熱帯魚を飼う(115)
■ '02/9/1
ウミキノコやガラス面、ライブロックにやたら繁殖していたソフト(コーラル)も死滅した。
水槽外に出したい所なのだが、これを行おうとするとライブロックごと取り出さなければいけない。
全部の生体が死んでしまったのならそれも良いかも知れないが、ミドリイシ系は未だ生きている。
ライブロック自体も勝手に石灰藻などでくっついてしまって、巨大な固まりとなっている。
スキマーは相変わらず泡を出しているが、そん中、気休めかも知れないが換水を行った。
今回はミドリイシを空気中に露出させないよう、注水と排水を同時に行う方式だ。
従って注水した約500リットル全部が水槽の水と入れ替わったわけではない。
良くても半分くらいだろう。
水を換えた所でなんの変化もなく、水槽内は死の海と化している。
水槽周りを掃除したついでに水流用ポンプ配管などの一部を切り離して点検した。
これらの配管はボールバルブを介してあるので、それを閉めれば水は漏れてこない。
塩ビ管内の汚れはさほどでもないが、ビニールホースは硬化しているものがあった。
これも来年あたりには交換しないといけないのかも知れない。
ついでに、床下の貯水タンク(単なるアクリル水槽で、換水用の塩水はこれで作っている)から、毎日5リットルの割合で人工海水を自動注入するように仕掛けた。
メタハラのバルブ(コーラルグロゥ)も買ってあるのだが、未だ交換していない。
何となく、このままミドリイシもダメになってしまうような気がして、だったら水槽リセット後に新しいバルブを使ってやろうかなんて思っているのだ。
水槽リセット時にも、出来れば今のライブロックを使いたいものだ。
石灰藻の付着具合も良いし、形状や大きさも気に入っている。
おそらく現在ではこれほど大きな(高さ50cm程度ある)ものはなかなか手に入らないのでは無かろうか。
小型のものを積み上げていっても良いのだが、そうすると積み上げた部分の塩通りが悪くなるし魚も回り込めなくなってしまう。
現在使用しているものは枝状の石が組み合わさったような、隙間が沢山開いていて高さがあるようなものだ。
その為溶岩石のように重くないし、隙間を魚が通ったりして趣がある。
■ '02/9/4
スキマーからすごい良の泡が出ている。
ソフトコーラル類が死滅し、ライブロックに付着した生物なども死滅し、スキマーに負荷がかかっているためだろう。
サンプ槽まで泡だらけになるほどの状態で、全部の水を変えれば一時的にはおさまるだろうが、出勤前で時間がない。
これに気づいた時点でミドリイシのいくつかはダメになっていた。
残ったのは数個帯。
夜になってスキマーの泡はだいぶおさまった。
こんな状況下でも元気にポリプを出しているミドリイシがいるというのが何とも不思議だ。
いずれにしてもリセットしなければ何ともならないような状況である事に変わりはない。
ライブロックは色々調べてみたのだが、cpf並の品質のものだと20Kgで7万円(きっと売りたくない値段にちがいない)だという。
cpfは環境庁にチクられてライブロック販売中止に追い込まれた。
他にも沖縄にショップがあるのだが、果たしてそこのライブロックの品質はいかなるものか。
写真を見る限り、cpfのものとは比較にならないような"石"である。
現在は普通の珊瑚砂を使っているのだが、次回リセット時にはライブサンドを使ってみようかとも思っている。
確かに価格は高いのだが、それでも国内売りのアラゴナイトと同程度だ。
問題は送料の方で、20Kgを送って貰うと\5,000位の送料になる。
これはいささかもったいない。
なので、珊瑚砂とライブサンドの混合で行くかも知れない。
ライブサンドはcpfからも入手出来るが、あそこのものはいわゆるパウダーである。
私としてはもう少し目の粗い砂が良いかなと思っているのだ。
■ '02/9/5
スキマーからの泡はだいぶおさまってきた。
底砂上にはコケともゴミとも判断出来ないような、茶色っぽいものが堆積しはじめた。
