イオンコートバリアを試す
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親水性WAXなる、市販品としては毛色の違ったイオンコートバリアを使ってみることにする。
これまでのWAXテストでは、主に撥水性を耐久性の基準としてみていたがこいつはどのように評価すべきだろうか?親水性だからWAXが落ちた状態と同じように水をはじかなくなるのがWAX効果のある状態だ。
このWAXが落ちてしまっても水をはじかないわけで、汚れの付着具合に大きな差がなければ評価が難しい。
親水性WAXが汚れを寄せ付けない(雨水で汚れが流される)仕組みは以下のように説明してある。
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このWAXの実験台としてはA160を使用した。
これは屋根無し駐車なのでこの梅雨時期には雨にさらされている。
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納車が5月29日だったので本日(6月20日)で丸3週間を経過したことになるが、納車時のサービスワックスは屋根で効果を失ったもののサイドパネルなどはまだ十分な撥水性がある。
そこで左側のみイオンコートバリアを塗布せず、他の部分には洗車後に塗布してみた。
塗るのは他のコート剤同様簡単で、乳白色の低粘度の液体はノビも良い。
ふき取りに関しても液体或いは半練りワックス程度の簡単さで、イオンコート(バリアではない)と同等か簡単なくらいだ。
塗布したのが曇り空の日だったこともありツヤに関しては十分な評価が出来ていないが、これも一般コーティング剤程度と見て良いだろう。
激艶クリアのようなヌメるようなツヤには至らないがフッ素コートのように、全体に曇ったような感じになるわけでもない。
イオンコートバリアを塗布してから2週間が経過した。
この間に洗車もしたし大雨も降った。
そこで泥汚れの付き方を観察してみることにする。
場所は最も泥ハネしやすいフロントフェンダーとドアの間である。
まずはイオンコートバリアを塗布してない方の側面だ。
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ポツポツと泥の後が見える。
次にイオンコートバリアを塗布した側。
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こちらにも泥の後がある。
光の加減で写り方は違うが、肉眼で見た感じに余り差はない。
まだ撥水性が残っているのが原因かも知れないので、今後も観察を続けて行くつもりだ。
イオンコートバリア塗布から1ヶ月が経過した。
まずは最も撥水性の失われたルーフ部分の様子だ。
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確かに親水性にはなっているが...ここ2週間は洗車をしないで様子を見ていたのだが、サスガに雨の日が多いと大気中のスス(ディーゼルスモークが原因らしい)で水垢が付着する。
イオンコートバリアを塗っていない方のドア部にもクッキリ線が入った。
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ではイオンコートバリアを塗った方はどうか?残念ながら塗らなかった方と見た目の違いはない。
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双方とも指で擦れば黒い線は消える。
しかし水をかけただけでは消えない。
そもそも親水性になっているのかという問題がある。
確かにルーフは水はじきが悪くなっているが、サイド部分はさほどではないのだ。
イオンコートバリアを塗った側はこんな感じ。
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塗らなかった側もさほど違いがない。
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もう一つ気になる点は汚れがベッタリ付着することである。
例えば鳥の糞などが、撥水性ワックスが効いている部分に付くと玉状になる。
これが親水性ワックスの部分に付くとより広い面積にベタッと付くのだ。
A160であまり効果が分からないのでSLのサイド部にも塗ってみたのだが、これも普通のワックスとの違いは見えてこなかった。
イオンコートバリアに関しては、これを使用されている方からメールも頂いた。
その中で「汚れが落ちるという能書き通りにはならない」と感想が述べられていた。
イオンコートも出始めの頃はふき取りが面倒な割に耐久性がなかったが、それが改良されて現在に至っている。
どうも同社のワックスは出始めの製品に難があるように思うのだが如何だろうか?少なくとも今現在の製品を使うメリットは感じられなかった。
先週に引き続いてイオンコートバリアの様子を見ていたわけだが、洗車時にも落ちない汚れの付着が気になってきた。
普通の撥水性ワックスが効いている状態では、汚れが付いたとしてもポロッと洗車時に取れることが多い。
しかしイオンコートバリアではベタッと付着している感じで取れにくいのだ。
例えばタール汚れがこんな感じで付着している。
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カーシャンプーで擦れば落ちそうなレベルに見えるがそうではない。
石油系溶剤入りワックスを使っても落としにくいほど強固に付着しているのだ。
親水性がそうさせているのかどうかは謎だが、とにかく車全体が薄汚れた感じでよろしくない。
洗剤で車を洗った後のふき取りでもタオルが汚れるに至っては、もう一度洗車したくなるほど。
って訳でイオンコートバリアの評価は本日で終了とした。
念入りな洗車後に普通のイオンコートを塗って化粧直しを行ったのだ。
たぶん私はイオンコートバリアを二度と使うことはないだろう..
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