Webカメラをバラす。



4年近く屋外で活躍していたHCM180が不調になった。
画像自体は送り出してくるものの、どうやらフォーカシングがうまく行かない感じだ。
パンやチルト、ズームは働いているようなのだがフォーカスはうまく行く場合とそうでない場合がある。
松下の家電関係の修理体勢は評価できるのだが、We
カメラ関係はお世辞にも良いとは言えない。
それに屋外設置という規格外使用なのに加えてメカニカルなトラブルなので例え修理できるにしても修理代は結構高いだろう。
実は以前にBL-C10の修理に関して問い合わせたことがあるのだが、あっさり「買った方が安いです」と言われた次第だ。
メカニカルトラブルだと修理は難しいだろうが、一応中を開けてみることにする。
ハウジングからHCM180を取り出してみると、何と熱でハウジングが変形しているではないか。
やはり屋外設置は過酷なのだ。
ばらし途中の部品の図、やたらネジが多い。
こんな組み立て性の悪いものは珍しいと思う。

組み立て性の悪い原因がこのカメラユニットである。
おそらくハンディビデオカメラ用のユニットをそのまま使ったのだろう。


このカメラユニットをパン&チルト可能なハウジングに納めた構造だ。

CCDユニットには赤外線フィルタが付いている。
この緑色のフィルタを外すとスケスケカメラが出来上がる。


これはズーム用の送りネジだ。
このネジに樹脂製のパーツが接触(ナット構造ではない)してレンズを前後に動かしている。
ネジは金属製だが受け側がプラスチックなので耐久性に問題があるし熱にも弱いと思う。

これが受け側である。
指で押してみるとある程度の摩擦は確保されているが、コの字構造なので熱で開いてしまったのかも。

カメラユニットのCCD側、フォーカスレンズ付近をバラしたところ。

こちらも構造は同じで、送りネジと樹脂部品によるレンズ移動式になっている。

送りネジ部分と組み合わせたところ。
これは周りのケースを外しているため見ることが出来るが、本来は樹脂ケースの中である。

故障の原因はこの部分だ。
耐熱&固い樹脂で出来ているとは思うのだが、でもスリップしてしまうわけだ。
そもそもハンディビデオカメラのフォーカスを何時間も何日も連続で動かすことなど無いだろう。
しかしWebカメラの場合で周りの照度が足りないとコントラストピークが検出できないために何時間でもフォーカシングしっぱなしになる。
そもそもの設計目標値がハンディビデオとWebカメラでは異なるはずで、それを流用したのだから耐久性に難があっても仕方ないはず。
しかも規格外の温度の中でこれが行われていたのだ。
一応再組み立てし、樹脂部分を指で少しつぶして?トルクをかけ、仮に組んで動作させてみるが…

動作しない。
実は動作しないのには訳があって、バラす時にフレキのコネクタを1つ壊してしまったのだ。
これも樹脂製なのだが、脆くなっていてヒビが入ってしまった。
よって接触不良が解決できず動作に至らなかったのである。
この部分を直せばもしかしたら動作するかも知れない。