ライブロック上に生えていたソフトコーラル類は完全に溶けている。
溶けているのだがライブロックから剥がす事が出来ずに水質を悪化させている。
まさに腐海だ。
だがしかし、ミドリイシだけは元気にしている。
水槽内に残った生物はミドリイシだけ。
これが死んでしまったら照明点灯の必要もなくなると言うものだ。
■ '02/9/6
腐敗臭がひどくなり、緊急的に底砂やライブロックを取り出す作業を行った。
何しろ底砂内部にいた小生物類が砂の上に上がってきて死んでいるという状態。
オーバフロー管を抜いて一気に排水、ミドリイシはバケツに避難させ、ライブロックを取りだして底砂も取り去った。
底砂の汚れはさほどではなく、部分的に硫酸還元が起きている所も見られたが2年半の歴史を感じる汚れは見られなかった。
ライブロックの方も汚れが溜まってはいたが、石灰藻の付着具合などは良好だ。
これを捨ててしまうのはもったいないのだが、ソフトコーラルが付着しているものに関しては捨てる以外にない。
形の大きなものは水道水で洗って再使用してみる事にする。
(どうせ付着生物は死んでいるだろう)残っているバクテリアや付着生物は死んでしまうだろうが、人口岩石のつもりで使えば良いと言う事。
ただしこれらが水質を悪化させなければの話である。
水を抜いてカラッポになった水槽内には水道水を溜めてコケなどを洗った。
真水の中だとコケってヤツは沈むのである。
海水だったら浮くのに。
オーバフロー管などに付いた石灰藻は取らなかった。
どうせ又付くわけだし、塩ビの色より石灰藻の方がまだマシかなという感じ。
給水用塩ビ管内部には若干の固形物も付着していたが、コレステロールで埋まった血管のようにはなっていなかった。
こうして一気に掃除を行い、その水をサンプ槽を通して下水に流した。
排水が下水に直接出来なかったら排水速度の点からも大変だったに違いない。
内部がキレイになった水槽には水道水を直接溜めた。
本来ならDI水を使うわけだが、もしも又ダメだったら…と思うと、"とりあえず"の再立ち上げモドキで行こうと思った次第だ。
何しろ水で洗ってしまったライブロックと、底砂もなしの状態である。
いつも使っている人工海水の素はインスタントオーシャンで、これにはチオ硫酸ナトリウムが含有されているらしい。
なので、カーボンフィルタさえ使わず、本当に水道水そのままだ。
この時期は水道水温度が25℃前後であり、冷却も加熱の必要も無いというのもありがたい。
インスタントオーシャンは800リットル分がバケツに入っているが、底砂も無いしライブロックも極めて少量しか入れていないので600リットル分以上の塩を使ってしまった感じ。
水槽内で塩を溶いてライブロックを入れ、サンゴを元に戻すまでに数時間を要しただろうか。
これでミドリイシが死んだらちょっと悲しい。
全部のサンゴが死んでいて、ライブロックも再使用しない予定であれば水槽内に真水を満たした上で塩素系洗剤を投入し、キレイサッパリ消毒を行いたい所だった。
何しろ原因不明の毒素?が残っていたら同じ事の繰り返しになる。
■ '02/9/7
スキマーからの泡も徐々におさまりつつある。
テストフィッシュ?としてヤエヤマギンポを入れてみた。
このまま1週間ほど様子を見る事にしよう。
底砂だが、ライブサンドとして売られているもので目の粗さが1mm程度のものを捜すと10Kgで1万円程度のものが見つかった。
これは送料込みの値段なのだが、その送料が全コストの1/2近くを占めるらしい。
現在の水槽に底砂を入れるには、たぶん60Kg〜80Kgは必要だろう。
cpfのライブサンドなら10Kgで\4,800なのだが…また、プランクトンパックは10Kg分で\3,800である。
市販の珊瑚砂は10Kgあたり千円前後だから、それにプランクトンパックを組み合わせるのが一番良いのか。
現状で魚が死ななくなっていれば、底砂も早い所入れなくてはいけない。
ちなみに現在は亜硝酸も測定限度以下の数値であり、目に見える水質の悪化はない。
ミドリイシも元気である。