WAXの品種と特性
私が今まで使用した経験で、WAXの種類と特徴をまとめてみた。
AUTOFOMボディークリーナとクリスタックスコート
そもそも事の起こりは1通のE-mailから始まった。
「TVの通販コーナで紹介されているAUTOFOMなる製品をテストしてもらえないでしょうか」と言うもの。
ボディクリーナは、通常の洗浄成分の他に「フォンブリンA」が配合されてい紫外線や汚れからボディを保護するというもの。
また「フォンブリンA」の定着を促す「フェードブロック」なるものも配合されているという。
このmailを下さった方、同じ通販番組で紹介されているWAXを実際に購入していると言う。
これが能書き書、NASAなんて文字を見ると、どうにも胡散臭い。
mailを頂いた方によると、このシャンプーとWAX(クリスタックスコートのことか?)と洗車セットで6.8千円だという。
結構高い。
とりあえずTVを見て購入を決めようかと思っていたところ、再度mailを頂き、「イエローハットで680円です」って。
mailを頂いたその日にイエローハットで購入したのがこれだ。
どちらも680円で、大沢商会が輸入している物。
WAXコーナのすみの方にひっそりと、それは置いて有ったのだ。
さて、実際に使用するのだがボディクリーナの能書きには、帯電防止効果をうたってある。
静電気を寄せつけないから、細かなほこりなどがボディに付着しないらしい。
都市部では、砂埃などとは無縁だろうし..どうやってテストしよう。
色々考えたあげく、フッ素99を実験台にすることにした。
こいつはフッ素系のコート剤なのだが、ふき取りの時に出る粉が帯電しやすくて、ボディーから離れたがらないのだ。
従って、コイツをふき取った後は濡れ雑巾で軽く拭いてやる必要がある。
ボディクリーナは、ドロッとした青い液体で最初は水に溶けないのではないか?と思う様な素振りを示す。
(洗車直後)バケツの中でかき混ぜながら水に溶かして、スポンジで洗車する。
能書き書には「キャップ1杯を10リットルの水で溶かす」と有るが、そんな濃度では全然泡立たない。
カーシャンプーは、汚れ落としと共に泡やヌルヌルで砂埃を包み込んでボディーにキズが付くのを防止するはず。
とりあえず規定量の数倍を溶かして使ってみた。
洗車の後、フッ素99を塗りふき取ると..確かに帯電防止効果はあるようだ。
これが持続的ものか?一時的なものかは不明だが。
ついでにホイールも洗ったから、コイツの保護効果(ブレーキダストの付き具合)も分かると思う。
次にWAX(クリスタックスコート)をテストする。
ボディクリーナも必要十分な保護効果があるらしいが、クリスタックスコートを使用することでより一層の保護効果が長期間得られると言う。
つまり、ボディクリーナのみではたいしたこと無いと言う意味か..?
(乾いた頃)向かって右側がフッ素99,左側にクリスタックスコートを塗った。
サンプル車両は屋根無し駐車場に置いて有るVitaだ。
ふき取り性は...
フッ素99も楽な方だがクリスタックスコートの方が良い。
艶は.......
誰が見てもクリスタックスコートの方が良い。
撥水性は.....
ふき取り直後に水をかけて見たが..差は感じられない。
耐久性は.....
