分離プランでどう変わる?(3/25)
◆ 日本では2度目の分離プラン推進となる。最初は従来型ケータイの頃にこれが行われたのだが、ソフトバンクが見事にぶっ壊してくれた。孫さんはいち早く分離プランを採用したと豪語するも、孫さんの言う分離プランとは、より強固に通信と端末販売を結びつけたものに他ならなかった。
◆ では今回はどうなのか。前回の失敗を踏まえた形で様々な対策がなされる。ソフトバンクも、孫さんが国内移動体通信事業に飽きてしまっているので乱闘は起きないとみる。
◆ ドコモはいち早く通信料の値下げを予告した。今までの端末購入サポート代をそっくり引いた額を考えれば、おおよその価格は出てくる。月額6千円程度を支払っている利用者が、端末購入補助額の1.5千円位を減じられるとすれば25%引きと言うことだ。
◆ 通話料無料のプランが2.7千円、3GBまでのデータ使用料は4千円、これだと合計は6.7千円になる。ここから3割下がると4,690円だ。その代わり長期割引を無くしますよと言われると800円増えて5,490円になる。
◆ MVNOはMNOの値下げの影響を心配している。MNOの価格が下がればMVNOとの価格差が小さくなり移行が滞る。
しかしMNOが2〜3割の値下げをしたとしても、依然としてMVNOとの価格差は大きい。
◆ MNOとMVNOでは非混雑時間帯に於いても速度差はかなりある。以前は非混雑時間帯は速度が出ていたのだが、利用者の増加が速度差を平均化し、今は一日を通して余り快適ではなくなっている。
◆ 結局このパフォーマンスの差がそのまま価格差になっているわけで、これは分離プランだろうが何だろうが変わらないはずだ。一方で端末価格が定価となれば、この点でMNOもMVNOも差がなくなる。石川氏は過度なMNOの値下げはMVNO潰しだと言うのだが、両社が同じ土俵で戦える基盤が出来ると考えればメリットになる。
◆ 端末価格の上昇でダメージを受けるのはiPhoneだろう。これが定価売りとなれば、どれだけの人が新機種に買い換えてくれるのか。一方で値引きの渋かったAndroid勢にはプラスに働く要因にもなる。
◆ ただし絶対的に高価格なハイエンドスマートフォンは、いずれにしても売れなくなるだろう。10万円以上もする品物が2年か或いは3年で古くさくなる市場は過渡期においてでしか成立しない。
◆ 或いは景気が回復して、バブル以前の時のような車検ごとに車を買い換えるようなスタイルにでもならない限りは販売台数は減少する。ドコモは型落ちモデルなどは安価に販売していくと語っている。iPhoneなどは型落ちの在庫ではなく型落ちモデルを(新たに)仕入れるのではないかとも見られている。
◆ 日本のこの独特な市場のためにAppleは型落ちモデルの新規生産でもするのだろうか。Androisメーカにしても同じ事が言えるかも知れない。新機種として販売するハイエンドモデルには売れなくてもいい価格を付ける。それでも欲しい人は買うのだから問題は無い。
そしてその次の新機種が出た時に、型落ちとなったモデルに適正な定価が付けられて売られる。
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