熱帯魚を飼う(64)
■ '00/5/14
水草水槽はトニナをトリミングする時期になっているが、水深があるので面倒だ。
高さ45cm水槽の時は水底に手を入れるのは容易だったが、今は60cmの深さがあるので上の方まで袖をまくり上げないとシャツが水没することになる。
トニナは底床の状態とpHが決め手だと思う。
オランダプラントは液肥を沢山入れれば良い状態になる。
が、ここまで液肥料を増やすと3〜4日に1回はガラス面の掃除をしないと緑のコケがはびこってしまう。
どちらの水草も条件を整えてやりさえすれば難易度の高い水草ではないと思うが、その条件を維持すると言う点での難易度は高い。
グロッソスティグマも底床の状態に加えて低硬度と低pHを維持できれば、それはもうトリミングが面倒なほどの増え方をする。
生長が遅くて丈夫で、決して溶けることのないアヌビアス・ナナ、これも2ヶ月毎にトリミングしないと増えすぎる。
バコパも生長が遅いのだが、これはコケが付きやすいと言う欠点の持ち主だ。
アヌビアス・ナナの葉にならイシマキ貝も登れるが、バコパは相当小型の貝でないとダメ。
さて、ほぼ1年に渡って維持してきたトニナとオランダプラントだが、この辺で新たな水草に挑戦というか、変えてみようかとも思い始めた。
ケヤリソウも好きなのだが、コイツもコケが付き易いんだよね。
生長が遅いのは手間が省けて良いことだが。
昼前にCPFから生体が届いた。
ソフトコーラル3種(ツツウミヅタ、タカツキヅタ、ヤナギカタトサカ)とヒメジャコ、それにナマコを買った。
送料はかかるがヒメジャコなど安いと思う。
今日の室内温度は26℃、床下温度は30℃でクーラは入りっぱなしと言うか入りっぱなしだから床下温度が上がっているというか、今日は殆ど無風だったので条件的には厳しかったのだろう。
海水水温は23.5℃で、これが平衡点だ。
やはりLX-110AXでは冷却能力不足か。
夕方6時を過ぎてやっと水温が下がり始めた。
照明消灯と合わせるように、だ。
LX-110の上のモデルだとLX-150になり、公称700リットル対応である。
ゼンスイのものだと1000
リットル対応があるのだが、床下に置くには高さが少々高すぎる。
屋外に置くと配管抵抗がバカに出来ないし、困ったものだ。
それに加えて今週中にはメタハラがパワーアップされる。
これだといよいよダメだな。
LX-110でも90cm規格水槽の時には余裕十分だったので安心していたというか、これ以上の容量のものは不要だと思っていたのだ。
旧90cm水草水槽の時にはパワーフィルタのポンプ発熱(約100
W)も加わっていたわけだし、水量が2倍になったと言っても水自体は発熱しない(でも周りが暑ければ温められるか)し、去年の夏だってクーラ稼働率100%にはならなかったし。
LX-110とLX-150を比較すると、消費電力はさほど変わらず(230W
260W)冷却能力は50%上がる。
(注:2000年からのLX-150BXはロータリコンプレッサになって消費電力が減った)でも売れ筋のLX-110AXの方が値引率が良いという事でこれを買ったわけだ。
仕方ない、痛い出費だが水温上昇にビクビクしているわけにもいかない。
メインをLX-150BXにして、これでも足りなかったらLX-110AXにも手伝わせよう。
水草水槽の方はちゃんと冷却できているようだ。
海水水槽との違いと言えば、スキマーとパワーヘッドの有無、それとメタハラの消費電力だ。
パワーフィルタのポンプには通電していないのでこれは関係ない。
循環ポンプは水中型ではないので水温上昇は最小のハズ。
メタハラは水草水槽が合計140W(70W×2)で海水水槽が(今現在で)220W、それに加えてスキマーのポンプが60W位の発熱だ。
パワーヘッドは4個で50W位かな。
何だかんだの合計(メタハラの発熱は100%水中に入るわけではない)は330Wで水草水槽より190Wも多い。
たぶん水量云々よりこちらの方が問題なのだと思う。
今週からはメタハラがパワーアップされて(今までのものも全部使えば)470W(げっ!)、電気代も恐い..メタハラの方だが、水底に置いて開きの悪いコハナガタが水面近くに持っていくと調子を戻すことからも水深に対して光が弱いのではないかと思うのだ。
60cm水槽時代はサンゴをどこに置いても調子は変わらなかったのに、水深60cmってそんなに違うものなのだろうか。
ある人が「水槽の高さが60cmを超えたら、メタハラは250W必要」と言っていたが、これが解るような気がする。
ちなみにルーメン(lm)で表したカタログ照度は70Wのサンライトも250Wのアストロビームもさほど変わらない。
