熱帯魚を飼う(4)
60cm水槽15日目からの様子
■ 15日目の様子(40cm水槽3日目)
60cm水槽はすっかり安定し、13日目の水換えの影響もなくアンモニア濃度=0亜硝酸濃度<0.1mg/
溶存酸素量=8mg/l,pH=6.9だった。
40cm水槽の方はアンモニア濃度,亜硝酸濃度共に60cm水槽よりは高い(60cm水槽の試薬の色と見比べると少し違う程度)が、気にするほどのことではない。
溶存酸素量は8mg/lで、pHは7.2だった。
やはり吸着濾過は有効なのだろうか?なお40cm水槽の水は日毎に澄んでくる感じだ。
pHが高めな原因として、水道水のpHの高さがある。
これがpH=7.5であり、Phメータを校正して確認したほどだ。
さて炭酸ガス濃度だが、40cm水槽の方は6mg/lで炭酸ガス注入をしていないからそんなものだろう。
問題は60cm水槽の方だ。
試薬で見る限り30mg/lを超えている。
通常は5〜15mg/lらしいので、その2倍以上と言うことになる。
だからと言ってエビがひっくり返っているわけでもないし、魚の様子がヘンって訳でもない。
試しに炭酸ガス濃度をゆっくり上げながら50mg/lまで増やしてみたが、エビの様子に変化はない。
一方で15mg/l程度まで減らすと、炭酸同化作用による酸素の気泡がほとんど見られなくなる。
他のサイトを見て回ると17mg/l〜20mg/lの水槽が多い。
ちなみに夜間はエアレーションしているので爆気されているはずなのだが、朝方の濃度測定でも10m
/lほどの炭酸ガス濃度だ。
炭酸ガス濃度はpHとKHからの計算でも求められるようだが、炭酸ガス溶解度試薬で30mg/lと出た状態をこれで求めると20mg/l程になる。
炭酸ガスの入れ具合はジャレコの拡散器の泡の数で数えて、毎秒1泡弱という感じ(30mg/l超の時)だ。
明日からは2秒/1泡まで減らして様子を見ることにする。
(これで20mg/l付近になるはず)本によっては「40mg/l以下なら良い」としてあるものもあるので、結局の所は水草と魚の具合を見ながら増減することになりそうだ。
水槽を維持していく上で掃除も必要だが、適度な水流があればゴミはパワーフィルタに吸い込まれる。
以前にも書いたとおり、60cm水槽のゴミ集積地はウイローモスの上だ。
枯れたウイローモスの葉や細かなゴミがここに溜まる。
ゴミは非常に細かいために水交換時のサイホンでも吸いきれずに散乱する。
これはもう仕方ないので、散乱したゴミが再び特定の(水流の少ない)場所に溜まらないように、スポイトで水をかき回してパワーフィルタに吸い込ませるという手法を採る。
40cm水槽の方はまだ余りゴミが溜まっていないが、フィルタ流量が少ないのでうまく掃除が出来るかどうか..沢山の根を張った水草水槽の大掃除って大変だろうな,なんて今から心配してしまう。
■ 16日目の様子(40cm水槽4日目)
40cm水槽の亜硝酸濃度が上昇した。
濃度は約0.2mg/lで危険レベルではない。
アンモニア濃度はゼロだ。
このまま60cm水槽の時と同様に上昇するのか,或いは吸着濾過が功を奏してさほど上昇しないのか?ちなみに「液体バクテリアの元」は60cm水槽で余ったものを入れてある。
が、それも昨日までの分で無くなってしまった。
粉末タイプは濾過層に粉が残るので入れていない。
水草の肥料についてだが、液体ものは即効性があると見えて何日か入れ続けると水草が元気になりコケが増える。
液体肥料に「60リットルの水に対して30cc」と書いてあったら、10滴くらいにした方が良い。
なお砂に埋めるタイプは即効性は無いようで、これを入れたからと言ってすぐにコケが増えるようなことはない。
(量にもよるとは思うけど)埋めるときには出来るだけ深いところに。
さもなくばクーリーローチが砂を掘り返して、固形肥料にまみれる姿を見ることになる。
液体肥料の量に自信のない向きは、水換え予定日の2〜3日前に添加してみたらどうだろう?これでコケの大発生がおきたら水換え量を多くすれば助かる。
一般に液体肥料は毎日添加するらしいが、私は週に1〜2回にしている。
余り餌(肥料)をやらない方が、肥料を添加したときの吸収率が良いという話。
水槽が安定してきて手が放れると、次に水換えの自動化を行いたくなる(のは私だけか?)水位センサと電磁バルブ(洗濯機用が安い)を使えば難しいことはない。
難しいのは水槽の置いてある場所までの給排水管をどうするかだ。
水温調整の点もあるが、最初に10リットルくらい抜いてそれを5時間くらいで補給すればヒータのパワーで(冬でも)大丈夫かも。
逆に夏は水温上昇を抑えられるって訳だ。
■ 17日目の様子(40cm水槽5日目)
40cm水槽の水質は予想通り悪化した。
水の容量が少ない為もあってか、60cm水槽より急激に亜硝酸濃度は上昇し、0.5mg/lの危険レベルに達している。
