いきなりステーキ(1/31)
◆ いきなりステーキを経営するペッパーフードサービスの業績が悪化している。
ペッパーフードサービスはペッパーランチを展開して知名度を上げたが、2007年に関西で起きた強姦拉致事件(従業員が女性客を拉致監禁暴行した)、同年巣鴨で起きた暴行事件、2009年の食中毒事件などもあってペッパーランチは終焉を迎える。
◆ その後2013年にいきなりステーキを展開、2017年には東証一部に昇格した。しかし良い時は永くは続かず、2019年には経営の悪化が伝えられる。その一つの要因として店舗乱立があったようだ。新規店舗の開業にあたって、調査がずさんだった。
◆ 2018年には1年間で店舗数を2倍に拡大したのだが、店舗密度が高くなった地域もあり自社競合が起きた。これはコンビニでも同じ事が起きていて、コンビニ密集地域では同系列同士が客を取り合うことになる。
◆ 地方に店舗を作ると物珍しさから売り上げは順調に推移するのが普通だが、何店舗も作ると新鮮味が薄れて集客効果がなくなる。店舗数の急拡大によって人員不足も問題になった。ペッパーランチ同様に十分な教育などがされない従業員を就業させる事となり、客からのクレームが増えた。
◆ コンビニにしてもファミレスにしても、出店場所を決めるには綿密な調査が行われる。しかし勢いに乗っていたいきなりステーキは"出店すれば必ず客が入る"とばかりに店舗数を拡大していった。しかし人気に陰りが見えると急速に赤字店舗が増え、閉店するもコスト削減には中々つながらない。
◆ 最近ではクレジットカードによる決済が出来ない店舗が増えているという。JCB系などが使えなくなっているそうで、カード取り扱い手数料削減のためなのか、或いは一時的に使えなくなっただけなのか、経営状態が良くないだけに様々な憶測が飛び交う。
◆ 値上げによる影響も指摘される。安価で気軽にステーキが食べられる事でサラリーマンを取り込んだ訳だが、値上げによって主要顧客であるサラリーマンが離れてしまった。では家族連れはどうかと言えば、店舗構成やメニューが家族向けではない点が指摘される。
◆ いきなりステーキの値上げで話題になったのがやっぱりステーキだ。元々は沖縄で展開していたようだが、150g〜200g/1,000円という価格が魅力なのだとか。
いきなりステーキは200gで1,500円〜2,000円であり、やっぱりステーキは懐に優しいと言う事か。
◆ 日本に於ける焼き肉市場はほぼ一定で、どこかが客を取ればどこかが低迷する。
従っていきなりステーキの集客力低下は他の焼き肉系店のチャンスでもある。いきなりステーキが値下げや肉の品質向上を行えば巻き返せる可能性はあるのだが、景気悪化時に売価を下げるという決断は難しい。
◆ 景気悪化時こそ資金を投入すべきだとしたマクドナルドは成功した。これは借り入れがうまくいったからと言う事もある。
勿論マクドナルドも不採算店舗の閉鎖などコスト低減も同時に行った。伊豆市〜三島や沼津方面は焼き肉系の店舗が多い。
勿論いきなりステーキもあるが、景気はどうなのだろうか。
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