熱帯魚を飼う(56)
■ '00/3/19
相変わらず亜硝酸塩濃度が高い海水水槽である。
水槽水を希釈して正確な亜硝酸塩濃度を測ってみると0.3ppmだった。
リン酸濃度はKENTの吸着剤が効いて0.5ppmが24時間後には0.1ppmにまで下がった。
RO/DI水なので珪酸は殆ど通過してこないとは思うが、手持ちの珪酸吸着剤も入れた。
珊瑚の調子はおおむね良好だが、タコアシの開きがちょっと悪い。
先日安売りに釣られてミドリイシを仕入れてきた。
大きさの割に安かったのは先が折れているところがあったからか。
とりあえず光が良く当たる場所に置いてみた。
ミドリイシと言えばカルシウムを大量消費すると言うことで、カルシウム濃度を測ると320pp
程度しかない。
リアクタがうまく働いていないのかな。
明日にでも配管をチャックしよう。
とりあえず今日の所は添加剤を入れてカルシウム濃度を400ppmまで上げておいた。
結構沢山入れたのだ。
そしてドジングポンプ関係の配管を少しだけ行った。
配管途中の様子はこんな感じ。
これは水槽台の内部奥のコンパネに取り付けたが、配線&配管でゴチャゴチャである。
タイマはトータルで8チャネル使っている。
各メタハラに1チャネルずつで4チャネル。
ラインヒータ、淡水の自動給水、海水水槽への蒸発水補充、エアポンプで4チャネル。
他に炭酸ガス制御とメインポンプ制御(給餌時にメインポンプを止めている)に各1チャネルという具合だ。
この写真は海水水槽の下にあたる部分で、淡水水槽側は外部フィルタを並べてある。
手前に見えるマーフィードの浄水器はイオン交換樹脂再生専用で、単に置いてあるだけ。
この下(床下)には水槽クーラ2台が設置されている。
プロテインスキマは高さの関係で床面から飛び出している。
いずれ汚水配管を行い、発泡板を使ってカバーを作る予定だ。
スキマ本体右側に水が溜まっている部分は、ここに吸着剤などを入れられるようになっているのだ。
スキマから排出される細かな泡もここと、この後のセクションでほぼ消える。
配線&配管類も配線カバーを使って綺麗に仕上げたいとは思っているが、何せ肝心の配管自体が完了していないと言うわけ。
蒸発補償の比重調整は現在タイマで制御しているだけだが、水量が多いので調整というかセッティングにクリチカルな所はない。
本来ならサリニティモニタで自動調整が好ましいとは思うが、これは今後の課題にしよう。
pHとカルシウムイオン濃度は常時モニタだが、カルシウムイオン値はカルシウム濃度試薬の値と異なる。
なので、これが一定になるようにリアクタを調整すれば良いかな。
水槽台の上板には2カ所の配管用穴を開けている。
淡水水槽の方が排水&フィルタ給水で1カ所を使い、フィルタからの排水管でもう一カ所を使っているためだ。
海水水槽の方は給排水の1カ所のみだが、一応反対側にも開けておいたというわけ。
で、ここから水槽底部を覗くことが出来る。
硫化水素発生によって底砂が黒っぽくなればすぐ解ると思う。
ORP計がもう一台あるので、底砂底部のORPを測れば反硝化が行われるのに適したORPが得られているかが分かるはず。
でも未だ配線していないけど。
60cm旧水槽時代の謎の糸状生物だが、どうやらゴカイの仲間らしい。
ライブロックを移動するときに本体?を見つけて取り出したが、ミミズの太いヤツというか、極めて気持ち悪い姿をしていた。
コイツの長い触手は毒があるそうで珊瑚に危害を加える。
本体は砂を集めてきてパイプ状のものを作り、その中に潜んでいた。
ちょうどケヤリムシみたいな感じである。
■ '00/3/20
ドジングポンプによる微量元素添加を開始した。
KENTによるとコーラルバイテ、ストロンチウム&モリブデン、アイロン&マンガン、アイオダインは低濃度での混合が可能だそうである。
ただし鉄(アイロン&マンガン)は不安定なので、他の元素と混合しない方が良いという話もあるでの今は単独で使用している。
現在は1.テック・1(持続性ヨウ素)2.アイロン&マンガン(鉄、マンガン)3.ストロンチウム&モリブデン+コーラルバイテ(ビタミン)の3種を別々に、それぞれ60ccを1940ccの純水に希釈して50cc/Dayで添加している。
