熱帯魚を飼う(47)
■ '00/1/9
60cm水槽にリン酸と珪酸吸着剤を使ってみた。
果たして効果のほどはどうだろうか。
これは2222に入れたので、上側のコンテナの濾材(エーハイサブストラット)は抜いてしまった。
フィルタをいじったので、その分の海水を約10リットルほど補充した。
リン酸吸着でコケが減ってくれるのだろうか。
リン酸吸着剤を入れて4時間後の測定では、これが約0.3ppmだった。
そして19時間後に測定すると0.2ppmに落ちていた。
果たしてゼロ(試薬では0.05ppm程度までは分かる)になるのか。
硝酸塩の方は1ppmで、pHは相変わらず低めの7.8だった。
プロテインスキマの話だが、これの効率を上げるためには泡と水との接触時間を長くするのが効果的だ。
その為に物理的寸法の長いもの(2mもあろうかというもの)や、スキマ内に水が長時間留まっているような構造のものが多い。
そこでスキマ用のポンプからスキマ本体までのパイプを長くすれば気泡と水の接触している時間は多くなる。
配管抵抗で水流が弱くなってしまうだろうが、これで効果が出るか否かもそのうち試してみよう。
もっともスキマの能力が上がると微量元素減少量も大きくなるのだが..
■ '00/1/10
リン酸は0.2ppm以下には下がらないようである。
そこで除去剤全部をフィルタに入れてみた。
設置後12時間でのリン酸濃度は0.1ppmに近づいた感じ。
ちなみに水道水のリン酸濃度は0.1ppmより少ないが、ゼロではなかった。
実は2222の濾過材を抜いてベルリンシステムへ移行させてみようかと思っている。
とりあえずリン酸除去剤を入れるのに2222の1台目のエーハイサブストラットは抜いた。
2段目の上のコンテナの珊瑚石も抜いてみた。
引っ越し後のシステムを検討するにあたり、ドライ&ウエット濾過にするためには意外に沢山のドライボールが必要だと解ったのだ。
あんなプラスチックの固まりが何故あんなに高いのか。
まあセラミック濾材も随分高いから文句を言っちゃいけないか。
ベルリンシステムなら濾材もドライタワーも不要になるし..迷うところである。
90cm水槽に60cm水槽で使っているメタハラを当ててみた。
90cm水槽に1灯だと配光特性に問題がありそうである。
同じ電力で行くなら70Wを2灯使うとか、そんな感じにしないと周辺部が暗くなってしまう。
現在使っているメタハラの色温度は公称20K程度なのだが、これでも青すぎると言うことは全然ない。
ただし光量とか配光特性を考えると、蛍光灯の方が楽なのかなとも思う。
その90cm水槽は硝酸塩もリン酸も数値が上がらないので水換えを行っていない。
活性炭はすでに取り出してしまった。
トニナがここの所急激な生長を見せているのだから、このままで良いだろう。
どこかに残っていたグロッソが増殖を始めた。
今のところはトニナの下の方に少し生えている程度なのだが、トリミングしないとグロッソに占領されちゃうかも。
90cm水槽の方は本当に手が掛からなくなって、毎日のエサやり程度で落ち着いている。
先週から気になってはいたのだが、90cm水槽の水面に油膜が目立っていた。
水交換をしていないのでその為かと思ったら違った。
夜間にタイマで油膜消しを行っている、と言っても大げさなものではなくてエアリフトで水を汲み上げて水面に落とすだけなのだが、これのエアホースが潰れて機能しなくなっていたのだ。
こんな単純なものでも効果は絶大で、1時間も稼働させると油膜はキレイになくなる。
これは夜間のエアレーションも兼ねているのだが、無くても酸素不足に陥らない事が解ったのも事実。
■ '00/1/11
電気脱窒装置だが、注文していた所から返事があった。
どうも製造元の会社が潰れたとか、そう言うことらしい。
したがって入手は不可能になった。
こうなるとベルリンシステムしかないのかなと言う感じになる。
デニボールでも良いのだが、どうせなら何も使わずに硝酸塩を上げないようにしてみたいではないか。
こうなるとプロテインスキマで物理的に亜硝酸になる前の物質を濾し取る以外にない。
プロテインスキマはETSSとかH&Sとかベルリンとか..定番で強力なものがあるのだが、最近は単に強力なだけではなく大きな分子を濾し取らないように工夫されたものも出てきた。
これによって(メーカは)プランクトンなどの有用な物質はあまり濾し取らない、と言っている。
プロテインスキマの泡の大きさは0.5mm〜0.8mm辺りがベストらしい。
この泡の大きさを管理したり、泡を発生させる機構を工夫したりするらしいのだが真偽のほどは解らない。
スキマの調整法にしても「薄い色の水が沢山取れるほど高性能」と記されたサイトもあれば、「濃い色の水が溜まるように調整する」としたメーカもある。
今現在の調整だが、コーヒーくらいの濃さの液体が溜まるようにしている。
薄い色の液体が沢山取れる状態だとオーバスキミングで良くないらしいからだ。
先週オーダしていたpH計、ORP計、塩分濃度計は金曜日に発送されたそうだ。
たぶん来週中には入手出来るのではなかろうか。
■ '00/1/12
60cm水槽のリン酸は0.1ppm弱までしか下がらないようだ。
