訳あり商品の訳(11/14)
◆ ネット販売が一般化して訳あり商品といわれるものが広く出回るようになった。従来は廃棄されたり再加工の後に加工食品や動物用飼料などに回されていたものを安く売るというビジネスだ。従来は販売ルートそのものが確保されておらず、一部には店頭販売しているところもあって行列が出来たりするものの全国規模というわけではなかった。
それがネット販売などにより、或いは通販番組によって宣伝されると、安価な訳あり商品を好んで求める層も出現した。同時に訳あり商品を積極的に取り扱うショップも増えたことから、今度は訳あり商品市場が活性化して価格が上昇するという場面になってきた。
◆ このあたりの値付けは難しいところで、訳あり商品には訳あり商品にふさわしい価格がある。しかし訳あり商品ですよ特価ですよと書かれていると、特別な価格ではないにもかかわらず売れてしまうみたいな所もあり、それによって大きな利益をあげるショップも見られる。特に生鮮品などだと定価があるわけではないのと産地や仕様によっても価格差が大きいために何が適正価格なのかがよく分からなくなる。通常3,980円の所を訳あり商品なので2,480円ですよと表示されていたとして、では通常価格でどこかで売られているのかというと、それが見あたらない。でも何となくお得な感じがしたから2,480円で買ってみたら、近所のスーパーでは同じものが1,980円で売られていたなんて笑えないような話もあるのだ。
◆ こうした一種のはやりものは多くの販売者が群れをなしてくるので消費側も注意を怠ってはいけない。おそらくいずれは自然淘汰されるとは思うのだが、たとえば信頼性の高い販売者の訳あり品より小さなネットショップの訳あり品の方が安いとか、そうした差は当然生まれてくるだろうしそれがマーケットというものだ。通常品よりも訳あり品が安いように、百貨店よりディスカウント店の方が安いように、ブランドショップより中国業者から買った方が安いように、ってこれは偽物リスクが高いから当然なのだが、つまり全てが価格に反映されていると言うことになるのだ。
◆ それでもかに肉の缶詰とか明太子など、比較的通常価格が高く、高額だから形の良いものが望まれる商品の訳あり品はお得だと思う。贈答用に向かないのは確かではあるが自家使用なら見た目は盛りつけでカバーすればいい。カニなどは足が取れてしまうと価値半額だそうだが、そうした取れた足などを集めて通販番組などでは売っている。もっともカニは当たり外れが大きいので大量購入はリスクもある。比較的低リスクなのは明太子とか形の不揃いな野菜などだろうか。楽天あたりでもこの商売に目を付けて特集ページを組むなど行っていたようだが、訳あり品を訳ありの楽天かよみたいな気がしないでもない。購入時には安物買いの銭失いにならないように、まずは少量から試すのが良いと思う。特に刺身類やカニには注意したい。
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