熱帯魚を飼う(40)
■ '99/11/21
60cm水槽を海水化した。
珊瑚砂を入れて人工海水を溶かす。
水はイオン交換水をを使用した。
人工海水を溶かす前のpH=8,TDS=20μSだった。
比重を見ながら人工海水を溶かして行くが、これが意外に沢山の量を溶かす必要がある。
溶けずに珊瑚砂に溜まるものもあるので砂ごとかき混ぜる。
珊瑚砂は安くてよろしい。
何せ60cm水槽に厚さ4cmほど敷いても\1,980の砂が半分近くも余っている。
濾過材も2222一段目はEHEIM推奨の組み合わせで、二段目の2222は珊瑚石とした。
一段目のエーハイメックとエーハイサブストラットは淡水水槽の時のまま洗浄もしていない。
淡水と海水ではバクテリアが違う(大まかな分類ではニトロソモナスとニトロバクターで一緒だが、これは犬と猫程度の分類か。
)だろうが、全くの新品よりは多少はマシなのではないかと期待している。
照明は20Wの蛍光管2本だが、これはメタハラにでもする予定だ。
と言うのも引っ越し後は90cm水槽になるので今更照明器具を買うのも無駄だし、今まで使っていた(インバータ改造した)ものは海水水槽で使うにはチョッと不安。
一応ガラス蓋をして後方の蓋は水槽本体にステンレステープで留めたが、前方の蓋は止めてしまうわけには行かない。
とすると塩分がかなり付着するのではないかと思っているのだ。
夜になって比重計を見ると1.0225位に上がっていた。
明日になって1.023を超えるようなら水を足す事にしよう。
この時期は蒸発分もあるので足し水が面倒だ。
明日はライブロックが到着する予定。
■ '99/11/22
ライブロックが到着した。
石垣島のCPFから空港止めで送ってもらった。
これだと10
30に石垣島を出て15
30には受け取ることが出来る。
気温の低い今の時期なら腐敗の心配は少ないが、トラック便で自宅まで配送して貰うと翌日になってしまう。
不思議なことにトラック便で自宅配送より空港止めの方が運賃は高いが、ここは新鮮なものをと言うことで我慢することにした。
近所の熱帯魚店数件を回ってみたがライブロックとは名ばかりのデッドロック?みたいな珊瑚岩が随分な値段で売られていた。
多孔質のライブロックは軽石のような柔らかい感じだが、熱帯魚店で見たそれは岩というか石そのものだった。
そこでインターネットで検索してみるとCPFのライブロックは絶品であるという情報が多い。
値段にしても近所の熱帯魚店で買うより安いくらいである。
ただし送料が(特に空港止めで買うと)高いのが難点だが。
CPFから送られてきたライブロックは段ボール箱、発泡スチロールの箱、エアキャップといく重にも重ねられている。
最初は箱が巨大なのですごく重いもの(近所の熱帯魚店で見た岩が頭にあったから)と思ったが、これがすごく軽くて驚く。
梱包を解いてみると磯の香りが漂う。
これも熱帯魚店の岩では味わえないものだ。
心配した腐敗も一切無く、安心して水槽に入れることが出来た。
ちなみに購入したのはLサイズ3個とSサイズ5個である。
60cm水槽には多すぎる分量だが、これで様子を見ることにする。
ライブロックはキュアリング済みのものもCPFから取ることが出来る。
が、今の季節であれば腐敗の心配はほとんど無いだろうから、キュアリング無しのものの方が良いと思う。
とにかく沢山の生物が付着しているという点ではキュアリング無しの方が上だ。
もっとも水槽内で生きていけない生物はやがて腐敗することは避けられないが、多少のリスクを考えても生物付着量の多いものの方が良いはず。
ライブロックからどんな生物が出てくるのか楽しみである。
新規にライブロックを入れた水槽を立ち上げるにはプロテインスキマなどをフル回転させて水質の悪化を防ぐのが定石らしい。
が、プロテインスキマ(FF)は持っていない。
ペットボトルで自作しても良いのだが、アンモニア濃度が上がってきたら換水で凌ごうか。
安売りで買ってきた人工海水も用意できている。
