熱帯魚を飼う(45)
■ '99/12/26
90cm水槽のフィルタを掃除した。
濾過材にもウールマットにも水草の枯れたカスのようなものが沢山付着していた。
で、ウールマットは再使用せずに交換、濾過材も水槽水で良く洗った。
ら、結果的に水槽水が減ったわけで、半量以上の水交換と同じ事になってしまった。
水はイオン交換水を使い、KENTのミネラル分を添加して木酢液でpHを下げた。
現時点でpH5.8である。
給排水ホースの水垢、もう何ヶ月も掃除していないので沢山付着している。
これはある程度付着すると自分で剥がれてしまうようだ。
水垢の抵抗と付着強度のバランスと言うことだろう。
だから当たり前だが水垢でホースが詰まって水が流れなくなると言うことはない。
60cm水槽の方は水がだいぶ蒸発して減っていたのでこれを足した。
注文してあったpH計も届いたのでセットする。
現在は校正液の手持ちの関係で7.0の1点で校正したが、いずれpH4.0と10.0を加えた3点で校正してみよう。
このガラス電極pH計は手持ちの堀場pH計との誤差もなく、7セグLEDの表示は見やすくてよろしい。
90cm水槽の方にも付けたくなった次第だ。
なおガラス電極の寿命は6ヶ月〜1年だそうである。
pH計の値段はガラス電極の値段のようなものなので、何とか1年くらいは保って欲しい。
60cm水槽のpHは7.8で多少低め。
そこでpH上昇剤を添加して8.1迄上げた。
しかし時間と共にpHは下がってくる。
上昇剤添加から10時間ほどでpHは7.7迄下がってしまった。
そこで今度はミネラル分補給もしてくれると言う石膏の固まりのようなヤツを入れてみた。
能書きによるとゆっくり溶けるらしいが、2〜3日で溶けて無くなる。
コイツもpH安定効果があるらしいのだが、果たして..
■ '99/12/27
60cm水槽だが、やはりpHは下降傾向にある。
昨日ほどではないのだがもう少し様子を見てみよう。
本日のpHは7.8である。
熱帯魚屋に行って水中蛍光灯を買ってきた。
巨大なガラス製試験管に蛍光管が入れられている感じのもの。
これでブルーライトを点灯させて無脊椎の蛍光色をハッキリさせようと言うわけだ。
どうせ90cm水槽に移行するのだからと、30W管を買ってきた。
当然60cm水槽には入らないから水槽の上に置いてある。
ちっとも水中蛍光灯じゃない(笑)水中蛍光灯は水温上昇を伴うので良くないのだが、水槽上面に蛍光器具を置くとメタハラ照明が遮られてしまう。
でもBB450の青い光は美しいし..話によるとブラックライトも良いらしい。
で、水中蛍光灯を選択したというわけだ。
90cm水槽で使っているアクアソイルだが、その効果がハッキリ出てこないのでストッキング詰めを改めて濾材を入れるネットに移し替えた。
泥水が沢山出た。
pHは昨日からだいぶ上昇して6.4辺りになっていた。
果たして明日は下がっているだろうか。
■ '99/12/28
90cm水槽のpHは下がり、炭酸ガス添加前で6.2になっていた。
やはりアクアソイルの通水性は重要である。
ホームセンターで塩ビ管のパーツを買ってきた。
色々組み合わせてみて以下のような構成が簡単に出来ることが解った。
クーラ(LX-110AX)と塩ビ管をホースで配管しようと考えていたが、直結してしまった方がずっと楽なので方針変更。
クーラにはネジの切ってある塩ビ管の継ぎ手(VP20用)がピタリ合う。
そのまま水槽に持っていっても良いのだが、掃除の手間を減らす為に1ランク太いVP25に変換する。
クーラの入り口側はVP20で配管し20mm-13mmの異形チーズでVP13に変更後VP13をつなぐと、VP13の内径とEHEIMパイプの外形がピッタリになる。
