メタハラテスト 経年変化編


水槽用メタハラの可視光照度や紫外線量、色合いなどは過去にテストしてきた。
で、今回は経年変化を調べてみる事にする。
経年変化の測定には時間がかかるし、測定条件を一定にしなければいけない等の難しさもある事から、現時点で明確に経年変化を記したホームページが見つからない。
そこで自ら測定してみようと思い立ち、1年間に渡って照度測定を行った。
測定したのは以下の通り。
灯具 管球
TFW サンライト ブルー球
アストロビームライト コーラルグロゥ
アストロビームライト コーラルグロゥ
アストロビームライト アストロビーム
スーパークール旧型 BLW
スーパークール旧型 SWW
スーパークール新型 BLW
スーパークール旧型 SWW
わずかにアストロビームライト+コーラルグロゥのサンプル数が2点である以外は全て1点のみの測定になった。
従って統計的平均処理など出来ない訳で、あくまでもアマチュアが測定した参考値と言う事をお断りしておく。
グラフは毎月の測定値の移動平均を取ったもので、これは測定値にバラつきが大きかったからである。
毎日測定したりすれば更に精度は高まるのだろうと思うが、残念ながらそこまでは行っていない。
グラフの縦軸は照度(Lux)の1/1000の値、例えばこの数値が80だとしたら80×1000=8万Luxという見方になる。
横軸は月数+1を表している。
つまり横軸が13の所が1年目の測定値と言う事である。


【TFW サンライト70の場合】

70Wのブルー球という事もあって、新品時の照度も高いとは言えない。
測定開始からわずか8ヶ月で新品時照度の1/2まで低下し、1年後には1/3近くにまで下がってしまっている。
これが70W球だからなのか、或いは照度を稼ぐために多めの管電流にしているのかは分からない。
球の価格は70Wでも150Wでも250Wでもさほど差がないので、この測定を見る限りに於いて70Wのブルー球を選択するメリットは感じられない。
【アストロビームの場合】

寿命が短いと言われているアストロビーム球だが、1年を経過しても新品照度の半分までは落ちていない。
ただ、コーラルグロゥと比較すると新品照度はだいぶ低い。
これが色温度(照度測定器は視覚感度補正されている)によるものなのか、発光効率によるものなのかは不明だ。
【スーパークールの場合】


上の二つのグラフが新旧灯具にSWWを付けた時の照度変化だ。
新灯具の場合は9ヶ月程度で新品時照度の1/2まで落ちたが、旧灯具の場合は1年後にも照度低下は1/2以下だ。
ただし3〜4ヶ月目から急激に照度が落ちるのは両者共通している所。


傾向としてはSWWの場合と余り違わないように思う。
寿命が短いと言われているスーパークールだが、実際には新品時の1/2に照度が落ちるまでには1年以上はかかるという事だ。


コーラルグロゥの照度低下は、1年後で新品時の7割程度だろうか。
これはスーパークールより多少寿命が長く、アストロビームよりは明確に長寿命という事になる。


電子安定器の場合は定電力ドライブ(或いは定電流)されているはずなので、球への入力電力は明るさを問わず一定だと思う。
しかし可視光パワーは落ちてくる訳で、その代わりに(たぶん)赤外域(熱線)放出量が増えているのではないだろうか。
結局、電気代を熱にしているだけで明るさはどんどん落ちてくる。
経験的に(諸先輩方は)年に1回は球を変えましょうなどと言っていた訳だが、もしかすると年に1回では(効率の点からのみ見れば)長すぎるのかも知れない。
球を変えたらサンゴが色落ちしたなどと言う話しも聞くが、実際照度が1.5倍とか2倍に、急に増えたらサンゴも驚くに違いない。
水草水槽などでは照明をいっぺんに取り替えるのではなく、多灯の場合は時期をずらしながら、常に新品のそうでないものが混ざっている状態を保って変えていくと良いとされている。