2000ccは40日分にあたるので、月に1回メンテナンスを行えば良いはずである。
水草水槽の方はフロラシオンプロ+開花促進液(園芸肥料)50ccを1950ccの水で希釈して、同じく50cc/Dayで添加する。
出かけたついでに天然海水を40リットル買ってきた。
RO/DIで海水を作るのが面倒だったからだ。
実はサンプ水槽の水量が設計値?に達しないまま使っていたというわけ。
40リットルの海水を追加して、10リットルくらいを排水した。
この程度では亜硝酸濃度は下がらず0.25ppmと言ったところ。
KENTのリン酸吸着剤の寿命が2〜3日と言うことなので、これをマリンシアターのものに交換。
KENTのものはオーブンで焼いて再使用しよう。
海水を買った別の魚屋で生体を見るが、どれも元気が無いというか状態が悪すぎる。
フレームエンゼルが袋詰めにされて特価販売されていたが、どう見ても状態が良さそうではないので買わないことにした。
今入っている魚はフレームエンゼル、キイロハギ、ヤエヤマギンポともう一匹小さな青と黄色(名前を知らない)魚である。
あ、それとタツノオトシゴが2匹だ。
アメリカンマリンのpH計を海水水槽にも付けてみた。
淡水水槽の方を測ると若干低めに出るのだが、pH8辺りだとホリバのpH計との差が0.02程度と正確だ。
■ '00/3/21
底床下部の底面フィルタ流用プレナム板内部のORPを測ってみた。
現時点で-20mV程度である。
反硝化を行わせるためには-100mV程度がよいとされ、これが-200mVを下回ると硫酸還元によって硫化水素の発生につながる。
底床内部のORPを下げるために、これまで12時間ごとに30分間通電していたラインフィルタを12時間ごとに15分の通電にしてみることにする。
亜硝酸濃度は0.2ppm程度と、昨日より気持ち下がったかなと言う感じ。
マリンシアターのリン酸吸着剤はKENTのものよりパワーがないのか。
それとも通水状態が悪いのだろうか。
リン酸濃度が0.2ppmにまで上がってしまった。
KENTのものがもう少し長持ちしてくれればいいのだが、2〜3日ごとに交換しなければ行けないのは面倒である。
交換しないと吸着したものを放出し始めるようだ。
ちなみにマリンシアターのものは2〜3ヶ月効果が持続すると言うこと。
効果はゆっくり長く、なのだろうか。
カルシウム濃度が下がっていたのでリアクタに供給する炭酸ガス量を増やした。
ら、今日の時点で450ppmまで上がっていたので少しだけ減らした。
試薬で400ppm前後を目安にしようと思っている。
リアクタはEHEIMの2222を使ったカルシウム剤溶解ステージと塩ビ管で作った溶け残り炭酸ガスの吸収(珊瑚砂を入れてある)ステージの2段構成である。
制御はオープンループで問題なく、炭酸ガス量を増やしてもpH低下は皆無といえる。
そのpHは炭酸ガス供給/非供給に関わらず余り上がってくれずに、だいたい8.0〜8.15位なのだ。
ちなみにKHは9
で正常。
■ '00/3/23
相変わらず亜硝酸濃度が高く0.15ppmと言ったところ。
硝酸塩の方も50ppmに達している。
これはスキマが効いていないのではないかと言うことで、スキマの水位を下げてエア量を多く調整してみた。
もしかするとオーバスキミングに注意する余り、エア量を絞りすぎていたのかも知れない。
リン酸濃度は吸着剤が効いて0.1ppm以下である。
カルシウム濃度はリアクタへの炭酸ガス供給量を減らして420ppmになった。
底床下部のORPだが、照明点灯時の日中と夜間では相当差があることが分かった。
日中は水槽水のORPが+400mV前後まで上昇して、底床下部のORPも+90mV辺りとなる。
夜間は水槽水のORPが+350mV程度となり、底床下部は-100mVまで下がるのだ。
しかし硝酸塩濃度が高いところから見ても反硝化が十分行われている状態ではないようだ。
日中は底床から気泡が上がるのだが、これが窒素なのかどうかは不明。
毎日多少なりとも下がってきている亜硝酸濃度なので、これが順調に下がると共に硝酸塩濃度も下がってくれれば有り難いのだが..
