熱帯魚を飼う(68)
■ '00/6/11
久々に水草を何種類か買ってきた。
流木を移動したり、色々レイアウトを変えてみたのだが気に入らない。
横幅に対して高さのある水槽だとどうしても縦長の水景を作りたくなるのだが、これが難しい。
水深は水底に届く光量も下げてしまう。
蛍光灯からメタハラに変えたときは随分明るくなったと思ったものだが、海水水槽の明るさになれると水草水槽が暗く見える。
海水照明点灯時間は以下のように変更してある。
水草水槽の方は7
00〜16
00までと8
00〜17
00までの設定だ。
で、海水水槽でサンライトを消灯する13
00〜17
00まで、水草水槽の方にモータドライブでメタハラの向きを変えられたら効率的なのに。
水草植え直しの時に底砂掃除はしなかったというか、さほど汚れてはいなかった。
むしろ流木やそれに活着したナナやミクロソリウムの方が汚れていた感じ。
ナナは増えすぎているので大幅にトリミングし、流木ごと水で洗った。
結局トリミングの手間を惜しんで有茎類を減らしてしまったのが水景を単調にしているというわけだ。
水草を買ったところにオトメハゼがいたので買ってきた。
ら、ミズタマハゼに追い回されているではないか。
ただでさえ(ウチの水槽では)生存率の低いハゼなのに大丈夫か?
■ '00/6/12
試薬を個人輸入したことは以前に書いたが、この中でリン酸試薬を頼んだのにカルシウム試薬が来た。
そこで新たにリン酸試薬を送ってくれるようにmailを出したら、リン酸試薬を無料で送るとの返事が来た。
それでは申し訳ないので金を払う旨返事を書いた。
ついでにSeachemのリン酸テストキットも買うからと。
その荷物が本日届いた。
送料はサービスしてくれてチャージされていない。
有り難いことだ。
これで4社のリン酸試薬が揃ったことになる。
早速比較テストだ。
|
測定結果 |
最低検出レベル |
RedSea |
0.15ppm |
0.1ppm |
Seachem |
0.00ppm |
0.01ppm~0.02ppm |
Dupla |
0.0ppm |
0.1ppm |
SALIFERT |
0.00ppm |
0.03ppm |
(※試薬の色が変化しない=ゼロとしている)どの試薬も使いにくくはない。
サンプル水に2種類の試薬を混ぜるだけである。
RedSeaとDuplaは#2試薬の粘度が高く、特にRedSeaのものはネバッとした感じで少々溶けにくい。
測定結果は上表の通りで、RedSeaのみ試薬に反応する。
これが水槽内の何かの成分を検知しているのか否かは不明だが、明らかに他の試薬とは測定結果が異なる。
ちなみにリン酸吸着剤を入れるとRedSea試薬でも0.1ppm(0.1ppm以下にはならない)に下がり、時が経てば0.1ppm以上になるのだからリン酸に反応していることは確かだ。
またADAのリン酸テスタと比較しても3ppm程度の濃度では差が見られなかった。
これらのことからRedSea試薬は低濃度リン酸測定に不向きであると結論づけたい。
試薬中で最も使いやすいというか、低レベルリン酸濃度を正確に測れるのはSeachemだろう。
比色紙がステップではなくリニアになっていて、そこに目盛りが付いている。
最低測定レベルは目盛り上は0.01ppmだが、色変化の度合いからすると0.02ppmと言った感じだろうか。
とにかくリン酸濃度が低く押さえられていることが確認できたので安心である。
他に概略値としてヨウ素濃度をSeachemで測ってみた。
本来はキャリブレーションしなければいけないのだが、これをまだやっていない。
と言うかこれがうまく行かないのである。
説明書によると4000ccの水にリファレンスを1滴垂らすと0.06ppmのヨウ素濃度になると言うのだが、どう測っても0.06ppmに達しない。
それでもSeachemでの測定値は0.05ppmに、SALIFERTでの測定値は0.04ppmなのでヨウ素濃度としては合格といえるだろう。
なおSeachemによるとヨウ素濃度は0.06ppmが好ましいらしい。
■ '00/6/13
ヨウ素もマグネシウムもテキトーに入れた割には適正濃度に近い値になっている。
問題のストロンチウムはSALIFERT試薬で4ppmとなった。
Seachemはまだ測定になれていないが、これで約6ppmと出た。
SALIFERTもSeachemも滴定試薬のほんの僅かな量で違いが出るというか、測定レンジが5ppm以下〜50
(40)ppmと広いので10ppm前後の所を測ろうとすると難しいのだ。
特にSeachemは工程が多い分誤差が生まれやすいような気がしてならない。
もちろんこれは私の行程処理精度が悪いからなんだけど。
いずれにしても適正精度と言われる10ppm〜15ppmが見えてきたという感じ。
Seachem試薬にはリファレンスが付属しているので、これで測定法を確認することが出来る。
が、何せ手続きが面倒なので1回測ると疲れてしまうって訳。
SALIFERTの試薬には「ストロンチウムを測るのは800個の白いガラス玉から10個のオフホワイトのガラス玉を見つけだすようなもの」とあるくらいだ。
なおSALIFERTで測定途中に検出されるカルシウム濃度は410ppmだった。
週末にもう少しストロンチウムが上がっているとすれば、定量の4倍を入れればよいと言うことになる。
現在はストロンチウム&モリブデンを使っているが、粉末のターボストロンチウムの方が安価である。
