熱帯魚を飼う(125)
■ '04/3/3
底砂の掃除屋さんとしてゴカイを入れてみようと思った。
釣り好きの知人に聞くと、ゴカイは高水温では生きていられないと言うがどうなのだろうか。
あんなミミズみたいなモノが大量死したら恐ろしい事になるし…でも入れてみたかったので釣り餌専門店のドアを叩いた。
釣り好きで話し好きのご主人は、それで何を釣りたいのかと言う。
そこで、海水魚飼育をしていて底砂掃除用として飼いたい旨を伝えると、現在(おそらく今の時期)は国産のいわゆるゴカイというヤツは居ないのだという。
居るのは海外から輸入されたアオイソメとイワイソメなのだそうだ。
アオイソメは水温30℃程度までなら生きられ、25℃程度で活発に活動するという。
ただし餌が無くなると共食いもするので注意するようにと言われた。
餌屋さんでの水温は19度だそうで、それも水槽内で飼われているのではなく、パンチング板の上に放されたイソメに上からシャワー状に海水をかけているのだとか。
イソメは粘液質の分泌液を出すので、そうしないと水質悪化が激しいらしい。
ちなみに餌屋さんの濾過槽はウエット+スキマーという構成だった。
ま、とにかくそんな感じで30分ほど話しをして、1パック500円なりのアオイソメを買ってきた。
これが又グロテスクと言うか、ミミズに足が生えたような物体というか、とにかく気持ち悪い。
虫嫌いの私が素手で掴めるはずもなく、ピンセットでつまんで水槽へ。
するとアオイソメより遙かに小型であるスズメがさっとやってきて食い始めたではないか。
その残骸はカニがあっという間に持ち去ってしまった。
さすが釣り餌!と、感心している場合ではない。
ニョロニョロ動くアオイソメを急いで砂に埋めたのだった。
果たしてこれが数ヶ月後に生存しているのかどうか、砂を掘り返す以外に確認する術はない。
もう一つ、(たぶん)マガキガイだと思うのだが、これを10個ほど水槽に入れた。
コイツも手で掴んで水槽に入れようとしたら、手を突っつきやがって焦った。
私はこの手の生物は苦手である。
だがコイツは少なくとも底砂表面のコケやデトリタスは綺麗にしてくれる。
小さなヤドカリ達より余程働き者かも知れない。
他にはサンゴも入手した。
始めて行ったショップなのだが、ミドリイシの量に圧倒される。
価格もリーズナブルでレアな個体も多いから、ミドリイシ好きなら1時間居ても飽きないだろう。
ここで幅20cmはあろうかというロリペス(深場系)などを購入。
価格は1万円ほどと言っておこう。
他にスゲ(かな?)のグリーンと紫の個体とか、3点ほど買ってきた。
このショップは昨年夏頃に現在の新店舗に移ったそうだ。
ミドリイシ水槽の水流と照明は圧倒的で、店内の水槽の照明だけで一体何KW食っているのだろうかと考えてしまうほどの贅沢さである。
無脊椎店の多くは価格が曖昧である。
どれがいくらか、店側に聞かないと解らない。
その点この店は水槽に価格を書いた紙が張ってあるので(それがどれを示しているのか今ひとつ分かりにくいのは確かではあるが)安心だ。
ミドリイシをどこで買うのかという質問を受ける事があるが、私の住んでいる近くの熱帯魚屋さんには余り多くのミドリイシをストックしている所がない。
南区の方のディスカウント店の地階にある(今でもあるかな?)ショップはレアな個体が多くて面白かったのだが、価格は店長次第(値切りも可能)でクリア性に欠け、オマケに比較的高価という事もあって足が遠のいた。
今思えば深場系ではないかと思われる20cm程の個体の価格を聞いたら25万円(!)だという。
多少なりとも驚いた当方の顔色を見て、それなら20万円でどうかと言われた。
その後徐々に価格が下がって、最終的には15万円程度になっただろうか。
結局買わなかった(買えなかったとも言う)が。
このショップは一時期、ストック水槽全滅という事態に見舞われ、その後目立ったミドリイシは売られていなかった。
こちらにもたまに顔を出すが、綺麗な個体はすぐに売れてしまう(当たり前)し、メインはイソギンとクマノミなどの様子だ。
ただ近場という事もあり、人工海水などは良く買いに行っている。
通販で最もよく利用するのがこちらのお店。
まだまだ青系スギノキなどが珍しかった頃からお世話になっている。
キクハナガサなど輸送に弱い品種でも、死着という事は無かった。
(大雪で配達が丸一日遅れて全滅していた時にも親切に対応して頂いた。
配達員はクロネコ側で補償すると言っていたが、結局はショップの負担になったようである)梱包もシッカリしているので安心出来ると思う。
ただし、やはり最良の状態で入手したいのであれば、輸送に弱い品種は通販で買わない方が良い。
死着保証などもあるのだが、店側に全て責任を押しつけるのではなく、丸一日かけて輸送されてくるリスクは購入側も負うべきであると私は考える。
横浜の卸センタ付近の店、南町田の大型店にもたまに行くのだが、卸センタの方は無脊椎は余りストックがない。
南町田の方は最近レイアウトが変わって深場系などもストックされているが、状態は余り良くない。
ライブロックも、白くなった極上品(!?)が売られている事もあれば、まさに上品と言える品が入荷している事もある。
要するに何度も足を運ばないと良いものには出逢えないという事なのだろうか。