そこで1/2の水換えとするが、そのうちの2/3を60cm水槽の水とした。
残り1/3は浄水器を通した水道水だ。
60cm水槽の水を移すときには、一応40cm水槽のフィルタの吸水側で行い、細かなゴミが入らないようにした。
亜硝酸濃度の上昇を見る限り、これらの物質が吸着濾過で無くなることはないと言うことだ。
カートリッジ濾過材の一括交換で激減するはずのバクテリア,底砂や水の中のバクテリアですぐに再生されるのか興味あるところだ。
明日も亜硝酸濃度が上がるようなら換水を水道水で行うことにしよう。
40cm水槽に水を移した関係で60cm水槽は1/4の水が減った。
ついでに加えて1/4の水を抜き、都合1/2の水交換を行った。
60cm水槽の炭酸ガス濃度だが、ジャレコのパレングラスのカウンタで4泡/10秒を維持し20mg/lである。
アヌビアス・ナナからは気泡が見られるが、リシアの気泡はだいぶ減ってしまった。
ここ何日かはエビも死んでいない。
かなり小型(1cm位かな)のヤツも生き残っている。
目視?で8匹ほど数えたが、コイツらは流木や水草の陰に隠れるのが得意だからもう少し居るかも。
ちなみにエビは全部で20匹入れ、何匹かの死亡は確認している..その他グーラミィやネオンテトラ,コケをキレイに食べてくれるオトシンクルスも元気だ。
もちろん最古参?の輸入グッピーも元気に泳ぎ回っている。
花コリやローチも専用の餌を取り合うように食べるほどの食欲だし、水草も生長が遅いアヌビアス・ナナからも新芽が出てきている。
グロッソスティグマも着実に増え始めている。
トリミングを要するほどに増えたら40cm水槽に分けたいものだ。
この時期になると柔らかめの茶色いコケは余り発生しない。
このコケはオトシンクルスの大好物なので、もしかすると奴等は腹を減らしているかも。
固い緑のコケは余り食べてはくれないが、それでも全然食べないわけではない。
試しに皮をむいたキュウリを入れておいたら、2匹ほどのオトシンクルスが張り付いて食べていた。
イシマキ貝も活躍中で、給排水パイプやヒータのコードなどに張り付いてコケを食べている。
貝はもっとノロマだと思っていたが、意外に水槽内をあちこち動き回っている。
60cm水槽には3匹の貝が入れてあるが、動きが面白いのでもっと増やしたくなった。
■ 18日目の様子(40cm水槽6日目)
40cm水槽の亜硝酸濃度は、朝の測定で0.25mg/lだった。
7時間ほど経過した後にもう一度測定すると0.5mg/lにまで上昇している。
ここで1/2の換水を行う。
と共に、ちょっと実験してみた。
吸着濾過がメインだと思われる、カートリッジフィルタを取り替えてみたのだ。
この濾過器のフィルタはそっくり交換するタイプだから、そこに繁殖したバクテリアも捨ててしまうことになる。
残るは底砂や水の中にいるバクテリアだけだ。
そして(たぶん)そのバクテリアが激減した状態を補うのが吸着濾過ではないかと考えたわけだ。
亜硝酸濃度の急上昇があったから、もしかしたらバクテリアがうまく増えてきたのかも知れない。
が、あえてこの時期に実験を行ったというわけだ。
なお本日から24時間エアレーションすることにした。
濾過材交換で初日〜6日目までの亜硝酸濃度変化を繰り返すようなら、濾過材そっくり交換は×となるし、来週中までに亜硝酸濃度が下がれば○である。
60cm水槽,40cm水槽共に水を換えるとpH値が上がる。
水道水のpH値がここのところ7.5前後なのが理由だが、これが6.8辺りに落ち着くには2〜3日かかる。
水道水のpHを調整して換水する手もあるが、もっと手軽に,って訳でpH調整&維持剤(石みたいな固まり)を入れてみた。
能書きによると6.5辺りで安定するらしい。
ちなみに本日のpH値は40cm水槽が7.4で60cm水槽が7.2だった。
両方の水槽に1個ずつ入れたが、60cm水槽には2個入れるのが標準らしいので効き目が足りないかも。
水草は非常に多くの種類があり、その改良型などを含めると何がなんだか分からない。
価格にしても1株で千円のものもあれば百円のものもある。
事前に欲しい水草を調べてショップに行ってもその水草があるとは限らないし、逆にショップで見つけて気に入ったものを購入して名前を調べても良くわからない,なんて事もある。
ショップには大抵炭酸ガス必要量や光量,成長速度などが明記されているので、買ってきてから苦労することは少ないと思う。
水草は地上で育てられたものも多いので、これらは水中に入れると一旦葉が落ちる事がある。
ショップによっては水中葉の有無に関しても明記してある所もあるので、これを参考にしたい。
■ 19日目の様子(40cm水槽7日目)
60cm水槽の方は特に変わりなし。
ゴミ掃除のため1/4換水。
