値引き競争は正当な商行為か(6/1)
◆ 分離プランに於ける端末価格は、いわゆる定価売りとなる。しかし実際には市場の競争があるわけで、定価で売れと拘束する事は出来ない。だが値引きを許すとこれまでのインセンティブプランと同じ事になってしまう。
◆ 値引きの原資がどこにあるのかなど調べようがないわけで、例えば自動車ディーラの行う自社登録と新古車販売と同じなのだ。これはディーラが新車を自社登録して登録台数を増やす。するとメーカから奨励金が貰えるので、自社登録をした車を新古車として販売しても損にならない。
◆ 分離プランでもSIMロックがなされている事、例えばソフトバンク向けのXperia1はドコモやauの一部のBANDに対応していない事などを見れば、ソフトバンクでXperia1をう買う人はソフトバンクでそれを使う可能性が極めて高い。だとするならば、値引き販売は加入者の増加に向けたものだと言う事が出来る。
◆ これがiPhoneなどだと話が少し違ってくる。SIMロックはあるにしても仕様は同一なので、最も安価なMNOでiPhoneを買って自分の契約MNOの回線で使う事が可能になる。もっともソフトバンクはSIMフリー版などのスマートフォンを使う事が出来ないようになっている。これは分離プランに反する規制なのだが今後変わるのだろうか。
◆ 5月30日の会合では値引きに対する規制などが話し合われた。絶対額として値引き上限を決めるのか、定価に対する割合として決めるのかなど、難しい面がある。
◆ 言う事とやる事が正反対な楽天はモバイル事業でもこれを炸裂させた。端末の激安販売は許されるものではないと。
その許されざる事で加入者を増やしたのが楽天だ。騙しのテクニックはソフトバンクとは異なるが、見方によっては楽天の方がよりあくどい事をやる。
◆ その楽天はSIMロックを廃止すれば良いという。と言う事は、今後登場するであろう楽天扱いのスマートフォンにはSIMロックはかけないんだろうな。え?言う事とやる事が正反対なのが楽天スタイルだから、むっつり三木谷氏の方針通りやりますよって事か。
◆ 値引き云々の議論をするならば、値引きゼロを規定した上で定価の設定を行えば良い。そもそも値引き論が出る事からして通信料の引き下げが不十分だったのではないのか。ドコモは2割の余力があると言っているので2,980円のプランは2,380円に出来たと言う事になる。
◆ ドコモばかりではなくKDDIにしてもソフトバンクにしても同様で、ソフトバンクは値引き規制はスマートフォンだけにした方が良いとまで言っている。
◆ 値引きしたいのならご自由にどうぞとやるとどうなるのだろうか。iPhoneのゼロ円販売は復活するのか?分離プランなのだから誰でもゼロ円で買う事が出来る。もしもキャッシュバックがPayPay残高に入りますよと言ったところで、電子マネーは基本的には現金同様だ。使途限定PayPayでソフトバンク通信料にしか充当できませんとでもやれば別だろうけれど、これだと分離プランではなくなる。
|
|