が、モリブデン補充も考えると現在のものの方が良いかな。
これら添加剤は約2リットル(64oz)入りを船便で輸入すればお得だ。
国内で250ccボトルを買うと\1,500位だろうか。
これと同じ値段で2リットル買える事になるからフトコロも助かる。
なお添加剤は常温保存で1〜2年は大丈夫だとのこと。
鉄は試薬を入手していないので未測定だが、サンゴ類には余り影響しないと言う話もある。
オトメハゼは今のところ元気にしている。
ミズタマハゼのような餌食いの良さはないが、ライブロックの下に穴を掘って巣穴にしたというか砂を濾しているというか、そんな感じだ。
タツがいなくなってしまったのでイサザアミ水槽を閉鎖しようかと思っている。
せっかく濾過バクテリアが安定した水槽を閉じるのももったいないが、空の水槽を回しておいてもバクテリアは休眠状態に入るだけだろう。
■ '00/6/15
添加剤を注文した。
主要5種類を4リットルずつなので20リットルになる。
これだけ買って$242だ。
って事は100cc辺りの平均単価が約\130で、国内の安売りで買うコーラルバイテが100ccあたり\700
もするのとは大違い。
国内でも64ozなり1galボトルを扱ってくれないかな。
が、これをUPSで空輸すると1Kg辺り\1,000程の運賃がかかるので2万円となり100cc辺り\100。
それでも日本で買うより余程安いが運賃がもったいない。
そこで船便で送ってもらうことも考えている。
船便だと6〜8週間の日程を要するが運賃は1/3以下になるはず。
船便で送ってくれるところもあるしUPSオンリーの所もあり、輸送方法で融通が利く所は概して品物代が高かったりする。
この辺りはドイツから買った方が安いのかも知れないが、ドイツは輸出時に非課税となる消費税相当額の還付方法がUSと異なる(面倒&立替が必要)ので海外通販を扱っている店自体が多くない。
スキマーを再調整した。
駆動周波数を少し上げてエア吸入量を減らす。
最近はサンゴに給餌でもしない限りは大量の泡を吹き出すことも少ない。
■ '00/6/16
先週買った(販売店曰く)スーパーブルーなのだが、相変わらずスーパーブルーにならない。
オマケに下の方は白化してるし先が折れてるところもある。
やはり生体は見て買わないとリスクが大きいな。
今日は仕事の都合で出かけたので、ついでに横浜のR店を覗いてみた。
マンションの1Fにあるその店は少し前から知ってはいたのだが、その頃は海水生物に興味がなかったというわけ。
で、初めて薄暗い店に入ってみた。
ミドリイシは色々あったが欲しくなるようなものにお目にかかれず、隣のラーメン屋で昼飯を食って退散した。
夕方には日比谷にいたので銀座のP店に行ってみようかとも思ったが、あそこの水槽でカーリーが飼われているのを私は知っている...11日に買ってきた水草だが、有茎類は買ってきたときの1.5倍以上に成長している。
特にパロットフェザーは2倍くらいになっている。
このままだとジャングルになるな。
トニナはすっかりイジケムードで、新芽が出るとフライングフォックスに食べられちゃう。
最近は以前のように大量に餌をやっているわけではないのでトニナを食べちゃうのだ。
が、トニナの方も食べられてもしぶとく脇芽を出してくる。
水槽セットから3ヶ月が経過しているが、今回は黒髭が出ていない。
液肥添加量が少ないのが影響しているのか。
或いは照明(波長)の影響なのか。
底砂は洗ったとは言っても古いものも使っているし、フィルタは洗わずそのまま使った。
変わった点と言えば液肥添加量と底床肥料、それに照明がメタハラになったということ。
旧90cm水槽でも黒髭は減少に転じて殆ど姿を消してはいたが、今回はまったく発生していないのである。
海水水槽のストロンチウム濃度を測った。
SALIFERT試薬で16ppmなのでOKだ。
もしかするともう少し上昇するかも知れない。
なおSALIFERT試薬の測定誤差は±5ppmである。
Sr測定中に解るカルシウム濃度は410ppm±2%だったのでこちらもgoodだ。
マグネシウムもSALIFERT試薬で1155ppmなのでこれも適正濃度である。
NO2<0.1ppm(TETRA),NO3<0.1
ppm(TETRA),KH8(TETRA),pH8.2(HORIBA),PO4<0.01ppm(Seachem),I-=0.06ppm(Seachem)で測れるものは全て問題ないレベルだ。
硝酸塩は多少あった方が良いらしいが、反硝化が機能してしまうとこれを上げることは(添加無しでは)難しい。
スキマーを止めると硝酸塩が上がるかも知れないが、他の微量元素濃度も相当上がると思う。
なので急にスキマーを止めればバランスが崩れること必至だ。
カルシウムリアクタに使おうとしているコラリスの成分は以下のようになっているらしい。
Al |
3ppm |
Ag |
0.04ppm |
Na |
0.3ppm |
Ca |
18000ppm |
Sr |
2.1ppm |
Co |
0.03ppm |
Fe |
2800ppm |
Ti |
0.03ppm |
Mg |
43ppm |
Mn |
3ppm |
Ni |
0.6ppm |
Ba |
0.03ppm |
S |
86ppm |
P |
なし |
Zn |
1ppm |
V |
0.05ppm |
主要成分としてはカルシウムと鉄って訳か。