熱帯魚を飼う(127)
■ '04/3/21
珪酸測定を行った。
値は0.25mg/lよりは少ないという感じ。
まあ、こんなものだろう。
リン酸の方は0.05mg/l以下になっている。
だがKHが相変わらず低くて7といった所。
冬場は蒸発水補給のためにカルクワッサ添加量が増えるから、これでKHが下がっているのだろうか。
先日カルシウムリアクタへの炭酸ガス供給量を少し増やしたのだが、未だ足りないのだろうか。
炭酸ガス供給は日中のみ行っていたのだが、今日は手動で連続供給に変えてみた。
ちなみに夜間のpHは8.15である。
■ '04/3/22
KHは相変わらず7のままである。
リアクタは24時間動作にしたし、CO2供給量も増やした。
カルシウムメディアもチェックしたが、これが意外に減っていなかった。
リアクタの排水のKHは14以上あったから、機能自体は正常と言えるだろう。
リン酸濃度も低い事だし、pHも高めなのでカルクワッサの添加を中止してみる事にする。
炭酸ガス供給量を増やしたからか、たまたまカルクワッサ添加から時間が過ぎていたのか、夜間のpHは8.1だった。
ちなみにカルクワッサは7時間ごとに5分間RO水を供給している。
流量計によればRO水は毎分300cc程の量が出てくるから、1日あたり5リットルほどの供給量になると思う。
そもそもカルクワッサ添加を夜間のみではなく、定期的に少量ずつ行うようにしたのはpHを上げたいからに他ならなかった訳だ。
2リットルのペットボトルに水酸化カルシウムを入れ、そペットボトル下部からRO水を入れて上部からカルクワッサを水槽に導く。
ただし流水量が多ければカルクワッサ濃度は徐々に下がって(つまり、水酸化カルシウムの自然溶解が間に合わなくなる)pHは上がらない。
で、数時間おきに数分間だけタイマを作動させ、カルクワッサを効率的に水槽に入れようとした訳だ。
■ '04/3/23
カルクワッサ添加を中止して丸一日、夜間のpHは8.1と変わっていないがKHは8.5まで上昇した。
KHが上がりすぎればCaかpHが下がる(下がらなければならない)ので夜間の炭酸ガス供給は中止した。
リン酸、珪酸共に値が下がっているのかガラス面に付くコケの量がずいぶん少なくなった。
換水はやはりRO水か、或いはDI水で行わなければいけないのだろう。
イオン交換樹脂はアニオン・カチオンを独立で買うより、ミックスイオンフィルタなるものを2つ買った方が得なようだ。
ショップ情報によるとアニオン・カチオン共に0.5t〜1tで樹脂の寿命になると書いてあるが、ミックスイオンフィルタも同じく0.5t〜1tの表示。
アニオン、カチオン単体とミックスイオンフィルタは同体積だからフィルタの中にはミックスイオンフィルタ2つが入れられる。
そうすると処理水量は1t〜2tになるのだろうか。
ま、そんなうまい話はなくてミックスイオンフィルタ2つを入れた時の処理容量が0.5t〜1tだと言う事だろうな。
実際にアニオン・カチオンの組み合わせでTDSを測ってみると、だいたい0.3t〜0.5t辺りで樹脂の寿命になる。
と言う事は1tの純水(仮に純水とするが、本来の純水と呼ぶべき純度には到底及ばない導電率なのだが)製造に要するコストは7,000円程度だ。
これに人工海水の素の価格を加えると、1tの人工海水を作るのに12,000円位にはなってしまうのだろうか。
RO/DIで純水を製造しようとすれば、排水が多いから水道代だって馬鹿に出来ないかも知れない。
それからすると海洋深層水の卸売価格はあながち高いとは言えない。
(小売価格は充分すぎるほど高いけれど)海洋深層水と言わず、処理済み天然海水を買うとすると1tあたり6万円だ。
ちなみに無処理の天然海水も売られている(若干安い)が、無用な雑菌やプランクトンなどが混入している恐れがあるので使用は慎重に。
イオン交換樹脂交換から解放されたいのなら、電気的にイオ
ン交換を行うという優れものがある。
ただし毎時3リットルの水しか作れないのは、RO浄水器より精製量が少ない。
交換不要は便利ではあるが、50万円という価格を考えるとイオン交換樹脂が約38tの水量処理分だけ買える。
毎月100リットルの換水をしたとしても、年に1.2tだ。
暖かくなったら処理済み天然海水なども使用してみたいと思っているが、今の時期に150リットルもの海水を温めるのは容易な事ではない。
床下には床暖房用のパイプが通っているので、その一部を分岐して(いや、床暖房用室外機には予備の水栓があったような)ヒータ代わりに使えるかも知れないが…現在使用している75GPDのメンブレン+加圧ポンプでは、精々毎時15リットル程度しか水を作れない。