ここは配管距離が短いのでVP25にする必要はないだろう。
給水側はVP30を予定しているが、VP25を使って25mm-20mmの異形チーズを介しLX110AXで使わなくなったホース取り付け口にネジ止めするのがスマートのような気がする。
遮水弁には水道用のボールバルブを使えばベストだろう。
このバルブを使って2250の泥水排出コックも付けようと思っている。
2250は濾材をコンテナに乗せるタイプではないので、泥水排出コックがないとメンテナンスがやりにくい。
ちなみにより大型の2260には専用コックが付いている。
(写真左側がホース口)塩ビ管関係部品は安価なので助かる。
ホームセンターで買う値段は水道屋値段の倍はするだろうが、それでも100円程度のもの。
これが熱帯魚用品になると1桁は楽に違う。
ボールバルブも20mm用で\1,560である。
金属製なのがちょっと心配だが、EHEIMのプラスチック製タップ(バルブ)はφ16用で\2,660、φ25で\6,500である。
(塩ビパイプに直結できない)なお非金属製で塩ビ管に接続できるボールバルブも製品として存在はする。
今回は近くのホームセンターにあるパーツを組み合わせたが、もっとスマートに一発で径を変換できる部品があるかも知れない。
イオン交換樹脂の再生も行った。
今回は循環式再生回路を作っての作業だ。
と言ってもイオン交換樹脂の入った容器とバケツをポンプで接続しただけである。
最初はEHEIMの1250を使ったが流量(と言うより静圧)が足りずにダメ。
そこで風呂水汲み上げ用のポンプに変更した。
そう言えばホームセンターで泥水汲み上げようのハイパワーポンプ(250W)
が1.4万円ほどで売られていた。
もっと小型のものがあれば水槽用に使えるのに。
余談だがEHEIMの1250は消費電力が28W、風呂水ポンプは電源部の定格二次電流の表示で24Wだ。
風呂水ポンプはDCモータなので消費電力に対するモータ出力が大きいのかも知れない。
再生した樹脂をアニオン/カチオンとも容器に入れ、バケツの水を循環させてみる。
最初は再生液の影響で導電率が高いが、そのうちちゃんとゼロになる。
その後活性炭フィルタに連結して水道水を流してみると、これの導電率もゼロである。
あれ?導電率計が壊れたのかな、と思うほどピタリとゼロになった。
再生していて思ったのだが、再生液(水酸化ナトリウムと塩酸)は再使用できないのかな。
一旦使った液を容器で保存しておいたらダメなのだろうか。
これもいずれ実験してみよう。
再生液が使い回せるとイオン交換樹脂のランニングコストは更に下がる。
逆に再生使用しないとものすごいコストになってしまうのだ。
年末も近いと言うことでクーラを外して掃除した。
配管内には水垢が付いているし、クーラの熱交換器内部も同じ事だろう。
で、中性洗剤を入れてみたが汚れた水は出てこなかった。
そこで少々乱暴だがイオン交換樹脂再生時に使った水酸化ナトリウム液を入れてみる。
いや、入れると言うより循環だ。
風呂水ポンプで水酸化ナトリウム溶液を循環させると、水酸化ナトリウム液は見る見る茶色っぽくなってくる。
これで内部の水垢も少しは取れただろう。
水酸化ナトリウムよりパイプ洗浄用洗剤の方が効果的かも知れない。
来年の引っ越し後は水槽クーラを床下設置なのと塩ビ配管で固定してしまうので、なかなか掃除は出来なくなりそうである。
■ '99/12/29
朝見ると珊瑚の一つにプチプチと白い斑点。
おかしいなあと思いながらそのまま外出し、戻ってきたら消えていた。