むしろサンライトマルチを使えばアストロビームを凌ぐのである。
ちなみにルーメンとは単位面積あたりの照度(ルクス)に、照射面積を掛けたもので全光束とでも言うのだろうか。
色温度が高くなるに従って照度が低下するのはバルブの効率の為なのか。
光量だけを稼ぎたいなら6000K〜7000K辺りのランプを使えばいい。
色温度はアストロビームが10000K以上の表示で、サンライトアクアは17000K、コーラルグローは25000Kである。
スーパークールは6500K程度の球にダイクロイックミラーで21000Kとなっている。
照度の方はサンライトアクアが3600lm(マルチは6000lm)、アストロビーム(250W)が4500lmでスーパークールはバルブ自体(反射前)で7800lmだ。
色温度を見るとサンライトよりスーパークールの方が高いわけだが、ランプ自体の発光色はサンライトの方が青っぽい。
ただし照射された生体はスーパークールの方が青っぽく見える。
いわゆるブルー系ランプは460nm付近にスペクトルのピークがあり、スーパークールなどは(ピークはあるが)ブルー系に比較するとスペクトル分布はブロードである。
更に色温度の低いランプはスペクトラム分布が平坦になってくる。
ちなみにスーパークールはRa=85であり、かなり自然な色の見え方をするのも事実だ。
その他サンゴ類が増えたのに伴ってパワーヘッドの位置を調整したり、水槽内をかなりいじってしまった。
■ '00/5/15
クーラの納期確認を行ってみたのだが、都内の店(安い)ではLX-150BXの納期が未定とのこと。
メーカ在庫がないようである。
メタハラを買った店は非在庫商売らしく、インターネット上で価格を調べた限りでは最も安い。
ここにも問い合わせ中だ。
他には横浜の通販専門店か。
明日にでも電話をしてみようと思うが、値段は他より少々高めである。
微量元素添加量に関して調べてみると、スキマーがオーバスキミング状態にある時には規定量と称される分量の50倍も入れないといけないらしい。
オーバスキミングではなく、かなり濃いネバッとした感じの汚水が取れているスキマーの場合でも10倍〜20倍は入れるという。
確かにスキマーの中のマイナスに帯電した気泡には微量元素成分が引きつけられやすいので、多くがここで濾し取られてしまうことは想像に難くない。
が、その分量が10倍とか20倍入れなければいけないほどなのか。
ドジングポンプで添加している各元素も今月末辺りには補充の時期だ。
2000ccのペットボトルから50cc/Dayで添加しているので、40日で無くなる計算。
とりあえず10倍くらいの濃度にしてみようかな。
でもちょっと恐いな。
いや、待てよ、TECH・Iだと100リットルの水量に対して5ml/Weekが基準量だ。
今の水槽が約300
リットルなので、標準量として15ml/Week。
10倍入れると150ml/Weekになり、40日分だと860ccも入れるって事か。
ドジングポンプを使っているのだから持続性ヨウ素のTECI・Iではなくヨウ化カリウムか何かでも良いのかな。
こんなにドバドバ入れるものなのだろうか。
ストロンチウムとマグネシウムと鉄とヨウ素の試薬は横浜の通販店で手に入りそうである。
一度測ってみる必要があるのかな。
■ '00/5/16
水槽クーラは最初に注文した店から電話があって「一台だけ在庫を持っているところがあったので取りましょうか」とのこと。
ありがたい話だ。
どうやらメーカでも300台ほどのバックオーダを抱えていて、次回出荷は6月10日頃になるのではないかという話。
それまで250Wのメタハラを点けられないのも悲しい話なので、何とか在庫を見つけてくれと頼んでおいた。
照明の話だが、ヒメジャコをちょっと照明の暗いところに持っていったら、余り開かなくなっちゃった。
自然太陽光を採り入れるシステムがあるが、これなどを使えば(天候に左右はされるが)明るいのかも知れない。
だがシステム価格が凄く高いので、メタハラ点けて電気代を払った方が(10年くらいで見ても)安い。
90×45×60cm水槽なので、150Wのスーパークールと70Wのサンライトで十分かと思っていたのだが甘かったようだ。
それとメタハラは6000時間程度で明るさが約半分になる。
10時間/日で点灯させていれば1.5年で6000時間近い。
照度低下カーブは直線ではなく、照度3割低下辺りまでが急峻で、その後は直線に近い形で暗くなってくる。
水槽用蛍光管より寿命が長いとは言っても、メタハラの球は高いからな。
試薬の方だが、ストロンチウムはカルシウムと干渉するので測りにくいらしい。