まあ、寝る前に水を溜め始めれば翌日には溜め水水槽が満タンになっている訳だが。
そこでもっと生産量の多い、しかも安価な浄水器はないのだろうかと探してみた。
仮に2,600GPDのメンブレンと加圧ポンプを使えば、20分程度で150リットルの水が出来る事になる。
このメンブレンの価格は約7万円、ポンプも7万円位だろうか。
上に書いた電気式DIよりも安いが…コスト的に見ると100GPD辺りまでが実用的(1万円以下で買える)から、これらを並列接続が現実的かも知れない。
100GPDのメンブレンと加圧ポンプで、おそらく毎時25リットルから30リットル位の水は作れるだろう。
これならポンプと合わせて買っても3万円程度だから、イオン交換樹脂を4回交換する程度、2t分の水を作れば元が取れると言うになる。
いや、20インチのイオン交換樹脂なら寿命は現在使用している10インチタイプの2倍近くあり、価格は1.5倍ほどとお得だ。
やはりイオン交換樹脂かなぁ。短時間に大量の水を作りたい理由はもう一つある。
それは冬場の水温だ。
DI水位の水量があれば給湯器が作動してくれるのだが、ROのようにチョロチョロしか水が流れなければ当然ながら給湯器は作動しない。
すると出来上がった水を温めなければならない事になり、これに要する時間も電気も馬鹿に出来ないという訳だ。
ただ、イオン交換樹脂も水量を上げて使用するとTDSが大きくなる。
前記ページには毎分65cc以下にしろと書いてあるし…では水温を上げるというのにどれだけの電力を必要とするのだろうか。
例えば水温10℃から25℃まで15℃上げると仮定する。
溜め水水槽の容量は約150リットルなので、これを1時間で上げようとすれば約3.3KWの電力が必要だ。
10時間で上げるならば単位時間あたりの電力は減るが、放熱分のロスが出るのでトータル電力は大きくなる。
だったらROに入る前の水を温めた方が効率的なのだが、150
リットルを1時間で満タンにするような大容量のメンブレンを使用したとすると、毎分2.5リットル。
排水比率を2とすると入り口側には毎分7.5リットルが流れる。
ここの温度を15℃上げるためには10KWもの電力が必要だ。
出口側で暖めるなら、当たり前だが3.3KWである。
でも溜め水水槽でどんどん冷えていってしまうだろう。
電気料金だが、東京電力の第三段階で1KWhあたり22.43円(2004年3月現在)だから、10KWhだと224円の電気代になる。
10時間照明を点灯した場合の料金も試算してみよう。
ウチでは現在250Wのアストロビームライト2台と150Wのスーパークール、70WのTFWだが、これは出力の話しであって入力電力(消費電力)は約2割り増しと言った所だろう。
従って合計約864Wとなり、それが10時間なので8.64KWhに相当する。
これにより1日あたりの電気代は照明だけで194円かかっていて、これが30日だと5,813円という事になる。
照明と同じ位のヒータとかクーラ、ポンプ電力だとするならば、月額1万円以上のコストがかかっていると考えられる。
全部三相動力でまかなえたら、(基本料金は上がるが)単位電力あたりのコストは半分になるのに。
ちなみに昼夜逆転で、夜間に電力消費が多くなるような場合には"おトクなナイト"プランで節約出来る。
現在ウチは従量電灯B契約の上限である60Aなのだが、従量電灯C契約で80A程度にすればブレーカ落ちも少なくなるはず。
例えば夏場、3部屋位でクーラを入れて電子レンジを使ったりすると、そろそろ危ない状況になる。
部屋の温度が下がって落ち着いてくれば大丈夫なのだが、外出先から戻って一斉に電気を使ったりするとヤバい。
水槽用コンセントは20Aなのだが、これもいっぱいいっぱいだ。
■ '04/3/24
照明の話しである。
広角照明と狭角照明、広角の代表格はアストロビームライトで狭角だとMTか。
どちらが良いのかは好みの問題もあるのだろうが、私的には影の出来にくい広角照明の方が実用的かなと思っている。
広角照明だと水槽のガラス面を照らす光も多くなる訳だが、照明位置から見るとガラス面に当たった光は水槽外に出ず、殆どは反射されて水槽内に戻る。
狭角照明の場合は真上から照らす感じになるので、どうしても影が出来やすくなると言う訳だ。
ただし光の当たっている部分の照度は高い。
■ '04/3/25