価格が安いとは言えないが、品質的に十分満足出来るのがこちらだ。
深場系にも力を入れているほか、海洋深層水を使っているという事で、通販で買ってもその状態の良さはピカイチである。
現在水槽に入っているジャクラインSPや過去にはロリペス(非常に美しい個体)を購入した事がある。
そのジャクラインはずいぶん色が変化してきた。
購入時は薄いベージュで冴えない感じだったモノだが、今は先の方が深緑になってきた。
深場系という事で光量が弱ければ白色に近くなるのだろうし、高光量(と言っても水槽の下の方に置いてある)ではマルチカラーになるようだ。
浅場系のツツユビ(たぶん)は、影になっていた部分が褐色に変化すると共に一部白化も起こっていたが、水槽の上の方に位置替えした現在では綺麗な緑のポリプが全面を覆うようになった。
もう一点のミドリイシ(長期飼育モノ、名前不明)も影になっていた部分が白くなってしまった。
だがこれも補助光(70Wの10000K,HID)を当てる事によって緑が戻ってきた。
光は大切である。
大切ついでに水流も。
現在の水槽は水流用ポンプ4台を水槽外に設置し、水槽底面から取水して水槽内に吐き出す構造となっている。
これはサンプ層から吸い上げるより効率的(高低差がゼロ)なのと、吐き出し口を水槽底部に設けた場合で、ポンプ電源が切れた時にも逆流が起きないようにするためだ。
ポンプは配管が長いのと細い(VP13)の為、静圧重視で選択(MD20-RZN)した。
水量は毎分10リットルだが、4.9mまで水を揚げる能力を持っている。
同じシリーズでインペラ形状の違うRMD-20RX-Nは、流量が毎分46リットルもあるが、1.8mしか水を揚げられない。
果たしてどちらが流量を稼げるのだろうか。
先日行ったショップでは30φもあろうかという、洗濯機の排水ホース並みの太さのパイプから、それこそ水槽内で渦を巻くほど強力、いや、強烈な水流が作られていた。
生体を増やしたのはここの所水槽の調子が良いためでもある。
と言うか、昨年夏頃から余り変わっていないのだが、一時の壊滅状態から脱して安定しきっているという感じ。
残るは底砂の汚れなんだけどなぁ…
■ '04/3/4
又サンゴを増やしてしまった。
深場系のミドリイシ1点と、浅場ミドリイシ2点。
もう少し深場系を増やしたい所なのだが、それは又気に入ったものが見つかってからにしよう。
サンゴの状態と光量を意識する事が多かった昨今な訳で、どうしても浅場系は水槽上段に並べる事になる。
すると中断から下が空いてしまう訳で、そこに並べられるのが深場系ミドリイシという訳だ。
オオバナは何度か挑戦した事があるのだが、何故か長期飼育出来ていない。
のだが、ライブロックについて来たオオバナは未だ元気に成長を続けている。
どうして買ってきた立派な固体はダメなのだろうか。
タコアシやアワサンゴも嫌いではないが、何せ成長して巨大になると余り美しいものではなくなってしまう。
蛍光カラーのタコアシなどは色の維持も難しい。
高光量下で褐色になるのか?光量が足りなくてそうなるのか?或いは水槽環境そのものの問題なのかもよく分からないのだ。
以前は水槽内にパワーヘッド1個を付けていたのだが、いつの間にかインペラが破損してして、それを撤去したままになっていた。
そこで自動首振り式のパワーヘッドを取り付けてみた。
(エデニックローターDX1000)水流は水槽の長手方向に流れるように向けたのだが、毎時1,000リットルのポンプでは絶対的に水量が足りない。
それでも無いよりはマシだろうと言う事で、タイマに接続して30分周期50%デューティーで稼働させている。
4台の水流用ポンプにしても、ライブロックなどがほとんど無い状態では底砂を掘るほどの水流が得られていた。
だがライブロックが入り、生体が入って水流の妨げとなれば、波打ち際に置かれた消波ブロックのごとく水流は弱められてしまう。
Rio3100級のパワーヘッドが欲しい所ではあるが、水槽内にこんな大きなものを置きたくないという気持ちもある。
もう一点、アキバに寄ったついでに電球型蛍光灯のブラックライトを買ってきた。
これを夜間観賞用として使用してみようという訳だ。
ブラックライトで照らして面白かったのは、何の変哲もないオオバナ(ライブロックに付着していたもの)が、綺麗なオレンジに発光した事である。
これはなかなか美しい。
深場系のミドリイシも緑色に発光している。
ライブロックに付いた石灰藻の一部も薄赤く発色している。
緑のミドリイシは緑色に、茶色のそれも緑色に発光するが、青系は全く反応なしだ。
短波長を反射するから青色に見えそうな気がするのだが、紫外域光は反射しないで吸収されてしまうのだろうか。
吸収するとしても反射するとしても、メタハラの紫外線量に比較すればブラックライトの光など微々たるパワーしかない訳だから、これによるサンゴの変化という事は期待出来ないし考える必要はないと思う。
サンゴを増やしたので添加剤の分量も増やす必要がありそうだ。
カルシウムとマグネシウム、それに私自身はサンゴの成長に大きな影響があると思っているストロンチウムは増やす方向で調整しようかと思っている。
水槽全景
ブラックライト(水槽左側)&ブルー蛍光灯(同中央右寄り)照射時
特価品のスゲ
ロリペス