もう一つ、メタハラを購入した。
岡村のスーパークール115と言うものだが、横浜のショップで個数限定の安売りをしていたので手に入れた。
蛍光灯での照明とは違った自然感というか、水面の波が底砂に映る様子は美しい。
メタハラは150Wだが、90cm水槽の蛍光灯(32W×5)よりビームが狭い分明るく見えるし、蛍光管より色温度が高い(青いと言うことではなく、より白い感じ)ので見た目の美しさは上だ。
90cm水槽もメタハラ照明に変えたくなったのは言うまでもない。
ただしこのランプはメタハラの中では明るい方らしい。
60cm水槽ならこれで良さそうだが、90cm水槽となると(照光範囲の関係で)補助の蛍光灯かメタハラがもう一台必要な感じもする。
蛍光灯が全体で発光するのに対してメタハラは点光源だからである。
スーパークールはメタハラの電球本体を紫外線カットガラスで出来た着色ガラスに納めた二重構造である。
メタハラは内部ガスによって様々なスペクトルのものが作れるが、ほぼ白色(に見えるような)スペクトルで点灯させてフィルタリングによって色温度を変えた方が効率が良いそうだ。
この電球は色温度によって5色があるが、いずれも内部のメタハラ本体は同一らしい。
色温度変換には前方のガラス着色と反射鏡(ダイクロイックミラー)の反射率を変える。
なお赤外域は反射鏡を通過して電球後ろ側に放出させる設計で、これがスーパークールの名となっているのか。
白色光源のためメタハラにしてはスペクトルが尖っていない。
これがミドリイシの成長に寄与するとは販売店の話。
点灯用インバータは点灯時のイグニッションパルス(3KV程)を発生させる。
重量はさほどではないが寸法は余り小さいとは言えない。
動作中は若干ノイズ(可聴域)を発するがエアポンプよりは静かだ。
ランプはクリップで取り付け可能なサイズで、この点でも扱いやすいと言える。
本格的にやるなら天井からつり下げてタケダ辺りの角形を、って感じだが、手軽さという面ではスーパークールだろう。
夜になってpHを測定したら7.3迄下がっていた。
90cm水槽の方はpHが6.8迄上がっていて、実は前回の水交換後にpHを測っていなかったのである。
この数値だとトニナには厳しいだろう。
そこで木酢液で下げようと思ったら木酢液が余り残っていなかった。
こうなればカチオン樹脂で鉱酸を出すしかない。
1/4程の水をこれで換えてpHを5.9迄下げた。
全く乱暴な話である。
かといってアクアソイルを使うと底砂が泥だらけになるし、溜め水水槽でも用意すればいいのだがそれも大がかりな話だ。
ライブロックだけ入れた。
比重計は(本来は)水槽の外に出して測るものです。
メタハラ、左側フィルタの上はインバータである。
日中に撮しているが、周りが暗く写っているのはメタハラがすごく明るいため。
■ '99/11/23
朝方比重を測ってみると比重計の針が振りきっている。
げっ、何だこりゃ!比重計をポンポン叩いても針は下がってこない。
が、水を入れれば針は下がる。
何で比重が上がったのか?良くわからないがゆっくり水を換えながら比重を下げた。
それにしても20リットル以上真水を入れるなんて尋常じゃない。
まったく何て事だ、と思って比重計を見たら今度は針が下がりきっている。
比重計は温度に敏感なのか?とにかく今度は塩を入れて、1時間後にやっと1.022に合わせた。
これはたぶん比重計のエラーだろう。
真水を入れた分くらいの人工海水を溶かしたのだから。
ライブロックからは無脊椎(ケヤリムシ?)が顔を出していた。
あれっ?っと思ったら引っ込んだ。
で、しばらく観察していたら再び顔を出した。
午後から熱帯魚屋に行ってみると無脊椎の安売り中。
水槽の中のものが\1,980と\3,000である。
この中から見栄えの良さそうな(名前や性質を勉強していかなかったのが悔やまれる)ものを合計4個購入した。