40cm水槽の方はフィルタパック交換で予想外の変化が!,と言っても亜硝酸濃度が激減したわけではなくて、水がキレイになったのだ。
亜硝酸濃度は0.25mg/lだった。
水槽立ち上げ初期は色々なゴミなどが水に混ざっているし、今回は60cm水槽の水を入れたからフィルタの(正確には活性炭の,かな)キャパシティを使い切ってしまったのだろうか?確かに外したフィルタパックは汚れてはいるが、目詰まりしている感じはしない。
が、活性炭の様子までは不明。
なんか活性炭濾過のパワーを見せつけられたって感じだ。
pH安定剤を入れておいたわけだが、昨日とpH値は変わっていない。
う〜ん,やはりpH調整剤を入れなければいけないのかな?水がアルカリ性に傾くとアンモニアは(イオン化されなくなって)毒性を増す。
ちなみに40cm水槽のアンモニア濃度はほぼゼロだけど。
これはニトロソモナス系バクテリアが(フィルタパック交換にも関わらず)生き続けている問うことだろう。
バクテリア繁殖を考えると水温は高い方が良いそうだ。
30℃あたりがバクテリアにとっては適温らしいが、魚や水草にはちょっと暑過ぎって感じ。
病気予防(魚に付く病原バクテリアやカビは28℃以上では生きられないらしい)の為には高温でも良いかもしれないので、27℃辺りまでは上げても良いかも知れない。
現在60cm/40cm水槽とも水温は25℃である。
■ 20日目の様子(40cm水槽8日目)
60cm水槽は特に変わりなし。
pHが7.2と依然高いのでpH降下剤投入。
パワーフィルタの物理濾過材(シート状のヤツ)を交換した。
これに伴う作業で換水は約1/3弱だった。
40cm水槽の亜硝酸濃度は0.15mg/lに減少した。
従って今日は水交換を行っていない。
フィルタパックの交換で失われるバクテリアの量は少ないと言うことだろうか?もしかするとフィルタパックで繁殖しているバクテリアより底砂で繁殖している方が多いのかも。
気休め?にスポンジフィルタ(エアリフトのヤツ)を取り付けたが、これは音がうるさいね。
40cm水槽のpHも7.4と高いので、60cm水槽同様pH降下剤を入れる。
なお水道水のpHが7.6まで上がっていた。
60cm水槽の様子,先週と余り変わっていない。
40cm水槽の様子,中を少しだけ整理したが、まだジャングル状態..
ここで蛍光灯による見栄えの違いをご覧頂こう。
これが後方2灯のPG3を点灯させた状態。
デジカメなので過度のコントラストが付いているが、肉眼では前方の方もハッキリ見える。
下はPG3×2の状態だ。
木化石の右の葉の色を覚えていただきたい。
デジカメの絵でもかなり緑が濃くなっている。
露出がアンダーで分かりにくいが、ネオンテトラの色はキレイには見えない。
これはPG2と12000Kの2灯点灯だ。
木化石横の葉は白っぽくなっているのが分かるだろうか?逆にネオンテトラの発色は美しい。
これが同時点灯の時だ。
後ろ側は緑が十分発色し、手前にいる魚もキレイに見える。
ちなみに水の濁りが良くわかるのはPG2の方である。
PG2とPG3は混ぜて使うと言うよりは、魚の集まりやすい場所にPG2を、水草の茂る場所をPG3で照らすと言う感じだ。
蛍光灯の違いによる見え方はデジカメ画像以上に差が大きい。
水槽用蛍光灯は値段が高いのでしょっちゅう交換するわけには行かないだろうが、グロー点灯で1〜1.5年,インバータ点灯で2年くらいの寿命なので、買い換え時には色々試すのも面白いと思う。
ま、熱帯魚屋に言わせると「3〜4ヶ月で交換」って事になるが、これはガソリンスタンドでオイル交換を3千キロごとに勧めるのと同じだと思えばいい。
ちなみにメーカ指定のエンジンオイル交換サイクルは5千〜1万5千キロごとである。
■ 21日目の様子(40cm水槽9日目)
40cm水槽の亜硝酸濃度は0.15mg/lで変化無し。
ただしpHが7.7に上昇したので1/2の水換えを行った。
今日の水道水のpHは7.6と高い。
従ってあらかじめpH調整剤で7.0まで下げておいて、この水を使うことにする。
その後も水槽のpH値を徐々に降下させて6.8に調整した。
先日のフィルタパック交換後は澄んでいた水だが、若干濁ってきた。
たぶんフィルタパックを交換すればキレイになるとは思うが、そんなに交換ばかりしていてはランニングコストが跳ね上がるので却下。
水槽が小さいので餌をやりすぎるとすぐに水が汚れる。
底砂に落ちた餌はコリドラスが片づけてくれるが、細かくなった餌などが浮遊する。
大型水槽に強力フィルタの組み合わせは水質維持が比較的楽だが、小型水槽にコンパクトな濾過器では難しいというわけだ。
だが、小型水槽と目立たない濾過器には大げさになりすぎないと言う見た目のメリットもある。
60cm水槽から始めた人たちが一方では大型水槽に向かい、一方では本棚に入るくらいの超小型水槽にチャレンジする気持ちも分かるような気がする。