イオン交換樹脂を再生しよう




マーフィードのイオン交換樹脂の、特にアニオンは500リットル程度の処理量でイオン交換能力が低下してくる。
もちろんこれは源水の不純物量などによっても異なるが、アニオン樹脂は意外に高い(\4,000位)ので、何とかこれを再生使用したくなった。
アニオン−カチオンフィルタを循環させるように使用すれば、pH7の純水が出来る。
しかし水道から直結でこれらを使用すると、アニオン−>カチオンの順で通すとpH5.5〜6の水が出来る。
これは未処理のH+が残るためだと説明されている。
逆にカチオン−>アニオンの順で通すとpH7〜7.5の水が出来る。
理由は同様にOH-が放出されるためにpHが上がり気味になるそうだ。
現在の環境ではアニオン−>カチオンの順に通して、pH6弱の水を作っている。
が、アニオンフィルタの処理能力減衰に伴ってpHはこんなに下がってしまった。

これでは魚もエビも死んでしまう。
そこで樹脂の再生を行うことにした。
使用する薬品だが、アニオン樹脂の再生には水酸化ナトリウムを、カチオン樹脂の再生には食塩水か塩酸を使用する。
ただし食塩水で再生したカチオン樹脂で純水を作ることは出来ないし、塩分の放出もあるし、pHも(たぶん)下がらない。

最初に行ったのはアニオン樹脂の再生だ。
水酸化ナトリウム50グラムを1リットルの水に溶いて再生液を作る。

水酸化ナトリウムは吸湿性が強いので、手早く行う。
水に溶かすと発熱するので水と共に氷を入れると良いだろう。
或いはこれに加えて周りを水で冷やす。

薬品を扱うときにはゴム手袋(滑り止めのあるものが望ましい)と眼鏡着用を推奨する。
水酸化ナトリウムが皮膚に付くと皮膚が溶ける。
アニオン樹脂は茶色っぽい色をしている。

本来なら中身の樹脂を取り出して再生液をかけた方が良いのだが、樹脂を抜くのは面倒である。
そこでこのまま再生液をかけることにした。
マーフィードのフィルタケースが丁度良い。

出来上がった再生液をゆっくり注入する。

容器が再生液でいっぱいになったら、それをバケツに捨てて再度注入する。

そして再生液の半量は裏側からも注入する。
あとは流水(フィルタケースに入れて10〜20リットルくらい水を流す)で洗って完成。
カチオン樹脂は塩酸で再生するが、カチオンは黒っぽい。
市販の35%濃度の塩酸を7倍ほどに薄めて5%の再生液を作る。
塩酸は発煙するので換気は十分に行うこと。
薬品は水の使えるところで使用し、常に少量の水を流しておくこと。
これは手にかかった場合などに、すぐ水で流せるからである。
また食酢(水酸化ナトリウムの中和用)と消石灰や重曹(塩酸の中和用)を用意しておくと良い。

今回、カチオン樹脂はまだ寿命を迎えていなかったが、再生液の中和のために塩酸が丁度良いので再生を行った。
水酸化ナトリウムや塩酸を下水に捨てるのは忍びない。
これらを混ぜれば(多少はどちらかの成分が残るだろうが)塩水になって有害性は低下する。
こうして再生した樹脂を使用して純水を作ってみる。
結果のpHは5.6でちょっと低いような気がするが、樹脂に付いた再生液が残っているのかも知れない。