Webカメラ用録画プログラム
BL-C10は人感センサが付いているので、それ自体でも防犯用途に使えないことはない。
ただしセンサ稼働時に動画を記録しようとすると内部メモリはすぐにいっぱいになってしまうし、録画画像は連続読み出ししか出来ないのですべての記録画像を連続して見ることしか出来ない。
それが不便だからかどうか知らないが、BL-C10には松下製の録画プログラムであるBB-NCP100の試用版が付いてくる。
試用版は30分の時間制限が付いているが、その他の機能は製品版と同様であると思われる。
このソフトは動体検出ロジックが組み込まれていて、画像が変化するとその状態を記録するというもの。
動体検出の変化量や変化幅、感度など一通りの調整は出来る。
実売価格は2万円前後ではないかと思う。
松下でもBL-C10などはホームネットワーク製品で、ビジネス用のモデルとはちょっと違う。
(でもサポートはホームネットワーク製品の方が好ましく、ビジネス用途の方はレスポンスが悪すぎる)ビジネス用としても動画録画ソフトは発売されていて、こちらはBB-HNP11で実売価格は3万円を超える。
ほかにもサードパーティーからいくつかの録画ソフトが発売されているが価格はずいぶんと高めなようだ。
今回はNCP100とHNP11を比較してみようと思う。
【同時接続可能カメラ台数】NCP100は2台まで。
HNP11は無制限。
NCP100は2台までに限定されているが、後述するようにソフトの実行速度の問題で2台が限界だろう。
HNP11の方は速いCPUと多くのメモリがあれば10台以上のカメラを接続し録画することが出来る。
(らしい)【動作速度】NCP100はとにかく遅い。
動画対応カメラでも、このソフトで録画すると毎秒2〜3枚しか記録されない。
まるでパラパラ漫画のようである。
毎秒2枚というと、カメラの前を人が横切ったような場合は有効な画像が記録されないなどと言うこともあり得る。
HNP11は比較的軽快だ。
CPUがCeleron333MHz程度のノートPCでもちゃんと動画が記録出来る。
メーカ推奨はもっとハイパワーPCなのだが、カメラ台数が1〜2台であれば1GHz以下のクロックのマシンでも十分ではないかと思う。
ただしQVGA記録の場合で、VGAサイズで記録したいのならば更にパワーのあるPCを使うべきだと思う。
【画像ファイル関係】画像ファイルはいずれのソフトもモーションJpegなのだが、それぞれ独自で互換性のないファイルとなる。
NCP100は1時間ごとにあたらしいファイルが作られる方式で、それを見るときには録画プログラム本体が必要だ。
しかも1時間分が1ファイルで早送りや戻しも出来ないので不便である。
(再生速度は変更出来る)ただしネットワークドライブへのアクセスをサポートしているので記録用のPCと閲覧用PCを使い分けることは簡単だ。
画像は一般的ファイルへのコンバートが可能だが、一々変換しなければいけないのは面倒だ。
HNP11も同じくモーションJpegなのだが、こちらは動体検出ごとに別ファイルが作られる。
動体検出時の様子を見るにはこちらの方が良いし、タイムスタンプも見やすいのだが一括で閲覧出来ないのは何とも疲れる。
ファイルを複数セレクトしてまとめて見るくらいの機能がなぜ入れられなかったのか不思議だ。
こんなもの、一回使ってみれば使いが手の善し悪しは分かるはず。
仕様を書いたやつがアホなのか。
そして今時ネットワークドライブが使えないと言うのも×だ。
バックアップ機能はあるくせにネットワークドライブは使えない。
多くのカメラと記録ソフトが動いている環境では、それらを一括してチェックしたいと思う。
今時ネットワークドライブが使えないなんて、やはり松下で仕様を書いたやつはアホだ。
そしてこれもファイルは独自仕様であり、録画ソフトでなければ閲覧は出来ない。
従って記録用と閲覧を別のPCで行いたい場合には、このソフトを2本購入(ライセンス的に)して別のマシンにインストールし、data以下のデータ全部とindex以下のデータ全部を自動コピーするような仕掛けを立ち上げておく必要がある。
こうすれば閲覧用マシンで記録画像を見ることは出来る。
ちなみにdata以下のファイルは画像本体で、index以下にあるのは画像のデータ参照用ファイル。
この両方がなければいけないのはNCP100より厄介だ。
HNP11にはトリガ以前の画像も記録出来るようにキャッシュが付いている。
と言うか今時だからこれは当然なのだけれど、NCP100にはこの機能がない。
いずれにしても、例えばUSBカメラ用のフリーやシェアウエアと比較して機能的に優れている面は見つけにくい。
NHP11にしても、どうやら動体検出後のタイマ動作中(動体検出前と動体検出後に定時間だけ記録する機能がある)にはリトリガしないようで、動く→止まる(タイマによる記録開始)→動くと言うような場合はタイマ記録中の動体を検知しないようだ。
これは仕様と呼ぶにはちょっとお粗末で、やっぱりバグなんじゃないかな。
おそらく松下Webカメラ用にアマチュアがソフトを作ったら、市販品よりよほど気の利いたものが出来ると思う。
ただし現状では松下製録画プログラムを選ぶ意外に(安価に手に入れる)方法はない。
NCP100は松下のサイトからダウンロード出来るので、松下製We
カメラをお持ちの方は(BL-C10以外でも)試してみると良いだろう。
もしかしたら高速CPU搭載マシンなら動画が記録出来るかも知れないから。
なお再生時にもそこそこのCPUパワーは必要だ。
松下製Webカメラはパンやチルトの出来るものが多いのだが、例えば指定時間ごとにカメラの向きやズーム比を変えて記録したいという要求もあると思う。
だがこのソフトはそれには対応していない。
NHP11の前にはNHP10というアプリが販売されていたのだが、果たして機能アップは図られたのだろうか。
録画ソフトの不具合なのかカメラのファームがいけないのかよく分からない(サポートにメールで問い合わせるも未だ返事なし)のだが、画像最下部に画像とは全く関係のないノイズが入る。
このノイズを動体検出して録画してしまう事がある(感度設定等によって異なる)のは非常に不便だ。
ホームネットワーク製品であるBL-C10などのサポートが親切丁寧なのに対し、ネットワーク製品関連のサポートは決して褒められたものではない。