来月から(8/18)
◆ 来月からauもSIMカード対応移動機にシフトし始めるようだ。W-CDMA陣営は既にGSM等では一般的になっているSIMカードを使っているが、2Gから何となく3Gに移行してきたauはこれへの対応が後手に回っていた感がある。しかし時代の流れなのか、来月発売予定のWIN端末(W32SとW32H)からSIM対応になると言う。これを採用する一つの要因としてWIN端末はグローバルパスポート機能が(今のところ)無いこと、グローバルパスポート(国際ローミング対応)移動機はコストがかかるために全機種対応にはなっていない(と言うか一社だけしか対応していない)事があるだろう。そんな時にSIM対応ならばGSM移動機にこれを差し込んで国際ローミングが簡単に行える。
◆ au機では従来から機種情報を送出出来る仕組みになっていて、加入者番号(電話番号)と利用機種を別々に管理できる仕組みは出来ていた。FOMAなどでもこれは行われているから、ダウンロードしたアプリや着メロはSIM情報と紐付けられている。
要するに他人のSIMを借りてダウンロードした情報は自分は使えないと言う事なのだ。これは移動機情報を意識してサーバに渡さなくても、移動機内の処理としてもロックがかかる仕組みになっている。そうでもしなければ月額○円で着メロ取り放題なんてビジネスモデルは破綻してしまう。しかしauのSIMはSIM無し移動機に一旦これを挿すと、移動機がSIM情報を記憶してしまって他の(auの)SIMを寄せ付けなくなるのだという。これを解除するにはauショップで機種変更手続きを行わなくてはならず、auは2千円の儲けとなる。機種変更に要する手間よりも儲けの方が充分大きく、SIM化によってこの儲けを手放すのは惜しいというわけか。
◆ 数年後に控える周波数再編への柔軟な対応をSIMによって実現したい思いもあるだろう。800MHzの従来バンド対応機から新バンド対応機へ、或いは2GHz対応機へのシフトが一斉に起きたらauショップは大変なことになる。それでなくても急増した加入者数に耐えられなくなった管理システムがダウンして、新規登録が遅れたり出来なくなったりという事態がこれまでにも起きていたのだから。周波数再編よりも以前の、おそらくは来年の今頃には実施されるであろうMNPにも関係する。大方の予想ではドコモからかなりの加入者がauへ流れ込むと見られていて、管理システムそのものを簡略化出来なければ混乱が起きそうな勢いなのである。そして前記特定移動機には特定SIMをという策は、移動機の使い回しを面倒にしてインセンティブモデルを破綻させない(本当か?)効果もあるのだとか。
◆ 各事業者がMNPに向けてどんな秘策を打ち出してくるのかはなかなか見えて来ないが、私を含めた継続利用者は継続利用期間がリセットされてしまう事をデメリットと感じるかも知れない。もっとも5年を超えて使っていたとしても高々15%(ドコモ,11月から料金プランを変更すれば25%まで割り引かれる)でしかなく、だったらauの1年目から15%引きと同じではないかと言われればその通りなのだ。そのauは6年目にリミットの2割引(WIN),3.5割引(1X)に達する。エリア展開もサービスも現時点ではauの方が上だと思うのだが、唯一中高生に支持されないであろう点としては、勝手アプリと呼ばれる自作BREWが実質製作できない事か。
例えば私にしてもフリーのフルブラウザやTelnet,POPメーラなどを使っているわけで、これが無くなるのはちょっと痛いなとも思ったりする。有償ゲームに限ればBREWでもかまわないとは思うのだが、果たしてそれを期待する層はどう思うのか。
Q社のチップを使うFOMA移動機はBREWの上でjavaVMを稼働させるという。auもそれらのことを考えても良いのではないだろうか。
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