UPSの中身


アキバでジャンクのUPSを買ってきて貰った話を雑記に書いたら、それをご覧になられた方から「不要なUPSがあるので要りませんか」とのmailを頂いた。
ジャンクのUPSが一台で寂しがっていたところ(?)なので丁度良い。
しかも1200VAの容量があるというからジャンクの500VAの2倍以上だ。
タダで頂いて良いのか気が引けないでもなかったが、有り難く頂戴することにした。
この時ばかりは個人のホームページを公開していて良かったな,と思う一瞬である。
左がジャンク(\3,500) 頂いたからには内部拝見と行かなくては失礼に当たるだろう。
いや、その前にジャンクのUPSの内部からご覧頂こう。

バッテリは12V-2.2Ahが4個直列の48Vである。

これをスイッチング電源で140V程度に上げてから55Hzでスイッチングして出力を得ている。
出力波形は3倍高調波が最小になるように計算されていて、出力フィルタと共に高調波成分が低くなるような努力が見られる。
波形が上下対象なら偶数倍の高調波は出ないわけで、3倍の次に出る5倍の高調波は基本波との周波数差が大きいのでフィルタで取り除きやすい。

これで何故3倍高調波が少なくなるかだが、基本波と5倍、7倍の正弦波を加算してみていただきたい。
こんな波形になることがお解り頂けると思う。
このUPSは500VAで、電池は48V-2.2Ahの約100Whである。
Celeron改のPCを接続したときの(DC)電流は約2.6Aだった。

次に1200VAのUPSを見てみることにする。

バッテリは12V-5Ahが5個だから、電圧は60Vで300Whの容量という計算だ。
基板を見ると何やらCPUらしきものが乗っている。
そう言えばリアパネルにはRS-232Cのコネクタが付いている。

CPUは68HC11で水槽振動子は16MHzである。
この基板に隠れてパワー回路が見えないので、裏側を開けてみた。

バッテリの裏側の向こうにパワー回路が見える。
右側はちょっと見にくいが、クーリングファンとヒートシンクだ。
パワー回路はこんな感じ。

これもスイッチング電源で140V前後の電圧を作り、それを商用周波数でスイッチしている感じである。
大型のトロイダルコアが見えるが、50Hzのトランスではない。
サスガに1200VAもあると電気ストーブ(800W)も駆動できるし、突入電流の大きなクーラさえ動かすことが出来た。
トランスタイプ(主に正弦波出力)は突入電流の大きな機器は駆動できないのが普通なのだが、もしかすると高圧DC電源+スイッチ回路の方が大電流ドライブが得意なのかも知れない。