pHメータ2機種の比較
水槽管理にpHメータは必需品である。
特にpHに敏感な水草や魚を育てるためには定期的なpHチェックが欠かせない。
これまでは新電元のpHメータを使用していたのだが、これはISFETと言う水中水素イオン濃度が起電力変化(たぶん)となる半導体を使ったものだ。
ISFETセンサは従来のガラスセンサに比較して機械的強度が高く取り扱いが楽な点から、最近ではこれを使用したpHメータも増えてきた。
ISFETの欠点なのか、新電元製pHメータ固有の現象か分からないが新電元製はpHの低いものを測定した後はセンサ部を良く洗わないと被測定物のpHが低い方に行ってしまう。
そこで実験だ。
まずは校正を行う。
どちらも低価格なものなので1点校正であり、新電元はpH6.9の標準液を、堀場製(NISSOへOEM)はpH7.0でキャリブレーションを行う。
次にセンサ部に醤油を垂らす。
ISFETセンサは小型なので1滴で十分だが、堀場のガラスセンサはそれより多くの量を必要とする。
写真上が新電元製のセンサ部,下が堀場製だ。
新電元センサに気泡のようなものが見えるのはKclがまだ残っていることを示す泡だ。
通常pHメータは比較電極が必要であり、これがKclに浸かっている。
ちなみにガラス電極の堀場製がKclを使っているのかどうかは不明。
(センサ寿命が1年ほどらしいので、内部にKclがあるのかも)醤油のpHはこんな感じに表示された。
±1デジットは表示誤差なので、実質的には同じ値と言っていい。
測定後センサ部を洗って水道水のpHを測定してみると...
新電元製が6.3に対して、堀場製は7.1を表示している。
そこで新電元製のセンサを流水で2分間ほど洗うことにした。
そして再度測定すると...
今度は表示が7.4になっている。
堀場製は7.2で1デジット上がったが気にする誤差ではない。
このように新電元製は何が正確なのか(正確に計れている状態なのか)判別するのが難しい。
最後に水槽水のpHを測定した。
測定前には新電元のセンサ部を1分ほど流水で洗浄した。
これで表示は同じになる。
堀場の方は表示安定点でマーク(顔のようなもの)が出るから目安になる。
このように新電元製のpHメータはちょっと使いにくい。
ただし本体もセンサ部(500時間程度で交換だそうだが、1回の測定が数分なので500時間というと10年分くらいか..)も安価である。
一方の堀場製(堀場製作所は元々pHメータから始まった会社)は新電元製の2倍のコストになる。
ちなみに堀場製ではpHと溶存酸素濃度やイオン濃度、塩分や窒素などを表示できるデュアルタイプもある。
(高価)