試薬はあるのだが精度の面では疑問が残らないでもない。
マグネシウムは簡単に測れるらしいが、ヨウ素も測定が難しいとのこと。
凝った人だと検査センタに持ち込むらしい。
検査センタならガスクロでも何でも使って測ってくれるのだろう。
■ '00/5/17
サンゴの位置を少し変えた。
光を求めて水面近くに置きたくなってしまう。
困ったものだ。
オオバナなどは今は入れていないのだが、水底近くや他のサンゴの陰になる部分にはこれらを置くしか無いという感じ。
ただしスーパークールやサンライトでは色がキレイに出ないと思う。
アストロビームはこれらよりは青っぽいので美しく見えるようになるかな。
ミズタマハゼは今日も元気で底砂を攪拌している。
白点も消えたようだし、これで長生きしてくれるかな。
ミナミハコフグは相変わらず白点が見られるが、コイツは結構丈夫で白点などで弱らないのが良いというか何というか。
添加剤が減ってきたので補充した。
分量は40日分で以下の通りである。
添加剤名 |
40日分の量 |
規定量に対して |
TECH・I |
235cc |
2.7倍 |
TECH・M |
350cc |
3.8倍 |
Fe/Mn |
250cc |
2.7倍 |
コーラルバイテ |
250cc |
1.0倍 |
ストロンチウム
&モリブデン |
250cc |
1.0倍 |
コーラルバイテとストロンチウム&モリブデンが規定量なのは、これらを混ぜ合わせてドジングポンプ添加を行っているためである。
高濃度では混ぜ合わせることが出来ないので仕方なく規定量としたが、それでも随分高濃度混合だ。
次回か、その次の補充時にはコーラルバイテをストロンチウム&モリブデンにのみ混ぜるのではなく、鉄/マンガンにも混ぜて添加量を増やしてみようか。
コーラルバイテの量を例に取ると、これの標準(この標準ってヤツが良くわからない)添加量は60リットルの水量に対して5〜10cc/Weekである。
今の水槽の水量が約300リットルなので、毎週の添加量は25cc〜50ccとなり、これが40日(5.7週間)分だと143cc〜285ccって訳だ。
これらを2000ccに希釈して50cc/Dayで自動添加している。
で、40日分というわけ。
なお添加量をこの程度としたのは、いきなり高濃度(実際にはスキマで濾し取られたりして、濃度はすぐに下がってしまうらしいのだが..)は危険かなと思った次第だが、10倍とか20倍を添加している人もいるし、これは今後濃度測定を行ってから決めたい。
その中でもマグネシウムを多くしているのは、これによるリン酸の沈殿効果を狙ったため。
それに、ソフトコーラルも増えたしね。
水槽内で失われる速度の早いものは鉄、ヨウ素、ストロンチウムだそうだ。
これらは規定量添加では数時間〜数日で検出限界以下まで減ってしまうらしい。
ただしTECI・Iは持続性ヨウ素との事だからマシか。
もし持続効果が高いとすると濃度が上がりすぎるかも知れない。
が、ヨウ素の適量?ってのも良くわからなくて、0.01ppm〜0.1ppm存在していれば良いとも聞く。
何とその幅10倍なのだ。
もし多量の添加剤が必要になるとすれば、国内で買わないで現地から(ドラム缶とは言わないけど)大容量ボトルを買い付けないと価格が厳しい。
それより毎日新しい人工海水を入れた方が得だったりして。
分量にもよるけど。
海水水槽の水質測定を行った。
Ca=400ppm,NO2=<0.1ppm,NO3=10ppm,PO4=0.1ppm,pH=8.2,KH=8
NO2とNO3が前回測定時より上がっている。
イサザアミを入れすぎたか、サンゴを追加したためか、ベルリン水槽は微妙なものだ。
水草水槽なんかフィルタの濾材を水洗いしてしまっても、魚が何匹か死んでも亜硝酸濃度に変化はない。
換水効果もあってNO3は常にゼロだし。
カルシウム濃度はもう少し上げたいので、明日から炭酸ガス添加量を増やしてみようと思う。
夜になって通販ショップから品物発送の連絡があった。
デュプラの試薬のみ後日になるそうだが、たぶん明日にはメタハラを拝めそうな気配。
デジカメのホワイトバランスと露出を固定して比較写真が撮れるだろうか。
■ '00/5/18
アストロビームライトが来た。
早速仮付けして点灯させてみると、スペックの4500lmが信じられないほど明るい。
器具は3.5Kgもあるので、φ19のステンレスパイプを使用して取り付けた。
アストロビームのみだと周辺が暗い(設置高さが低いためであり、これは光量を多少でも稼ぎたいから)のと演色性が悪いのでスーパークールとサンライトも併用している。
これらはこちらのページにまとめてみた。