もう一つ、いつもは全開に開いているコハナガタサンゴがしぼんでいる。
触っても動かない。
これは死んだと言うことだろうか。
ここの所姿を見せなかったナンヨウハギの死骸も発見。
これのせいで水質が悪化したのか。
何が起きたのか良くわからないが、とにかく水交換することにする。
今回は約30リットルの水を換えた。
ちなみに30リットルで水槽の3/4程度の分量になる。
ライブロックが入っているのでかなり水量が減っていると言うことだ。
水を換えたら、それまで元気の無かったシライトイソギンが目に見えて元気になった。
水換え前にアンモニア濃度くらい測ってみれば良かったかな。
実はカクレクマノミも一匹行方不明なのだが、これの死骸は発見できなかった。
水槽が安定するまでの間はプロテインスキマでも付けないと、何かの拍子に水槽生物全滅なんて事になるのかも。
高性能なプロテインスキマは微量元素もガンガン取ってしまうそうだが、タンパク質やその他細菌の除去率も大きい。
低容量のスキマはこの反対だ。
プロテインスキマでどんどん物理濾過を行い、それで足りなくなった元素を点滴などで補給するやり方(一般的なベルリンシステムがこれ)はどうも気に入らない。
高性能なプロテインスキマだと1日1回の微量元素添加では間に合わないそうだ。
現在の水槽をベルリンシステムにするには水量が足り無すぎるだろう。
サンプ水槽がないので、これは仕方ないことだ。
ライブロックのよう積分を除くと水槽容量は40リットルも無いはず。
フィルタ内の水を足しても精々50リットルと言うところだろうか。
引っ越し後の水槽ではサンプ槽を設けることも検討してみよう。
そして現在珊瑚砂で濾過装置として働いている2250をカルシウムリアクタに転用する。
せっかく水草水槽用の炭酸ガスボンベ等々があるので、これを使ってカルシウムリアクタを作る。
こうすると手持ちの機材だけで何とかなりそうな気がする。
ただし停電時にサンプ槽に水が逆流して..の対策を施さないといけない。
■ '99/12/30
結局プロテインスキマ(シークロン)を買ってきた。
白い泡は出ているが、巷で言われているような茶色や緑のそれではない。
が、時間が経過すると泡が出なくなった。
カップの下の方でゴボゴボ言っているが、それが上の方まで上がってこない。
エア量などを色々変えてみたが大きな変化はなし。
とりあえず明日までこのまま様子を見よう。
エア量は多い方が効率は高いようである。
ただし騒音も大きくなる。
シークロンはマグネットポンプでエアと水を混合しながら送る方式である。
このポンプとエア音が結構うるさい。
サンプ槽に付けるなら(キャビネットの中などに入れるだろうから)良いが、水槽の横に付けるには音が大きすぎる。
エアリフト式は調整等々が楽で良いのだが、剪断流方式は概して調整が面倒である。
シークロンはそれでも吸気量調整だけなので楽な方かも知れない。
高性能と言われるスキマは、その能力を発揮させるまでに試行錯誤が必要である。
いずれにしてもスキマが稼働し始めるとカルシウムをはじめとしてストロンチウムや各微量元素もどんどん濾し取られて行くはずだ。
これに伴って2250改のカルシウムリアクタを作った。
と言っても面倒な作業があるわけではない。
一旦2250の水を全て抜いたので、結果的に20リットルの換水になった。
シークロン程度でもストロンチウムの濃度は1日で下がってしまうとのレポートがある。
カルシウム濃度が高くてもストロンチウムがなければそれを吸収できない。
ティアラでpH校正液を買った。
買ってきてみたら使用期限が2年も過ぎている..ボトルには「1年以内に使用して下さい」と明記してあるのに。
まったく!
