熱帯魚を飼う(30)
■ '99/09/13
水草水槽に入れたイシマキ貝は死にやすい。
どうやら低pHと低硬度が気に入らないようである。
何故なら60cm水槽のイシマキ貝は全然死なない。
60cm水槽は珊瑚石を濾過材に使用し、pHは7.5
以上を維持しているし硬度も高いのだ。
硬度が気に入らないのかpHが気に入らないのか分からないが、トニナsp.とオランダプラントを育てるためには、その両方が低くなくてはいけない。
だったら貝をやめるかという話になるが、コイツはアヌビアス・ナナの葉に付いた緑のコケも黒髭も食ってくれる。
そうそう、アヌビアス・ナナは低pH低硬度の90cm水槽でもちゃんと育っている。
貝以外のコケ食い生物としては、オトシンクルスやサイアミーズフライングフォックスやビーシュリンプ(コイツはコケを殆ど食わないと思う)が入っているのだが、コイツらは元気である。
フライングフォックスは増えすぎ傾向にあるウイローモスを食っている。
食われたウイローモスは、フサフサが無くなって細い茎だけが残る感じ。
魚系は強固に付着した緑のコケや、キスゴムの水垢は食ってくれない。
だがイシマキ貝はこれも食ってくれる。
だからイシマキ貝は必要なのだが、寿命が短いのはちょいと可哀想だ。
コケだろうと水草だろうと、何でも食ってしまうアップルスネールなんて貝もあるが、コイツは淡水水槽で繁殖するらしい。
ちなみにイシマキ貝は汽水域でないと(淡水でも卵は産むが)増えない。
アップルスネールは大型のカタツムリみたいな格好だが、水草が食害に合うという話なのでウチの水槽には入れたことがない。
何しろトニナsp.の新芽はヤマトヌマエビにも丸坊主にされるとかで、ヤマトヌマエビも60cm水槽にお引っ越しいただいた位なのだ。
■ '99/09/15
熱帯魚屋に行ったらTDS(導電率)計を安売りしていたので購入した。
マーフィードのそれに校正液が付いて\3,800なら買っても良い値段だろう。
ちなみにそのショップでの通常価格は7千円近い。
(他の店でも5千円くらい)導電率計は、早い話が抵抗計だ。
だからテスターを校正しても使える。
電気に疎い人なら導電率計はすごいモンだと思うのかも知れないが、メータ(電流計)と電池だけで構成できるわけだから、沢山のお金を払うのをためらってしまう。
さて導電率測定の結果だが、以下のようになった。
前回の水交換は先週の金曜日である。
つまり水交換後5日が経過しているわけだ。
90cm水槽水交換前 :140μS90cm水槽水交換後 : 90μS液肥 6cc添加後 :100μS液肥添加4時間後 : 90μS液肥添加17時間後: 90μSちなみにGH=KH=0でpHは5.7である。
交換に使った水はイオン交換樹脂を通しているが、循環処理しているわけではないので、導電率は80μSである。
液肥添加後時間と共に導電率が低下しているのは、液肥分が水草に吸収されたと考えられるかも知れない。
残念ながらこの導電率計は10μS単位でしか測定が出来ないため、90μSと100μSは1ディジットしか離れていない。
従ってデータ的には不十分ではある。
ちなみに90μSと100μSを抵抗値で表すと、11KΩと10KΩになる。
ディジタルテスタの抵抗レンジを使用すれば、少なくとも後2桁は精度が上がる。
液肥以外にも導電率を上昇させる要因はあるわけで、その為換水後の導電率が下がるのである。
液肥にしても3大養分のどれが吸収されてどれが残っているのかを知る方法はTDSメータでは出来ない。
どれかが残っていれば導電率は上がるわけだから。
60cm水槽水交換前:430μS60cm水槽水交換後:330μS液肥 2cc添加後 :330μS60cm水槽はイオン交換水を使っていないので、水道水(浄水器通過後)の導電率は140μSだ。
ちなみに両水槽とも換水は約1/2とした結果である。
水中のリン酸濃度などを個別に測るには、特定のイオンのみを測定できる計器が必要だ。
もちろんこの手の計器もお金さえ出せば(十数万円か?)手に入れることが出来る。
TDSで解るのは、水中に溶けている全イオンの相対濃度に過ぎない。
(塩水なら導電率は上がる)
写真では解りにくいが、グロッソは着実に増えている。
無ければないで寂しいし、底砂一面に広がるとうっとうしい気がする。
オランダプラントは底床リセット後すでにトリミングを行った。
トニナsp.もそろそろ切らなくてはいけない感じ。
(反射で見にくい)水槽右側の手前に植えたのはミクロソリウム・ウインドロブだ。
この手は大型化しすぎるのがイヤなのだが、コイツも大きくなるのだろうか。
なお普通のミクロソリウムも流木(現在はアヌビアス・ナナ活着)に植えてみた。
■ '99/09/16
底床を支配しようと急激な増加を見せるグロッソを少し間引いた。
トニナsp.もカットした。
ウイローモスもだいぶ剥がしたが、ここはエビの住みかになっているのでヘタにウイローモスをむしり取るとビーシュリンプ(クリスタルレッド)がくっついてくる。
アヌビアス・ナナもだいぶカットした。
生長が遅いのでメンテナンスは楽だが、それでも1年で5倍には増えるだろう。
(笑)水交換前の導電率は90cm水槽が100μSで、60cm水槽が390μS。
水交換後はそれぞれ90μSと280μSに落ちた。
導電率から見れば60cm水槽の水の汚れが速いことが分かる。
60cm水槽は水草白化防止で、底床にはテトラクリプトを埋めてフロラシオンプロを2〜3日に2cc程入れていたのだが、白化は止まって水草は急成長。
水草が養分を吸ってくれているためか、ガラス面にもコケは出ない。
その60cm水槽でレッドテールブラックシャークに一日中追い回されていたサイアミーズフライングフォックスを90cm水槽に避難させた。
追い回されても追いつかれることは無いのだが、何となく(追い回されている姿が)可哀想になったから。