静岡空港に消えた52億円(11/26)
◆ 航空機もろくに飛ばない空港、船がやってこない港をどんどん作る国交省や自治体は一体何をしたいのか。静岡空港は開港以来10年連続の赤字で、累損は51.5億円に達したという。たぶんこれは県税から支出されているはずだ。
◆ 空港開設計画は1987年だったそうで、当時の運輸省が1996年に許可を出した。
その後も民営化論など色々あったようで、完全民営化というか民間に押しつけたのが今年の4月だとか。
◆ 静岡空港がどこにあるのかというと、静岡駅と浜松駅の中間辺りだ。浜松以西の人は名古屋空港を使った方が便利になり、静岡以東の人は羽田を使うのではないだろうか。TVなどでも静岡空港を使いましょうみたいな放送をしているが、何か特別な事情でも無い限り使わないだろうし、使われないから赤字なのだ。
◆ JALだったかANAだったか、路線撤退があったとかなんだとかとも言っていた。客の乗らない航空機を飛ばすのは航空会社にとっても何のメリットもない。この問題は静岡空港だけではなく全国のローカル空港が抱える。全国の空港の赤字額は400億円にもなる。
◆ 飛行機を離着陸させるにはコストがかかる。従って空港を分散させると効率がどんどん悪くなる。空港のキャパシティ問題などで新空港を作るならともかく、各県に空港を作りましょうみたいなことをやるのは無駄以外の何物でも無い。
◆ 航空機は短距離を飛ぶのが得意ではない。運航の手間も燃料消費量も、離発着を含めた旅客時間でも意味が無くなる。それが離島などで陸路を使えないというのならともかく、そうでないのなら陸上交通を使った方が得だ。
◆ 航空機に乗る手続きなどの時間、下りてからの時間を考えると100kmの移動でも200kmの移動でも1時間以上かかる。しかも空港は余り便利な場所には作られないというか作れないので、そこまでの移動時間もかかる。
◆ 東京ー大阪間だと新幹線と余り変わらない(移動時間は当然航空機の方が短い)が、多くの人は新幹線を使う。ちなみにLCCを使うと移動コストは航空機の方が安い。
500kmあまりの移動でもこんな状況なのだから、静岡空港が使われないのはもはや当たり前なのだ。その当たり前の無駄を当たり前に行うという馬鹿らしさに呆れるではないか。
◆ 静岡駅周辺から静岡空港までは車で1時間弱の距離になるが、静岡駅から1時間をかけると東京駅まで新幹線で移動が出来る。
浜松駅からも静岡空港まで1.5時間ほどかかるが、新幹線で西に向かうと新大阪に到達出来る。
◆ 離発着便は国内線は沖縄・九州と北海道だけなのかな。週に1便とか2便の路線もあると思うので本州発着があるかも知れない。国際線は中国便と韓国便がある。仕事や観光で九州や北海道に行く人も勿論いるとは思うのだが数は少ないだろうし、数が少ないから赤字なのだ。
◆ 静岡県は言うだろう、年間50万人以上が利用していると。観光シーズンや帰省シーズンなどは乗降客が増えるのだろうが、一日の平均として見れば1,500人程度だ。単線の終点の田舎の駅である修善寺駅でさえ5千人前後の利用者がある。5千人の利用者のある修善寺駅だって、周りには何もない。
その程度の乗降客数では商売にならないからだ。
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