もう一つ、イサザアミ冷凍実験はこちらのページだ。
何か今日はすごーく疲れた..現在はアストロビームを水面上15cm程度の所に設置しているが、これだと若干メンテナンスがやりにくい。
光量を多少犠牲にして高さを20cm程度にすべきか否か迷うところだ。
■ '00/5/19
今日はメタハラ3灯で一日を過ごした。
(はず。
帰宅したら消えてる時間だったから)ヤワタコアシカタトサカは強力な光は苦手なようで、なぜか小さくなっていた。
夜になって照度が落ちるとポリプを出し、チンチロフサゴカイを連想させるような触手?を出している。
サンゴによっては光が強過ぎはしないかというのが今の心配事だ。
とにかく眩しいほどに明るいのは、やはりライトが水面に近すぎるのかな。
水槽の奥行きが45cmしか無いので、ライト位置を上にすると前後方向に漏れる光が増えてもったいない気がする。
このライトは水面から30cm離すと90cm×60cmの範囲を照射できるとのこと。
で、夜だというのにライトを点けて位置の確認を行う。
現在は横一列にメタハラを並べているのだが、サンライトとスーパークールを左右に広げて内側を向け、アストロビームの位置を、もう
少し上にしようと思っている。
(写真はスーパークールのみ点灯)なおアストロビームの高さ変更は取り付け金具で5cmまで変えられる。
水草水槽のpHが上がってきたのでアクアソイルを取り替えた。
日中の炭酸ガス添加時でもpH6.0以下にならなくなっていたのだ。
アクアソイルの入っているEHEIM2426を開けると、ベッタリと泥に帰ってしまったアクアソイル。
通水性も悪くなっていて、これじゃあ(2426に接続した)炭酸ガスミキサも余り働いていなかったのだろう。
ミキサー内には溶け残りの炭酸ガスがだいぶ溜まっていた。
アクアソイル交換は炭酸ガス添加の止まった夜間に行ったが、交換前のpH6.3が3時間後には5.8まで、5時間後には5.6迄下がった。
このまま明日の日中に炭酸ガス添加が始まると5.2辺りまで落ちるのではないかな。
■ '00/5/20
ミズタマハゼは冷凍イサザアミを食って元気だ。
これで飛び降り自殺さえしなければ安心。
ミナミハコフグは相変わらず白点が付いている。
淡水水槽で効き目のある「鷹の爪」は海水でも使えるのだろうか。
ショップで茶色くなって安売りされていたミドリイシだが、スーパークールに加えてアストロビームも照射されてアストロビームの光が当たっている側だけ緑っぽくなってきた。
ミドリイシの発色は保護色らしくて、光が強すぎるとそれを有効に反射するために色が付くという話。
なので紫外線の多く出ているメタハラ(abなど)が有効らしい。
特に青系は紫外線を必要としているという話も聞くが、ブルーライトだと逆効果だそうだ。
今日は2週間ぶりに40リットルの海水を追加&排水した。
水交換に関してはゴールデンウイークに行ったが、それによって水槽の状態が変わるでもない。
添加剤の添加量アップによる影響というか変化も今のところ感じられず、一体何が良くて何が悪いのか解らない。
が、特にトラブルもないので気にしないことにしよう。
メタハラは設置位置を変えてみた。
今まではこんな感じ。
これで水面上15cmである。
可変幅は水面上5cm〜15cmだ。
今回は水面上20cmまで上げてみた。
可変幅は水面上15cm〜20cmとなった。
スーパークールとアストロビームの間にあるのは電球型蛍光灯。
これは夜間観賞用だ。
単体で見ると白よりちょっと青いかと思うスーパークールだが、アストロビームと並ぶと黄色っぽく感じるから不思議なものだ。
今日は室温24℃と比較的涼しいのだが、それでも水温が23.9℃から下がってこない。
当然クーラは全開で動いているのに。
LX-150BX(450Kcal)は本日配達されてくる予定だったが、明日にずれ込んだとの連絡があった。
150BXなら冷えてくれるとは思うのだが、ダメならLX-110AX(300Kcal)と並列運転だ。
こんな時は60Hz地域の人が羨ましく思う。
何せクーラ能力20%〜25%アップだもの。
マリンアクアリスト御用達?のRX-250は600Kcalなので、余裕を見ればこのクラスが欲しい。
(でも27万円だよ!)LX-110AXは230Wの消費電力で300Kcal,150-BXは260Wで450Kcal,同時に使うと490Wも電力を食って700Kcalだ。
RX-250を一台なら290Wの消費電力で600Kcalである。
クーラは容量が大きいほど効率が上がるのだ。
水草水槽のpHは5.2まで下がっていた。
これは今後徐々に上がって行くはずなので問題ない。