1ヶ月もしたらまた報告する。
これで耐久性がフッ素99を超えたら結構使える。
有機溶剤系の臭いはするのだが、イヤな臭いじゃない。
ノーコンパウンドらしいが、汚れもそこそこ落ちる。
ワックスを掛けてから3週間が経過した。
そろそろ違いが出てきたので報告する。
洗車して、汚れを落とした後に水をかけているところ。
フッ素99を塗った方が、明らかに良く水をはじいている。
なお、艶に関してだが1週間後の洗車時には差が無くなっていた。
クロスタックスコートの輝きは1回目の洗車までの命らしい。
水をかけてから放置すると、この様な感じ。
ワックス分が完全になくなっているわけではないから、撥水性は悪いもののベターッとした感じとは違う。
こんな風になってきたから、今日は再ワックスがけだ。
使ったのはクリスタックスコートの方だ。
ふき取りが簡単なのと、もう一度耐久性を確認したいからだ。
カルナバ系固形ワックス
インペリアルブライトマスターをはじめとする、いわゆる固形ワックスの代表だ。
天然ロウに若干の性能向上剤を含有したこれらは、20年以上も前から使われている。
販売店に行くと、コンパウンドの有無から車両カラーを指定した物まで多くの種類があるが固形ワックスの原型とも言えるインペリアル系はお勧めだ。
これら固形ワックスの特徴は、艶出し性に優れていること。
皮膜が薄いことで、皮膜表面での乱反射がないから車両本来の色で輝く。
小さなキズ(目視できない程度)にはワックスが入り込んでカバーしてくれる。
「そんな小さなキズなんか無いよ」って人。
あなたはワックスを使うべきではない。
この手のワックスは、ボディーの小さなキズやデコボコに入り込んで密着する。
従って、キズのないボディーには定着しないのだ。
汚れ落としとワックスがけをいっぺんにやりたい向きにはコンパウンドや石油系溶剤の入ったモノがお勧めだが、固形ワックスを使うこだわり派はノーコンパウンドを使うだろう..な。
今は売ってないケド、チタンコート
チタンコートの商品名で売られていた。
ガラス瓶に入った、水のような粘度の液体は空気中の水分と反応して固まる。
だから、一度に使い切らなくては行けない。
この2千円以上するモノ、高価なことだけ有って耐久性は抜群だ。
屋根無し駐車場で3ヶ月は楽勝で効果を発揮する。
塗るのは非常に簡単。
水みたいなモノだから、スポンジで軽く伸ばせばよい。
コンパウンドの類はいっさい入っていないから、汚れは事前に落としておく必要がある。
ふき取りはコツがいる。
半がわきの内にふき取ろうとすると、乾いていないモンだから拭きむらになってしまう。
一方乾き過ぎるとふき取りは非常に面倒だ。
艶は良くない。
表面にチタンの皮膜が出来るためだろうが、若干くもって見える。
イオンコートの初期に発売されたモノ
高耐久コート剤の出始め。
塗るのは簡単で、汚れもそこそこ落ちる。
コンパウンド含有率が高いとは思えないが、石油系溶剤でキレイに成るのだろう。
塗るのは簡単だが、ふき取り時にムラになり易い。
そして、肝心の耐久性も??である。
なお、現在売られているモノは、その当時から2回以上の改良を加えられたモノ。
私は、最近のモノは使ったことがない。
フッ素99
これは、ここ何年か私が使っている物。
塗るのは簡単。
白い乳液状の液体だ。
コンパウンドは入っていない。
汚れ落としは石油系溶剤で行うようだ。
耐久性は高い方である。
屋根無し駐車場で1〜2ヶ月は大丈夫。
汚れも付きにくくなる。
ふき取りも簡単な方だが、白い粉が多量に出るのが難点か?
耐久性と引き替えに、艶は良くない。
やはり、半透明なテフロン皮膜が形成されるためだろうか?
しかし、モノグサな私にはこの耐久性は手放しにくい。
淡色系の車なら、艶の善し悪しは目立たないだろうからお勧めだ。
と、言う私の車は黒に近い紺なのだが..
Liquid Glass
アメリカ辺りで有名なコーティング剤。
元々はカリフォルニア辺りの会社が作ったのかな?
数年前は随分はやっていた。
大体、カリフォルニアは雨が殆ど降らないから日本の気候とは全く違うのだ。
だから、耐久性はない。
一度雨に降られれば流れてしまうような物だ。
でも、艶は抜群だった。
ショーモデルにも通用するくらいの光沢が得られる。
塗り方、ふき取り方で拭きむらが出来てしまうから、その点細心の注意が必要だが屋根付き駐車場で、雨の日に乗らない濃色系の車をお持ちの方は一度試してみてはいかがだろう。
ただし、塗装面が荒れていては効果半減だ。
塗装についても..
塗装の話が出たついでに,全塗装をお考えのあなた、塗料にこだわりはあるだろうか?
イタリアの空の下で見るフェラーリレッドや、深海を思わせるような深い青を表現したいならグラスリッドやレゾナールと言った、ヨーロッパ高級車に採用されている塗料を選ぶべきだ。
これらは決して特殊な物ではないし、日本でも入手は簡単だ。
これらの塗料をウデの良い工場で塗れば、ショーモデルの輝きを手に入れることが出来る。
塗料代は割高には成るが、それに見合った品質になると言う事を考えてみよう。
ボディーコーティング
ポリマー系ボディーコーティングも耐久性は高い。
耐久性と艶出し性を兼ね備えたという事では、他にないだろう。
但し値段も高いけどね。
耐久性だが、1年間保証ってのは??だ。
確かに屋根付き駐車場では1年以上の耐久性があると思うが、屋根無しでは10ヶ月が良いトコか。
10ヶ月間ノーワックスで行けることと、それなりの艶を維持できることに対して数万円が高くないと考える向きにはお勧めだ。
なお、ポリマー表面は非常にツルツルになるらしいから、その上からWAXをかけても無意味。
すぐ取れてしまう。