■ '00/3/24
硝酸塩濃度は0.15ppmで変わらず。
日曜日にでも天然海水を買ってきて底砂掃除と多少の水交換でもやってみようかな。
今からRO/DI水を作っておいても間に合うのだが、人工海水代の約2倍の天然海水代を高いと思うか否かと言うことだ。
私の考えとしては天然海水が優れているとは思っていない。
採取地にもよるだろうが、季節や潮流によって硝酸塩やリン酸値が高い場合もある。
安定した水質を望むなら純水で人工海水を溶かすのが一番のような気がするのだ。
床下には150リットルほどの貯水タンク(アクリル水槽)を入れてあって、RO/D
水の配管もオートシャットオフの配線もしてある。
人工海水攪拌用の水中ポンプも入れたし、保温用のヒータだって取り付けた。
でもイサザアミを買いに行くついでに天然海水を買ってきてしまおうかと安易に考えている次第だ。
長生きしていた緑のタコアシ珊瑚が溶けてしまった。
先日この上にカニが乗っていて、これを取り除くのにいじり回したのがいけなかったか。
それとも光量変化で弱ってしまったのか。
■ '00/3/25
明日にでも天然海水を買いに行く予定だったが、朝からRO/DI水を溜め始めて昼過ぎに50リットルの換水を行った。
それでも夕方にイサザアミを買いに行ったのだが、仕入れの関係でイサザアミが居なかった...タツノオトシゴにはちょっと絶食して貰うことになる。
熱帯魚店では安売り品が出ていて、2カラーのナガレハナと小さなバブル、キャメルシュリンプと餌付けが難しいとされるマンダリンを買ってきた。
マンダリンもタツと一緒にイサザアミを食うことだろう。
もう一つ、オレンジカイメンを買ってきたのだが、実はカイメンの入っている水槽にカーリーが居ることを私は知っている。
なので買ってきた後詳細にカーリーチェックをして、カイメンの下の石の部分(石に張り付いている)は淡水+歯ブラシで念入りに洗った。
最近はショップの水槽でカーリーを見かけることが多くなった気がする。
都内の某ショップでは、客「この前買った珊瑚にイソギンチャクみたいなものが付いていたんですよ」店「たぶんそれはカーリーってヤツでしょう」客「せっかく付いていたのだから、今は大事に育てていて随分増えましたよ」店「それは毒があるので...」客「増やさない方が良いんですか」店「勝手に増えてしまうので、見つけたらピンセットで取った方が良いですよ」客「......」ってな会話を聞いてしまった。
ウチの水槽にもペパーミントシュリンプでも入れてカーリー予防(に、なるか?)でもしておいた方が良いのだろうか。
水質データはpH8.1,リン酸0.1ppm,亜硝酸0.15ppm,硝酸塩10ppmだった。
淡水水槽の方はフィルタの一台を掃除したというかリセットした。
濾材に付いた濾膜を洗い流す目的で、濾材を水道水で念入りに洗った。
完全に行うにはオーブンで焼けばいいのだろうが、汚れがさほどではなかったので水道水で洗うだけとした。
来週か再来週にはもう一台の2228も掃除したいと思っている。