試薬が反応しないくらいまで下がってくれることを期待したのだが、カルシウムリアクタからも排出されるし魚に餌も与えているから無理かな。
プロテインスキマは日本では見かけないものを輸入してみることにした。
使ったことのある人の話だとH&SやGeminiより強力だと言うこと。
メーカの能書きによるとプランクトンはあまり除去しないらしい。
が、外付け型は生産していないよう(カタログには載っている)でサンプに入れる形のものを注文した。
従って引っ越し完了までは使うことが出来ないのが残念だ。
H&SやGeminiは100W以上のポンプを要求するが、コイツは70W(100Vで、しかも50Hzで使うので能力は低下するはず)で良い。
実は300ガロン水槽用で36Wモータ1個使用のモデルもあるのだが、モータ能力低下分を考えて700ガロン(約2.6t)用を注文した($449)というわけだ。
もっともこのタンク容量表示は実能力より大きいみたいで、1/2〜1/3と見た方が良いとの話。
たぶん今回購入したBX-2でも1tが限界(60Hz,115Vで使った場合で)だろうから、予定している水槽用量(90cm水槽で120リットル程度、サンプ水槽で100リットル程度)には十分なはずである。
これでまたベルリンシステムへの道を歩むことになった。
ベルリンシステムだと微量元素の連続添加が必要になる。
そこでドジングポンプも輸入することにした。
どんなものか使ってみないと解らないので、とりあえずは2台を発注。
使い勝手が良かったら追加購入する予定だ。
納期を考えると水槽もそろそろ発注しなくてはいけない。
これも色々見てはいるのだが、オーバフロー用の穴径や穴位置を自由に指定できるものが少ないのが悩みの種。
マーフィードのものは黒シリコン接着で穴位置等の指定は出来るが、ガラスがちょっと緑がかっている。
アダージョプランニングのアクアマリンプロシリーズは接着強度を上げるためにブラックシリコンの塗り方に特徴があるが、その分接合部が目立って気に入らない。
今狙っているのはショップブランドの水槽で、大きさも板厚も指定できる。
つまりフルオリジナル水槽が製作できるのだ。
接着も半透明シリコンが使用でき、ショップの話だと「ADAのウイルドグラスに対抗できる品質」なのだそうだ。
ただし価格はウイルドグラスの約2倍と高価である。
価格は加工によっても異なるが、概略の見積もりを取った感じでは6万円強という感じ。
この他にサンプ水槽(90cmアクリル水槽を考えている)も必要になるので、これの設計(穴位置など)もやらないと。
■ '00/1/14
60cm水槽の硝酸塩濃度は5ppmだった。
明日にでも換水する事にしよう。
90cm水槽の硝酸塩濃度はゼロ(試薬は1ppm程度で反応する)だった。
やはり水草の威力はすごいと言うことか。
60cm水槽にも海藻を入れたら良くなるのかも知れない。
ここ何日かコケ食い能力バツグンのヤエヤマギンポが見あたらない。
まさかコイツもカニに食われたのではあるまいか。
カニはたまに姿を現すのだが、動きが素早くて捕獲できないのだ。
プロテインスキマは調子よくコーヒー色の汚水を溜めている。
その量は1週間でカップの1割と言うところだ。
たぶんヨウ素は検出できないレベルまで下がっているだろう。
ヨウ素は特に減りやすいようだから。
水槽と濾過槽(サンプ)の穴位置を決めた。
水草水槽の方は水槽底板左右に穴を開ける。
片側はフィルタからの戻り水用でVP25を通し、もう片側はフィルタへの給水とオーバフローパイプにする。
オーバフローパイプを付けたのは少しずつ新水を供給すれば勝手にオーバフローして排水されるようにするためだ。
冬場は水の蒸発も結構あるので、2リットル/日程度で給水しておけば手間も省けるというもの。
たぶん水草の枯れ葉など、水面に浮くゴミや油膜も一緒に排出してくれることだろう。
90cm水槽は夜間エアレーションしているのだが、そのホースが潰れていた件で夜間に酸素不足に陥っていた可能性がある。
と言うのもエアレーションを開始してから水が澄んできたのだ。
酸素不足で硝化バクテリアにダメージがあったのかも知れない。
最近は液肥も気が向いたとき(週に1回程度)に5cc程添加しているに過ぎない。
それ以外の日はカリウムが主成分だと言われるADAのStep2を適当に入れている。
液肥を与えなければリン酸濃度も上がらない。
これでもトニナはどんどん伸びていて、後2週間もすれば水面に達する勢いである。
反面養分を多く要求するオランダプラントは葉の直径が小さくなってしまった。
トニナの根本にはジャレコのフロラスティックプロを埋めてみたのだが、これをオランダプラントの根本にも施してみようと思う。
■ '00/1/15
60cm水槽の水交換を行った。
20リットルである。
今のところpHは8.0を維持しているが、たぶん下がってくるのだろう。
姿が見えなかったヤエヤマギンポも発見、他の魚たちや珊瑚も元気である。
今まではEHEIMの2222を2台直列で生物濾過を行っていたが、これを1台にして濾材も全て抜いた。
2222の中にはリン酸と珪酸吸着剤が入っているのみである。