ARPUは下がるのか?(10/1)
◆ 携帯電話料金は従来に比較して大幅に下がったと政府は言っている。確かに移動体通信各社のデータに見る通信料金収入は減少している。ただし大幅な減少かと言えば微妙だ。
◆ 減少はしたが、減少以前に上昇していたのがドコモである。5Gスマートフォンの種類拡大による5G契約の増加が要因になっていると思われる。料金自体は割引か何かで(期間限定?)据え置きがあったような気もするが、付加的収入が増加した可能性もある。
◆ しかしahamoの契約数増大でARPUは減少した。ただし2019年度の3Qよりは収入が増加している。これを見ると通信料金収入が減少した部分は勿論あるが、それ以上に上昇要素があったと言える。何が通信料金収入を増加させているのかは公表されていないが、従来型携帯電話からスマートフォンへの変更を強力に推進する結果かも知れない。
◆ ARPUが連続的に下がっているのはソフトバンクだ。ソフトバンク本体の契約数は65%程にまで減少しており、YモバイルやLINEMOが牽引している構図が見える。当然ながら低価格契約へのシフトが進むのでARPUは下がり、一時期はドコモよりも高かったARPUが今は最下位となってしまった。
◆ Yモバイルがソフトバンク本体の解約を受け止め、純増にも寄与していることを考えればソフトバンクの救世主とも言える。LINEMOはYモバイルとの競合がある事と、同じサービスではLINEMOの方が安価なことから積極的な営業は行っていないようだ。
◆ LINEMOはLINEモバイル(MVNO)の解約を受け止めるのと、ドコモやauと価格を揃えるためのブランドだと言える。ahamoが契約数を増やしているのに対して、povoはその半分、LINEMOは更に半分でしかない。ahamo/povo/LINEMO共に素のプランというか、関連サービス加入などによる割引が殆ど無い。つまり通信サービスだけでの比較になるわけで、そうであるならエリアと速度で勝る事業者と契約しようと思うのが普通だ。
◆ auはpovo推進をする一方でUQの低価格をアピールする。これはYモバイル対抗でもあるしauでんき販売促進でもある。以前に書いたとおりソフトバンクは楽天モバイルを意識している。楽天モバイルの契約者数が推定400万弱という所に来ており、Yモバイル契約者数の半分に迫る勢いだ。auはpovo2.0で契約者数を上乗せしたい考えで、月額0円で回線維持が可能なのはメリットだ。
◆ 直ちに脅威ではないとしながらも、契約者の平均年齢の高いYモバイル契約者は、Yahoo検索を使い、楽天市場で買い物をする世代である。ヤフーショップがPayPayの名を冠して若者世代にアピールする中、Yモバイル契約者が楽天モバイルに取られてしまう危険性はある。
◆ ではLINEMOに誘導できるかというと、中高年世代にとってLINEMOのブランド力が強くはなく、通信速度の遅いMVNOとしてのイメージであるLINEモバイルを引きずる。そうかと言ってYモバイルに廉価プランを出せばLINEMOと競合する。
◆ ソフトバンクはYモバイルの契約者は中高年が多く、事業者を容易に変えないと安心している。多少の価格の違いなら、面倒な手続きは踏みたくないと思う人は多いはずだ。Yモバイルだと3GBまでで2,178円であり、家族割りを使えば990円になる。
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