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◆ インターネット上の掲示板、特に匿名掲示板ともなれば様々な噂がT9入力方式は予測変換を用いることでキーストロークを少なくしようと言う入力方式である。
本家には日本語版のデモもあるので、まずはご覧頂きたい。
欧州などでは比較的ポピュラーと言われるT9方式だが、日本語の複雑怪奇さになかなか対応出来ずに携帯電話メーカが採用しなかった。
本家では積極的な売り込み攻勢をかけていたようなのだが、それでも日の目を見なかった。
が、ここに来てNECが採用したことで一躍有名になったと言うことか。
但し日本での採用はこれがはじめてではない。
◆ T9方式を使ってみると、いわゆる定型文的な決まり文句の入力は極めてスムーズに行える。
『お疲れ様です。私は今出張先におりますので、追って連絡させて頂きます。』なんて文章は、ちょっと学習レベルが上がってくれば難なく変換してくれる。
もう一つ、T9を使いこなすのは人間の力だと言うこと。
連文節変換は多くの文節をいっぺんに入力した方が(前後の意味が分かるので)変換効率が上がる。
もちろん携帯用の日本語変換エンジンはメモリ容量の関係もあって、文節の相関解析レベルは低いのだが、実はT9はこれと相反する動作をするのだ。
◆ T9は単語レベルでの辞書しか持っていない。
従って、「おはようございます」程度は一発変換出来ても、もっと長い文章にすると変換しなくなってしまう。
当然の事ながら1語増えれば組み合わせパターンはグッと増えるわけだからそれも当然である。
あまり長い文章を一発変換出来ないT9と、長い文章の方が変換効率の上がるかな漢字変換。
この辺りをどう攻めていくのかは今後の課題かも知れない。
◆ さて、このT9入力方式で何故カーソルキーを多用するのかという話。
「おはよう」と入力するためには「あ・は・や・あ」とキーを押す。
すると「おはよう」の他にも「いひょう」や「おはやい」や「あほよう」や「1681」などの候補が出てくる。
当然ながら「おはよう」を学習させてあるのでそれがトップに出てくるわけだが、他の候補を選びたい時にはカーソルキーでこれを行う。
表示されている候補で良ければ一旦それを確定させ(T9の確定)、その後に漢字変換させて、その時にも候補が多ければカーソルキーでそれを選んで再度確定(かな漢字変換の確定)となる。
こうして文章を作ってみると、テンキーの押下回数は激減しているにもかかわらず、カーソルキーと変換キーの押下頻度は上がっている。
続く…
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