカのみならず筐体設計によっても左右される。
昨今の小型軽量薄型化ボディーでは充分なエンクロージャ体積が確保出来ないので、おかしな所にピークが出たりしてしまう。
しかしながら薄型のP504iなどではそこそこの音が出ているし、逆に大型で重量級のso504iはたいした音では鳴らない。
N504isの音割れは一体どこに原因があるのか。
聞いた感じからするとスピーカとボディーが干渉してビビり音が発生しているような気もする。
そこで不要になったN504isをまな板に載せてみる事にする。
そう、バラすのはあくまでも不要になった携帯電話でなくてはいけない。
一度でも筐体を開けてしまったら、認定外の違法無線局になってしまうからだ。
幸いにして番号を抜いた移動機でも着メロは鳴るので、実験にはもってこいである。
早速中を開けてみると、スピーカは背面パネル側に付けられていて、液晶パネル側に固定された基板とは接点で接触する仕組みになっている。
この辺りは各社が使っている手法で、特に珍しいものではない。
まずは試しにスピーカを筐体から外して鳴らしてみる。
と、それでもビビり音が出るではないか。
スピーカの許容入力に比較してドライブパワーが大きすぎるのが原因なのか、たいした音量でもないのに歪んでいる。
このスピーカは約11mm×16mmの楕円形で、厚みは約3mmだ。
筐体のスペースからすると、厚みは4mm近くまで許容できると思われるし、筐体のスピーカ部はその為に膨らんでいるのではないのか。
おそらくこのスピーカを使用する限り低質な音は改善出来ないと思う。
そこでスピーカ交換を思いついた。
そう言えばずっと以前にリブレットのスピーカ交換を行った事があったっけ。
ウチにある不要な携帯電話で音がマトモなのは、auのC3003P(松下製)とドコモのF503i(富士通製)だが、より低音の出るC3003Pのスピーカを使ってみる事にした。
これがバラされたC3003Pである。
スピーカはアンテナ共用機(写真右側の銅色のものが5本並んでいる所)の上あたりに実装されている。
スピーカと本体基板は共用機の上に見える小さなバヨネット式の接点で接続される仕組みだ。
ちなみにF504iは配線&極小コネクタで接続されている。
スピーカの大きさは最大外形が約16mmの円形で、厚みは保護用のゴムと不織布を含めても約3.5mmとお手頃だ。
もっとも楕円スピーカのN504isのボディーに実装しようとすると、スピーカを固定する部分に干渉するので、そこは切り取ってしまった。
こうして実装したのが下の写真である。
筐体の一部を半田ごてで溶かして押さえているのはご愛敬と言う事で。
左右方向にのスペースは余り、上下方向のスペースは不足している。
バヨネット接触は使えないので、耐熱の細い線によって配線した。
この状態で充分にスペースがあり、良くを言えばもう一回り大きなスピーカが欲しい所である。
オリジナルの基板側も金メッキされた接点に半田付けで線を接続する。
改造後だが、まず音量がアップしている。
音量調整で1段アップしたのと同じくらいと言えばいいだろうか。
おそらくN504iを超え、N503isと同程度の音量になっていると思うが、測定したわけではなく聞いた感じである。
音質に関しても良好で、C3003Pほどのフラットさは無いもののオリジナル状態よりは聞きやすい音になった。
最後にカバーの外し方だが、液晶下のプラスチック板を針などを使用して剥がし(両面テープで付けられている)、その下の特殊ネジ2本を外す。
次に液晶上部右側のゴムを外してネジを外す。
ちなみに液晶左側のゴム下にネジはない。
ネジが外れたら、アンテナが付いていない側のカバーを爪などで起こして2箇所のロックを外す。
アンテナ側は固い場合があるので、ヒンジ部を浮かせてからアンテナ側にカバーを寄せるようにすると簡単に外れる。
後の一カ所は上部(赤外線ユニットのある辺り)にツメがある。
繰り返しになるが、一度筐体を開けた携帯電話を使用すると認定外無線局となり
方によって罰せられる。
従って実験は不要になった(番号を抜いて電波のでなくなった)携帯電話で行う
事である。
なお改造後の携帯電話は(当たり前だが)元に戻したとしても保証は効かず、番
号も入れられなくなる。