魚はもう少し安定してから入れたかったが、イソギンチャクとカクレクマノミ3匹のセットも\1,980で残り1個だったので出来るだけ小さなクマノミを選んで購入した。
今朝測ったらアンモニアは検出されなかったが、果たして魚を入れて大丈夫だろうか。
90cm水槽の方には、だいぶ減ってしまったイシマキ貝を30個追加した。
熱帯魚屋ではライブロックの特売もやっていて、1Kgで\680だった。
そこに人が群がってライブロックの品定めをし、石灰藻など殆ど付いていないような珊瑚岩みたいなヤツを買っていた。
ちなみにCPFから購入した程度の品質のものは1.8万円の値段である。
これなら送料を払ってもCPFから購入した方が良い。
水槽に入れた無脊椎、光が当たっている状態では徐々に開き始めている。
茶色のクラゲみたいなヤツは熱帯魚屋の水槽にあったのと同じくらいの大きさまで開いた。
緑とグレーの球のような先のヤツは半開と言うところ。
イソギンチャクはライブロックの上でゆらゆら動き、他の2つは余り開いていない。
■ '99/11/24
家に帰ってきて60cm水槽を覗くと珊瑚類が閉じている。
確か昨日は消灯後も少し開いた状態に見えたのに。
比重を測ってみると1.021と若干低い。
そこでこれを調整することにした。
イオン交換水で人工海水を溶いて徐々に足していく。
と、1.023を少し超えてしまった。
ので、真水を足して1.022程度に合わせた。
しばらくして珊瑚を見ると少し開いている。
イソギンチャクも活動している。
無脊椎とはこんなに比重に敏感なのだろうか?ちなみにpH7.6で相変わらず低め、アンモニアと亜硝酸は検出されなかった。
90cm水槽のpHは5.9まで下がっている。
pH管理はフィルタ内にアクアソイルを入れておけば簡単なのだが、その代わり底砂が泥だらけになる。
ポリタンクでも改造して泥が巻き上げられない仕組みのアクアソイル入れを作りたい感じだ。
海水の交換用としてはポリタンク内で人工海水をイオン交換水で溶いて、それを風呂水ポンプで汲み上げる仕組みが楽そうである。
ポリタンク内をエアレーションして一日おいておけば人工海水も溶けるだろう。
ついでにヒータも入れて保温しておくか。
■ '99/11/25
イソギンチャクも昨日より元気な感じで、カクレクマノミ1匹が取り付いている。
残りの二匹が入れるほど大きくないので、もう少しイソギンを増やしたい感じ。
魚の餌は淡水魚用のものを極少量与えている。
底砂掃除屋が居ないのと与えすぎはリン酸を増やす結果になるので控えているのだ。
今のところコケは発生していないが、聞くところによると水槽立ち上げ後1週間もするとコケが出てくるのだとか。
エビとか貝を入れれば良いのかな。
今日は水質測定を行っていない。
そろそろ亜硝酸濃度が上がり始めても良い頃である。
或いはライブロックや淡水水槽で使っていたそのままの濾材が濾過を助けているのか。
だとすると硝酸塩濃度が上がってくるはずだ。
ウチには試験紙タイプのものしか無く、分解能が低い。
週末にでも硝酸塩とリン酸とカルシウム濃度測定位は出来るようにしないと。
水槽内の水流だが、パワーフィルタの排水はシャワーパイプを付けずに水面から数cmの所を水槽の長手方向に向けて排出している。
2222は2個直列で2つのモータとも使用しているので、そこそこ強力な水流が得られている。
もう一つ、小さなパワーヘッドは水槽奥から手前方向に向けて水槽の深い位置に固定している。
これの排水量は多くはないが底砂近くでも適度な水流が得られている。
ちなみにパワーヘッドは2つある照明用タイマで、メタハラとは時間をずらして駆動する。
夜間は水流が弱くなる仕掛けである。
60cm水槽ならこの程度でも良いのだろうが、90cm水槽だと水流を作るためにもう一つくらいパワーヘッドが必要になるのかも知れない。
それと共にタイマなどでパワーヘッドを制御して水流を変えたりする必要があるのかも。
モナコシステムでは底床中で脱窒を行うらしい。