■ '99/12/31
プロテインスキマからは若干茶色(黄色?)っぽい液が出てきた。
エサを与えたり手を突っ込んだりして水質が変化すると泡は出なくなってしまうようだ。
カルシウムリアクタにはADAのバブルカウンタで2秒/1滴ほどの炭酸ガスを添加しているが、p
の低下は見られない。
硝酸塩濃度は低下していて1ppm程度だろうか。
しかしリン酸濃度が0.5ppm程度と高い。
3固体あるイソギンの元気がないのと関係あるとは思えないが、換水後はこれらが大きく触手を伸ばすのだ。
腹が減っているのかと思ってマグロの切り身をピンセットで与えようとしたら、横からカクレクマノミがやってきてパクッ。
再度刺身を切ってイソギンに与えたが食べる気配はなかった。
イソギンは珊瑚より水質許容度が大きいと思うのだが何故だろうか。
コハナガタサンゴは回復したというのに。
こんな時には換水と言うことで20リットルの水を換えた。
これでプロテインスキマは数時間のお休みになる。
水質が変化すると泡が出なくなるためだ。
ちなみに換水前までにカップに少しだけ黄土色の水が溜まっていた。
シークロンの性能は「そこそこ」らしいが、それでも微量元素は濾し取られる。
性能的には台湾製の??2000ってヤツが良いらしい。
売価も6千円くらいだ。
シークロンは特売で9.8千円也。
海水水槽はこんな感じ。
90cm水槽はトニナがだいぶ復活してきた。
■ '00/1/1
pH降下が著しい。
朝見たらpH7.7まで下がっていた。
原因は不明だがpH上昇剤に頼ることにする。
KHを測ってみると10dHなので低すぎると言うことはない。
なお夜間はカルシウムリアクタを止めている(水草水槽連動なので自動的に止まる)ので、その影響ではない。
プロテインスキマだが、空気量を多くするとやたら泡が出て黄土色の水が溜まる。
本来はもっと濃い色の水が溜まるべき物なので、エア流量を調整した。
高性能なスキマを正しく調整すると、粘りけのある黒い液が溜まるそうだ。
ここまで調整するのは大変だろう。
韓国製?と思われるスキマの稼働状態を見る機会があったが、気泡が大きく不揃いなのでシークロンより高性能だとは思えない。
スキマ本体の価格は安いがポンプが別売りなのでシークロンの方がコストパフォーマンスが良いかも。
Devilなどの高性能型はハイパワーポンプが必要で、その消費電力もバカにならないし何より調整が大変だと聞く(水量、空気量、水位など)ので、これらを導入するのはシークロンを使いこなせたらにしよう。
熱帯魚を飼い始めて1年が経過する。
最初は子供にせがまれて買った40cm水槽とグッピー。
それがやがて水草水槽になり、60cm水槽になるのにさほど時間はかからなかった。
フィルタも早々に外部式を導入し、CPU冷却用の炭酸ガスボンベを使った二酸化炭素添加も始めた。
そして90cm水槽への移行を考えることになるのは、多くのアクアリストと同じだろう。
が、これの導入は多くの検討を要した。
何より置き場所の問題。
それと照明器具やフィルタの消費電力に対応するための専用コンセントの設置。
地震などの時の安全性にも気を配らなければいけなく、これらがクリアされるまではなかなか手を出せなかった。
それに60cm水槽に比較すると全てが割高になる90cm水槽である。
が、結局は90cm水槽で水草を育てることになり、オランダプラントやトニナなどにも手を出して現在に至っている。
夏前には水槽クーラも導入し、水換え用には浄水器から始まってイオン交換器も買った。
イオン交換樹脂の再生にも手を出した。
と言うのも、イオン交換樹脂は高価な物なので再生利用しなければとても財布がもたないのだ。
少なくとも浄水器の導入は換水の手間を大幅に削減できたし、だからこそ良い状態が維持できているのだと思う。
この90cm水槽への移行時に海水をやってみたいと思い始めていた。
しかし夏前だったと言うこともあった(水温上昇は海水魚では厳しいし、クーラを置く場所もない)し、60cm水槽で海水魚飼育が出来るのかの不安も。
何より私に海水魚が飼えるのだろうかと、自分に対する自信のなさが海水魚飼育を遅らせる結果となった。
淡水魚で色が綺麗な魚と言えばアフリカンシクリッドだろう。
アーリーのメタリックブルーは他の淡水魚にはない雰囲気がある。
そこでアーリーの稚魚を60cm水槽で育てることにした。
アーリーはネオンテトラなどの小型魚にはない魅力というか迫力もあったし、生長と共に色が出始める姿はなかなか良いものである。
そして半年が過ぎて引っ越し計画が持ち上がり、新居には水槽専用スペースを作ることにした。
これで90cm水槽が2本(当初は3本の予定だったが、その後変更)置けて、床下にはフィルタやクーラを設置できるようにリビングを設計した。
ならば引っ越し後に海水魚を始めようと思っていたわけだが、その前の練習というか慣れのために60cm水槽で海水魚を始めたのが昨年の秋の話。
今は試行錯誤の真っ最中というわけだ。
引っ越しは3月下旬の予定で、引っ越し先が近い(数百メートルしか離れていない)とは言っても生物にダメージを与えずにうまく移行できるかが心配どころだ。