コダックDC20を解体する
デジカメが欲しくなった。
ヨドバシカメラに行ってみると、あるある。
実はEpsonのを買おうと思っていたのだが、実物を見ると何という大きさ!ポケットサイズじゃないね,あれは。
リコーのDC−2も気に入った。
値段は高いが、画素数が多い。
魅力的ではある。
結局,値段とサイズでDC20にしたのだ。
これは、小雨に煙るランドマークタワー無修正高画質モードのjpegだ。
(つまらない写真にデッカイサイズでゴメン)手前の明るいところは桜木町駅。
このカメラ、なかなか高感度だ。
PCへの転送はシリアルで行う。
1枚あたりの転送時間が30秒程かかるのが難点だが、特別なインタフェースやドライバは不要だ。
電源はリチウム1次電池1本、これで何枚撮れるのだろう?ちなみに、本体内にはLH28F008SAT-85と言うフラッシュメモリが1個だけで増設は出来ない。
上のサイズの絵が8枚しか撮れないのは残念だ。
さあ、さっそく開けてみよう。
中まで見てあげなきゃ、設計者に失礼というモノだ。
さっそく解体したのがこの写真。
カメラを分解してしまったので、絵が撮れない。
銀塩写真の現像を待つほど気が長くないので、スキャナの上に乗せて撮っちまった。
上部中央がCCDユニット。
その(向かって)右がファインダと測光部。
測光は、なんとCDS(硫化カドミウムセル)だ。
せめてフォトトラに出来なかったかなあ??このCDSは雰囲気照度を測光しているから、明るいところから暗い室内等を撮るとつぶれてしまう。
そんな時は、この測光部に薄い紙を貼って測光光量を騙すのだ。
CCDユニット左の、金色に輝く部品はメカニカルシャッタのソレノイド。
コイツが驚く(瞬間最大1A)ほど電気を食う。
ちなみに、アイドル電流は約130mAと大グイ。
これが裏側の基板。
基板は2枚構成になっている。
アナログ部はシールドケースに入って、2枚の基板の中間に位置するからこの絵では見えない。
写真下のフレキは、操作ボタンと上下基板の接続用。
主だったデバイスは以下のとおりだ。
TC51829CFL-80(RAM)
QHC69302A(CHINONカスタム)
S2864A150(ROM)
MB89625R(CPU?)
LH28F008SAT-85(FLASH)
小さく軽いから、ちょっと持って歩くには好都合。
ホームページ作りには丁度良いと思うのだが。
DC20にストロボをつけよう
通常の撮影ではバカチョン感覚で撮れるのだが、当然暗いところではスローシャッタと
なる。
ストロボをつけてみたくなるのは誰しも同じだろう。
ケースを開けた感覚からして、内蔵は最初からあきらめた。
とりあえずは、シャッタ用ソレノイドから線を引っぱり出してキャノンのスピードライ
トと連動させてみた。
これは、ストロボを使用しないで撮ったもの。
新聞がかろうじて読める程度の暗い室内だ。
この状態でシャッタを押すと、絞りは解放になりシャッタスピードは最遅速の1/30に落ちる。
これは撮ったままの無修正だが、ソフトで修正すればもう少し見られる絵にはなる。
これが実験に使用したストロボ。
カメラ本体よりだいぶ大きく重い。
実験結果だが..残念ながら失敗だ。
ストロボを発光させて写った写真は真っ黒になっている。
ストロボの光が測光部で計測されてしまうのか?どうにも納得がいかない。
試しに測光部を遮光して実験してみたが、ストロボを使用した方が暗く写ってしまう。
これは、同調が撮れていないのではないか?このストロボは、200mS毎に連続して発光させることが出来る。
ストロボを発光させてからシャッタを押して見よう。
そうそう、DC20の測光部はマスクしてシャッタ時間は最長に固定するのだ。
そして撮った写真がこれ。
ストロボは効果を現している。
でも明らかに露出オーバだ。
ストロボの方は1/32に出力を絞っているから、ガイドナンバは1.3!ただし、200mS毎に発光させているからシャッタが開いている間に複数回ストロボが発光している可能性がある。
光量調整が面倒なので、床に向けてストロボを構えてみた。
だんだんまともになってきたでしょ。
今度アキバへでも行ったときに、安いジャンクのストロボでも買ってこよう。
DC20はメカニカルシャッタが動作するときに、カチッとシャッタ音が出るのだ。
この音(振動)をコンデンサマイクで拾ってストロボを連動させるってのはどうだろう?本体から線を引っぱり出す必要もない。
DC20ファンよ!期待しないで待っててくれ。
電池が減ってきた。
電源ランプが点滅している。
100枚くらい撮ったかな?撮影後オートパワーオフ(90秒)に任せている時も結構あるし。
100枚分の転送時間は、およそ50分!結構持ったと言うべきか??点滅しだしてから、約10枚ほど撮った所で電池切れとなった。
DC20は、電源ONの時にシャッタを動かす。
たぶん、シャッタ動作に必要な電流供給が可能か調べるためではないかと思うが、電池末期にはシャッタが動こうとした瞬間にリセットしてしまう様子。
電池(CR123)は、600円〜700円する。
PCへの転送時には、ACアダプタ(チノン製を流用可能)使用が経済的か?こいつは、電池を外して取り付けるタイプなので面倒なのと1A近く流さなくてはいけないので巨大なのが欠点だ。
試しに実験用電源(0.6A)を使ってみると、電源ON時のシャッタ動作に必要な電流が流しきれずダメだった。
ストロボ実験再び
簡単に接続できる方法というコトで、色々やってみたのだが思わしくない。
うまく同調させられないのだ。
それと、暗いところでは当然の事ながら絞りは解放となりシャッタスピードは最長となっている。
これでストロボを光らせると、露出オーバになるケースが多い。
24ビットカラーとは言え、各色8ビット..256諧調しか無いのだからダイナミックレンジが狭すぎる。
適正露出付近で撮らなければキレイな絵は撮れない。
机上の理屈ではあるが、次のようにすれば実現できるかも知れない。
その1:シャッタスピードはある程度速い位置に固定する。
これは、測光用窓にLEDでも密着させて光らせれば実現できるだろう。
その2:同調調整用の回路を設ける
シャッタソレノイドの通電をトリガに、ワンショットでも叩いて信号を遅らせる事が必要だ。
その3:オートストロボを使う
カメラ側で露出制御が出来ない以上、ストロボ側でそれを行うしか手がない。
しかし、今時オートストロボなんて売っているだろうか?
ストロボが欲しくなるのは、どう言った撮影条件の時か?それはズバリ、逆光の時だ。
測光部にはモロに光が入り、被写体は逆光で暗いからマトモな絵は撮れない。
凝った絵を撮るときには銀塩写真機を使うか?或いは、ストロボ付きのデジカメを使うか?DC−20でそこまでやるのは無理なのか?DC−20は、簡単スナップ&メモ用カメラとして諦めるべきなのか?設計コンセプトにまで立ち入ろうとすると、大幅なモディファイが必要になる。
さあ、どうしよう???