その為に底砂を厚く敷くが嫌気域で腐敗バクテリアが増殖するのを防ぐために底床下部には通水域を設けるそうだ。
これなど水草水槽で行う底床ヒータが有用なのではないだろうか?水草水槽では水草の根から出る酸素が底床の腐敗を防ぐ効果があるが、海藻の無い海水水槽では低床が腐敗し易いという。
実は底床の珊瑚砂を比較的厚めに敷いているので、この点が心配である。
■ '99/11/26
海水水槽のpHが上がらない。
水草水槽の方はpHが下がらない。
困ったものである。
で90cm水槽の方は再びアクアソイルを入れることにした。
底砂が泥だらけになるのはこの際我慢しよう。
2426内にアクアソイルを入れ、約1/2の換水をした。
最近90cm水槽の水が茶色っぽい。
と言っても濁っているわけではなくてピートを入れたときのような感じなのだ。
フィルタに水草のカスが沢山溜まっているのだろうか?60cm水槽の方はpHが上がらないので明日にでも少し換水してみようかと思っている。
ちなみにアンモニア濃度も亜硝酸濃度も硝酸塩濃度もリン酸濃度も試薬の測定限界以下である。
これはライブロックによる生物濾過が働いていると言うことか。
それとも魚が少なすぎてアンモニア排出量が絶対的に少ないのか。
ちょっと不思議である。
pH値が不審なのでpHメータを校正してみることにした。
所が校正液を入れてキャリブレーションするとエラーになる。
コイツはNISSOのTwinPHとか言うヤツで堀場製作所のOEM品だ。
ガラス電極のもので安定性は良いのだがセンサ部の寿命に難がある。
最初に買った物は3ヶ月ほどでセンサ異常となった。
センサは保存しておくだけでも劣化するらしいので、ショップの長期在庫品だったのかも知れない。
定価近くで売るショップだと無条件交換してくれる(NISSOのインバータライト煙吹き事件の時は、付属品もレシートもないのに交換してくれた(ヨネヤマプランテーション))のだが、これを買ったのは比較的用品の安いところ。
一応相談してみるとメーカに修理依頼をするという。
しかも修理に2ヶ月はかかると言われたのだ。
仕方ないのでもう一台購入した。
センサを買うのも本体を買うのもさほど値段が違わない。
それに2ヶ月も使えないのは困る。
修理はいつ上がったのか解らないが、ショップ(ティアラ)からは連絡が来なかった。
2ヶ月を過ぎた辺りで電話すると「センサ不良で保証対象外だそうです」のお答え。
ま、予想はしていたけどね。
修理上がり品はプラスチックケースが傷だらけになって帰ってきた。
さて2台目のpH計だが、コイツもたぶんセンサ不良だろう。
取り説には1年ほどで寿命が来ると書いてはあるが、これは使い始めて3ヶ月だ。
今回はメーカに直接文句を言ってみる予定だ。
ティアラは保証書に販売店の判を押してくれないところなのでレシートは取ってあるがどうなる事やら。
NISSOは本当に修理に2ヶ月もかかるところなのか?本件の報告は来週の日記で出来ると思う。
■ '99/11/27
NISSOのpHメータセンサを買ってきた。
仕方がない。
これで測定すると90cm水槽が6.4でギリギリ許容範囲、60cm水槽が8.1でこれもOKだ。
カクレクマノミは餌を食べないのでどんどん痩せてくる。
スポイトでアルテミアを与えてみたが食べない。
逆にイソギン1号はアサリを2つも食った。
海水水槽はどうもデジカメ写りがよろしくない。
水換えをしたら無脊椎の開きが目に見えて良くなった。
pHが回復したためだろうか?色々話を聞くと海水用の水にはRO+DIが良いという。
ROは捨て水が出るのでイヤなのだが、新居では捨て水を風呂に溜めるための配管を付けることにした。
これならROも使える。
後は溜め水用の水槽(これが最も安そうである)を床下に設置して、満タンセンサでバルブを閉じればいいだろう。
水槽への注入は水中ポンプで行えば半自動(塩を溶かすのは手作業)で出来る。
水草水槽の方もROでも良いかも知れない。
...だんだん手抜きになってくる。