毎日何かしらのサンゴが落下している…今日はバブルコーラルがひっくり返っていた。
その近くに体長2cm程もあるカニが…さっそくライブロック(たまたま小型のものの穴の中に入っていた)ごととりだして2匹を除去した。
この水槽の中に一体何匹のカニが居るのか。
シャコと言いカニと言い、困ったものである。
夜間のpHは8.15と少々高め、リアクタ作動を昼間だけにした為だろう。
KHの方は若干降下して8だった。
何とわかりやすい反応。
夜間は止めるにしても、炭酸ガス供給時間を少し長めにセットしなおそうかな。
珪酸は0.25mg/l以下、ゼロに近い感じである。
大きい方のロリペスの色が変わってきた。
元々は全体が深緑だったのだが、ベースの色は薄くなり先の方はピンクっぽい紫になってきている。
照明のより強く当たる所に置いた小型ロリペスは変化無し。
なので、これはスーパークールの光の当たる水槽中段に移動した。
デルフィスのページに、日本電池の販売しているCQD-250Bとデルフィスのアストロビーム(CQD-250BS)は異なると書いてあった。
わざわざそう書くという事は、本当は同じなのではないかとへその曲がった事を思いデータを調べてみる。
スペクトル図を見ると、デルフィスの方が多少色温度の低い部分(黄色〜赤)のパワーが大きいように見えるが、余り違いは感じられない。
全光束はデルフィスの4500lmに対して日本電池は5000lmと少し違う。
日本電池製の寿命が6,000時間と長いのも違う点か。
ちなみに日本電池製CQD-250Bの価格は\37,700だが、おそらく実売価格はその半額以下ではないのだろうか。
だとすればコーラルグロゥとの価格差は余り無くなる。
岩崎電気製のブルーメタハラもスペクトルは似たようなものだが、こちらは3,000時間の寿命となっている。
球の価格は1万円程度。
ただし両口金型ではないしイグナイタ内蔵なので、そのまま使う事は出来ない。
ちなみにCQD-250Bには400Wタイプもあるが、口金寸法が違うのでアストロビームライトにこれを入れようとすると改造が必須になる。
400WのCQD-250Bの定価は40,400円だ。
マガキガイはなかなか強力である。
ミズタマハゼやオトメハゼのようにデトリタスの高速除去は出来ないが、砂に穴を掘る事もなく、でも2cmもあろうかというチューブで砂の中の方まで掃除してくれている。
現在水槽には20個のマガキガイが入れてあるのだが、水槽の奥の方でハゼを入れたとしても底砂は汚れたままだった辺りも綺麗に掃除してくれている。
貝だから動きはのろいのだが、そのパワーは侮れないものがあるのだ。
■ '04/3/26
ここの所のサンゴの成長は目を見張るものがある。
先が折れたり接触事故などで白化し、そこにコケが付いたような状態になっていた枝も、そのコケを覆うように共肉が盛り上がって来て居る。
おそらく水の状態も光の状態もサンゴにとって良いからなのだろうが、私自身ストロンチウム濃度がサンゴの成長に意外に関係しているのではないかと思っている。
従来はカルシウム濃度にばかり目がいった感のあるサンゴ飼育だが、サンゴの骨格の中に比較的多く含まれるというストロンチウムだって重要なはずだ。
夕方、照明消灯後2時間程度経った時に測定したpHは8.2だった。
ちょっとpHが高めかな。
またKHが下がり気味かな。
給餌が必須と言われているトゲトサカなのだが、2週間経った今でも無給餌で元気にしている。
買った当時に調べてみたら、週に2回程度は液体餌を与えないとボロボロと崩れてしまうような事が書いてあった。
小さな個体の方は幾分元気がないようにも見えるのだが、大型の方は買った当時と変わらず元気である。
ソフトも無給餌で育ってくれれば手間無しで良いのだが。
魚たちには相変わらず餌は与えていない。
それでもキイロハギは痩せてはいないし、コバルトスズメも元気にしている。
マンダリンだって(コイツは餌をやっても食わないと思うが)ずいぶん大きくなってきた。
pHセンサを交換した。
これはもう3年以上使っているだろうか、校正しようとしたらセンサのゲインが下がっている旨のワーニングが出たのだ。
KClを交換したりセンサを掃除して幾分は回復したが、そろそろ寿命と判断して交換した。
温度センサ無しの、つまり、ホビー用pHメータに使っているようなもの(精度は工業用だが)で1.5万円程度、温度センサ付きのもので1.8万円ほどだ。
今回は温度センサ無しのものを購入し、温度センサはこれまで使っていたセンサに内蔵されているものをそのまま使用してみた。